美術展NEWS!水墨画の風 長谷川等伯と雪舟@出光美術館

美術展NEWS!水墨画の風 長谷川等伯と雪舟@出光美術館

目次

キーワードは風

2017年6月10日(土)から7月17日(月)まで、丸の内・出光美術館で『水墨画の風 長谷川等伯と雪舟』展が開催中です。水墨画の巨匠、雪舟・長谷川等伯を始め、彼らに影響を与えた中国の画僧、牧谿や玉澗などの作品も展示。本展では「風」をテーマに、水墨画の遺風がどのように新風を巻き起こしていったのかを見ていくことができます。
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水墨画の2トップ「雪舟」と「長谷川等伯」を知る

雪舟

雪舟等楊は室町時代のお坊さんです。幼い頃から絵を描くことが大好きで、勉強そっちのけで絵ばかり描いていることに腹を立てた住職が雪舟を本堂の柱に縛りつけたという有名なエピソードがあるほど。しかし叱られただけで終わらないのが天才、雪舟でした。落ちた自分の涙を足の指につけて、縛られたまま床にネズミを描いたとか。その絵の見事さに住職は感心し、その後は自由に描く事を許されたといいます。
表紙図版 破墨山水図画・雪舟、賛・景徐周麟『破墨山水図』室町時代 出光美術館【展示期間/6月10日〜7月17日】

50歳手前で明(中国)に渡り、本格的に水墨画について学びました。日本とは違った大陸の自然や人々、中国の画僧、玉澗や牧谿の作品に感動し、大きな影響を受けました。

日本に戻ってからは、日本で重んじられた画法にとらわれず、雪舟オリジナルの画風へと転換していきました。

長谷川等伯

長谷川等伯は桃山時代に活躍をした画家です。京都で活躍することを夢見て、妻と子供を連れ33歳の頃に上京。しかしその頃の京都は狩野派が宮中の仕事をほとんど引き受けており、地方から出てきた等伯は見向きもされないような状態でした。

そんな中でも狩野派を超えてやる!と燃えてしまうのが野心家の等伯。仕事を得るために堺の商人たちと交流をもち、その中で千利休とも出会いました。
(5) 竹鶴図屏風(左隻)長谷川等伯『竹鶴図屏風(左隻)』桃山時代 出光美術館【展示期間/6月10日〜6月25日】

等伯の画業を語る上で欠かせないエピソードは大徳寺の『山水図襖』をめぐるもの。等伯は塔頭の一つ、三玄院に襖絵を描きたいと願っていました。しかし、住職の春屋宗園は「ここは修行の場だから絵なんていらない!」の一点張り。それでも諦めきれない等伯は、なんと住職が不在の間に勝手に上がりこんで絵を描いてしまったのです。もちろん最初は激怒した宗園でしたが、その素晴らしい出来栄えに感動しそのまま絵を残したと言われています。

このエピソードがきっかけで「長谷川等伯」という名前が京都に知れ渡り、大仕事の機会を得るようになっていったのです。

雪舟も等伯も、怒っている人をも唸らせてしまうほどの才能の持ち主であったという共通点がありました。

展覧会のみどころは4つ!

1、水墨画の「風」を名品の数々で紹介!

「風」は「かぜ」と読めるのと同時に、「画風」「遺風」といった言葉からもわかるとおり、「流儀」や「様式」といった意味も含んでいます。日本における水墨画が巻き起こした「風」とは…?
(2)叭々鳥図牧谿『叭々鳥図』中国 南宋時代 出光美術館【展示期間/6月17日〜7月17日】

2、「雪舟」誕生を解き明かす!

雪舟が影響を受けた「浙派」や「玉澗画」、さらには雪舟に私淑した奇才として今注目が集まっている雪村の作品をあわせて紹介。雪舟はどのようにして誕生したのでしょう。そして次の世代にどのような影響をあたえていったのでしょうか。
(1)山市晴嵐図玉澗『山市晴嵐図』中国 南宋時代末期〜元時代初期 出光美術館【6月10日〜7月17日】

3、等伯の革新!その創造の源を追う!

雪舟5代を名乗り、独自の絵画表現を突き詰めた長谷川等伯。水墨技法を駆使したその作品は、日本水墨画の最高峰ともいわれています。とはいえその圧倒的なオリジナリティーは、伝統の存在なくしては語ることはできません。伝統を重んじつつさらなる飛躍を見せた等伯の画業とは!?
スクリーンショット 2017-06-07 17.23.00長谷川等伯『松に鴉・柳に白鷺図屏風』桃山時代 出光美術館【6月10日〜7月17日】

4、室町水墨から大雅。玉堂まで!水墨画の競演!

日本の水墨画の風を巻き起こしたのは雪舟と等伯だけではありません。江戸時代に入ると、狩野派や、池大雅、浦上玉堂など新しく豊かな水墨表現が花開き、さまざまな展開を見せてきました。時代の変化と共に多様化してきた水墨画の表情を楽しむことができます。
(6)酔舞・猿曳図屏風(左隻)狩野尚信『猿曳・酔舞図屏風』江戸時代 出光美術館【6月10日〜7月17日】

展覧会情報!

水墨画の風 長谷川等伯と雪舟

会期/2017年6月10日(土)〜2017年7月17日(月)
会場/出光美術館
開館時間/10時〜17時
閉館日/月曜日(7月17日は開館)
住所/東京都千代田区丸の内3-1-1 帝劇ビル

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