「私は植物の愛人」?牧野富太郎が描いた植物画に胸キュン!

「私は植物の愛人」?牧野富太郎が描いた植物画に胸キュン!

「私は植物の愛人としてこの世に生まれてきたように感じます。あるいは草木の精かも知れんと自分で自分を疑います」とは、日本の植物分類学の基礎を築き、植物学史に大きな足跡を残した世界的な植物分類学者、牧野富太郎博士の言葉です。植物学の研究において植物図は、記録や発表のために必要不可欠なもの。博士は94年の生涯で1700点もの植物画を描き残しています。今回は、植物の研究に人生を捧げた博士が描いた、草木への深い愛と知を感じる精緻な植物画の中から、5作品をご紹介します。

1 コウシンソウ(タヌキモ科)

牧野富太郎ケント紙 墨(毛筆)、水彩/明治34(1901)年 7.1×9㎝ 「Nikkō June 30,1901」関東地方北部の山地の湿った岩壁に特産する多年生の食虫植物。花は6〜7月。紅紫色で横向きにつき、花のあと花茎(かけい)が伸びてそり返る。和名は最初、栃木県の庚申山(こうしんざん)で発見されたことによる。

2 ヤブラン(ユリ科)

牧野富太郎ケント紙 墨(毛筆)、水彩/昭和18(1943)年 19.7×13.6㎝ 本州以南の林下に生育する常緑の多年草。花期は7〜10月。花は紫色で、総状(そうじょう)に多数つく。6枚の花被片がパッと開いた様子が力強く美しい。線形の葉を多数つけ、種子は熟すと光沢のある黒紫色になる。

3 ヒメキリンソウ(ベンケイソウ科)

牧野富太郎和紙 墨(毛筆)、水彩/明治22(1889)年 27.4×19.3㎝「土佐鳥形山ヨリ移植 明治廿二年六月十七日」四国の山地の岩れき地に生える多年草。1889年に高知県産の採集品に和名をつけて、1891年に「日本植物志図篇」でロシアのマキシモヴィッチ博士が命名した学名に新称和名を再録して発表した。

4 ホテイラン(ラン科)

牧野富太郎石版印刷 多色刷り/明治44(1911)年 47.6×35.4㎝ 「大日本植物志」第1巻第4集第16図版。「大日本植物志」全16図版中、唯一の彩色図。本州中部の針葉樹林に生える珍しいラン。5、6月に、香りのよい淡紅紫色の花をつける。和名は唇弁(しんべん)の形が布袋(ほてい)の腹を想像させることによる。

5 ヤマザクラ(バラ科)

牧野富太郎石版印刷/明治33(1900)年「大日本植物志」第1巻第1集第1図版(日本の代表的な植物として、巻頭図とした)古くはサクラといえばヤマザクラを指した。ソメイヨシノより開花が遅く、葉の展開とほぼ同時に開花する。寿命が長く、巨木も多い。材は緻密で堅く、浮世絵の版木に使われた。

※作品はすべて高知県立牧野植物園所蔵

高知県立牧野植物園
公式サイト

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