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Art
2019.08.16

世界遺産・京都「清水寺」で開幕!小説家・原田マハ監修のまったく新しいアート展(9/1~8)

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京都・清水寺(きよみずでら)は今、周辺エリアを含めて、古都・京都で最も多くの人が訪れる観光地として有名です。
それはすなわち、「清水の舞台」で知られる世界遺産・清水寺が、信仰や鑑賞の対象として見逃すことのできない存在であることにほかなりません。
そんな清水寺の1200年の歴史の中で初めて、西洋近代絵画や現代美術、文学、マンガ、映画など、ジャンルを越えた作品が一堂に会する展覧会が、2019年9月1日(日)~8日(日)の8日間開催されます。

CONTACT つなぐ・むすぶ・日本と世界のアート展

清水寺で開催される「CONTACT つなぐ・むすぶ 日本と世界のアート展」は、ICOM(アイコム/国際博物館会議)京都大会を記念したもので、日本と世界のアートにおける両者の接点(コンタクト)をテーマにしています。

清水寺×ART=CONTACT展

日本と世界のアートは、互いに接点をもち、刺激を与え合って発展してきました。
その軌跡を紹介するのがCONTACT展で、京都のシンボル的存在の世界遺産・清水寺を舞台にして、美術や文学、映画、マンガといった分野において、世界と日本のアーティストやクリエイターがどのように影響を与え合い、響き合ってきたかを体感することができます。
時空やジャンルを超えた多彩なアート作品が集結するのは、清水寺にとっても初のこと。通常非公開の小堀遠州(こぼりえんしゅう)作の名庭とともにアートを楽しめるのも話題になっています。
また、CONTACT展の総合ディレクターを務める小説家・原田マハが、この展覧会を舞台に書き下ろした小説『20 CONTACTS 消えない星々との短い接触』(幻冬舎)を刊行。展覧会会場では、原田マハさんの全作品の解説と小説の一部を掲載したタブロイド紙が無料配布されます。

清水寺 成就院 庭園

原田マハさんから寄せられたコメントをご紹介します。

展示期間は限定8日間。
会場は世界遺産・清水寺。
展示品は美術品のみならず、漫画、映画、文学の資料も含む。
会場にはキャプションも解説も一切なし。
開場は朝7時。
書下ろし小説と連動。

見るだけでなく、体感していただく展覧会です。
展覧会が持つ可能性を探る展覧会です。
一期一会、見逃して欲しくない展覧会です。

(総合ディレクター 原田マハ)

ここがすごい!CONTACT展 5大ポイント

1 日本と世界のアートがジャンルを超えて集結

日本のアーティストやデザイナーに多大な影響を与えたアンリ・マティス、そのマティスに南仏で師事した猪熊弦一郎。深い交流をもって響き合っていた川端康成と東山魁夷。4半世紀以上も日本で個展を開催し続けてきたゲルハルト・リヒターなど日本と密接な外国人アーティスト。国際的に活躍した日本人アーティスト。彼らの作品をあわせて展示することによって、日本と世界のアートがどのように融和してきたかがよくわかる展示になっています。また、美術のみならず、文学やマンガ、映画など、ジャンルを横断したユニークな展示も見ごたえがあります。
■出品作家
司馬江漢 / アンリ・マティス / オーブリー・ビアズリー / アルベルト・ジャコメッティ / 猪熊弦一郎 / 棟方志功 / 東山魁夷 / ヨーゼフ・ボイス / ゲルハルト・リヒター / 三島喜美代 / 森村泰昌 / 三嶋りつ惠 /ミヒャエル・ボレマンス / 加藤泉 / 荒木悠 / 宮沢賢治 / 川端康成 / 小津安二郎 / 黒澤明 / 手塚治虫 / 竹宮恵子 / バーナード・リーチ / 河井寛次郎 / 濱田庄司 / ルーシー・リー / シャルロット・ぺリアン

ゴッホは現代の日本で何を見たのか?セルフ・ポートレートの巨匠・森村泰昌がゴッホに挑んだ映像作品。《エゴ・シンポシオン/ゴッホ》2017年 映像6分55秒 作家蔵 © 2019 Yasumasa Morimura

2 展覧会の新たな可能性に挑戦

CONTACTをテーマにした展覧会は、アーティスト同士のコンタクトの軌跡を展観すると同時に、どうしたら来場者が作品とより深く向き合い、アートやその背景にある世界とコンタクト出来るかを重要なテーマとしています。その結果、展覧会の新たな可能性を引き出すさまざまな挑戦が行われています。
中でも注目したいのが、開場時間が午前7時ということ。観光の人にとっては人の少ない早朝に、仕事をしている人にとっては就業前の時間に、清水寺の清々しい空気とともに、解説表示のないシンプルな展示空間で作品を体感することができるのです。さまざまな挑戦から、CONTACT展は展覧会がもつ多様な可能性にも気づかせてくれることでしょう。

ゲルハルト・リヒター《8枚のガラス板》2012年 ガラス、鋼鉄製の金具 220×160×350㎝  協力:ワコウ・ワークス・オブ・アート © Gerhard Richter 2019 (01082019)

3 まさにミュージアムの原型だった清水寺

会場となる清水寺は、平安時代に征夷大将軍・坂上田村麻呂(さかのうえたむらまろ)が開いたと伝えられています。境内には国宝・重要文化財を含む30以上の伽藍や碑が立ち並び、多くは江戸時代の初めに3代将軍徳川家光によって再建されたもの。眺望が素晴しい本堂は「清水の舞台」として親しまれていて、平成6(1994)年に世界文化遺産に登録されまた。

そもそも寺院には、御用絵師を住まわせて作品を創らせ、発表の場を与えるという歴史があり、アートの擁護者という側面がありました。いわば日本におけるミュージアムの原点ともいえる存在。ICOM京都大会を記念した展覧会の会場として、清水寺はまさにうってつけの場なのです。

そんな空間を生かし、伝統的な日本建築の中で美術作品が置かれていた状況を再現するため、通常非公開の「成就院」では、小堀遠州が手がけた美しい庭園とともに、襖や長押が展示されます。

ミヒャエル・ボレマンス《くちなし(2)》2014年 © Michaël Borremans

また一方で、美術館のような空調設備を備えていない寺院での開催に際しては、作品の展示環境をいかにして保つかが大きな課題でした。そのため、日本を代表する修復家・岩井希久子の協力のもと、一部作品展示に脱酸素密閉(特許申請中)という最先端技術を導入。作品を守る額装やケース内は、酸化を防ぎながら相対湿度が一定に保たれています。

ほかにも、通常非公開の「経堂」で展示がなされるほか、日本屈指のインスタ映えスポットである入口正面の重要文化財「西門」、「馬駐(うまどめ)」のフリーゾーン(チケット無しで鑑賞可能)で現代アーティスト加藤泉のイスタレーションを展示し、世界中から清水寺を訪れた来場者にアートに触れる機会が提供されます。                     

清水寺 西門では加藤泉の新作インスタ レーションが展示される。 加藤泉《無題》2019年 (本展のための特別制作) 布、革、アクリル絵具、パステル、ステンレススチール、アルミニウム、鉄、刺繍、石、リトグラフ  ©️2019 Izumi Kato

4 発起人・総合ディレクター 原田マハ

CONTACT展は、キュレーターとしてのキャリアをもつ小説家・原田マハが、ICOM京都大会の開催にあわせて、自ら発起人となり総合ディレクターを務めています。

ICOM(アイコム/国際博物館会議)とは、戦後間もない昭和21(1946)年に発足した、世界中の美術館/博物館の国際会議で、3年に1度、30の国際委員会が一堂に会する大会が開催されます。

原田マハはコーキュレーターの林寿美とともに今回の展覧会のキュレーションを行うと同時に、本展にあわせて書き下ろした短編小説『20 CONTACTS 消えない星々との短い接触』(幻冬舎 8月10日発売)を発表。会場ではその一部抜粋と、原田マハの全作品の解説が掲載されたタブロイド紙を無料配布。小説とともに展示作品を鑑賞するという特別な体験を楽しむことができます。

原田マハ
1962年、東京都生まれ。関西学院大学(近代文学)、早稲田大学(20世紀美術史)卒業。馬里邑美術館、伊藤忠商事を経て、森美術館設立準備室在籍時、ニューヨーク近代美術館に派遣され同館勤務。その後、インディペンデント・キュレーターとなりかずかずのアートイベントを手がける。2005年『カフーを待ちわびて』で日本ラブストーリー大賞を受賞し小説家デビュー。2012年に発表したアートミステリー 『楽園のカンヴァス』が山本周五郎賞を受賞しベストセラーに。2017年『リーチ先生』が新田次郎文学賞を受賞。『暗幕のゲルニカ』『ジヴェルニーの食卓』『サロメ』『たゆたえども沈まず』『モダン』『常設展示室』など、アートや美術館を主題にした「アート小説」を多数発表。最新刊は、国立西洋美術館の礎となった松方コレクションを巡る物語『美しき愚かものたちのタブロー』。
『20 CONTACTS 消えない星々との短い接触』(幻冬舎)は、「私」からの挑戦状を受け取った「私」が20名の巨星(アーティスト)に会いに行き、 その創作の秘密に迫る物語。CONTACT展に出品される18名の作家も登場する。

左/原田マハ 右/『20 CONTACTS 消えない星々との短い接触』(幻冬舎 8月10日発売)

5 トークイベントが、また豪華!

会期中は清水寺・大講堂にて、総合ディレクターの原田マハが、竹中直人(俳優)、山田洋次(映画監督)、桂南光(噺家)、御立尚資(ボストン コンサルティング グループ シニア・アドバイザー)などの多彩なゲストを迎えて行うトークイベント「CONTACT.ALK:アート経由・日本と世界のつなぎ方」を開催します。

トークイベント プログラム (タイトルは変更の可能性があります)
会場:清水寺 大講堂 円通殿
チケット料金:各回3,500円 展覧会とのセットチケット5,000円
前売券:CONTACT展公式サイト 「チケットぴあ」にて発売

左/竹中直人(俳優) 右/山田洋次(映画監督)

9月2日(月)16時~(開場15時30分)
「CONTACT ARTISTS:もしも私がゴッホに会いにいくなら 芝居と小説・アートを探して」

出演:竹中直人(俳優)、原田マハ
アーティスティックな圧倒的演技力を誇る竹中直人が、もしもゴッホを演じたら? 影響を受けたアーティストや映画について、「なりきる」演技の極意を原田マハが探ります。

9月4日(水)16時~(開場15時30分)
「CONTACT STARS: 星々との交信 日本と世界の映画をつなぐもの」

出演:山田洋次(映画監督)、原田マハ
今年「男はつらいよ」50周年を迎え、50回目となる同作の公開が年末に予定されている山田監督。寅さんの創作秘話、世界で注目される日本映画の魅力について原田マハと語り合います。

左/桂南光(噺家) 右/御立尚資(ボストン コンサルティング グループ シニア・アドバイザー)

9月6日(金)14時30分~(開場14時)
「CONTACT SMILES: そらもうアートが大好きでんねん! 南光・マハの夢中でアート談義」

出演:桂南光(噺家)、原田マハ
「ちちんぷいぷい」(毎日放送)の人気コーナー「美術館に行こう」が評判の南光師匠は、自他ともに認めるアート好き。アート&旅仲間である原田マハとともに、大好きな美術館、アーティストについて熱論します。

9月7日(土)14時~(開場13時30分)
「CONTACT BIZ. アートビズの時代 ビジネスリーダーは美術館にいる」

出演:御立尚資(ボストン コンサルティング グループ(BCG)前日本代表 シニア・パートナー&マネージング・ディレクター 公益財団法人大原美術館理事)、原田マハ
最近、アートに親しみ、アートを語れるビジネスパーソンが注目されています。「アートビズ」をキーワードに、アートを愛するビジネスリーダー・御立氏に美術館を楽しむ秘訣を聞きます。

「CONTACT つなぐ・むすぶ 日本と世界のアート展」概要

会期:2019年9月1日(日)~9月8日(日) ※会期中無休
開催時間:7時~18時(最終入場は17時)
会場:清水寺(京都市東山区清水1丁目294)成就院、経堂、西門、馬駐
入場料:大人1,800円 子ども(小学生以下)無料 ※7時~9時入場モーニングチケット大人1,600円、子ども(小学生以下)無料 ※トークイベントとのセットチケット5,000円
前売券:公式サイトリンクチケットぴあ」にて発売中
★本展覧会は、ゆったりとご覧いただくために各時間帯に入場制限を設け「日程(日にち・時間帯)指定の前売券」を販売。前売券で選択いただいた日程のみ入場可能です。ご旅程・ご参加人数の決定後にお申込ください。
CONTACT展公式サイト

書いた人

昭和のころからファッション雑誌の編集に携わり、重ねたキャリアだけは相当なもの。長らく渋谷の隣駅(池尻大橋)近くに住んでいたが、諸事情により実家(福岡県飯塚市)に戻る。以後もライターの仕事に携わることができ、現在2拠点生活中。LCCの安さに毎回驚きながら、初めて住んでみた人形町・日本橋エリアでの生活が楽しくて仕方がない!