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昭和40年代からの夏の定番菓子
秋色庵大坂家の「舟水ようかん」
小ぶりだけど、あんがたっぷりで大満足。でも明日も食べたくなる品のよさ。大坂(当時)から江戸に商いを移し、江戸での創業が元禄(げんろく)年間という老舗上菓子店。家族だけの小さな商いが誠実な味からも伝わってきます。「織部饅頭(おりべまんじゅう)」を考案したことでも知られていますが、こしあんは「割ったときに、〝しくっ〟と音が出るぐらいの塩梅(あんばい)で」が代々の教えで、風味が強く、重量感もたっぷり。
「こだわりって言葉は嫌いだね。北海道の小豆、白ザラメをふんだんに使ってつくるのがうちのあん」と江戸っ子らしい職人口調が潔い18代目店主・倉本勝敏さん。笹舟の型に入れるのは当代から。「冷たいものには直接手を触れずにお客様に渡すほうがいい」との配慮。水ようかんのあんだけ和三盆を加えるのも当代からの工夫で、香り高く後味のいいあんが好評です。
和三盆の風味で爽やかな口あたり
店舗情報
秋色庵大坂家 しゅうしきあんおおさかや
住所:東京都港区三田3-1-9
電話:03-3451-7465
営業時間:9時~18時 第1月曜・日曜・祝日休(お節句はこの限りではありません。7月・8月は毎週月曜休)
撮影/石井宏明 構成/藤田 優、後藤淳美(本誌)本記事は雑誌『和樂(2021年8・9月号)』の転載です。
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