「揖保乃糸」の仕上がりの微差は帯の色でわかります!
スーパーでよく目にする「赤帯」が「揖保乃糸(いぼのいと)」のすべてではありません。
「新商品は製造者の技術向上にもなるので、組合も力を注いで開発しています」(「兵庫県手延素麺協同組合」広報担当・天川亮さん)。
細さ、食感、つねに進化しています。
そこで、8等級について、詳しくご紹介します!
写真の1~8の名称と特徴を、どうぞご参考に。

1「三神(さんしん)」製造者はごくわずか。極細麺の最高級品
たつの市の「素麺神社」に祀られている3柱の神様が名の由来。特に冷え込みが厳しい時期、上質の小麦粉を使用し、選ばれた熟練職人が製造。主に贈答品専用として展開中。麺の太さ/0.55~0.6㎜。製造時期/12月下旬~翌2月。
2「特級品」通称「黒帯」。寒造りの絶品麺
「赤帯」に比べると細身でツヤがあり、コシも強め。上質な小麦を使い、熟練職人が製造。寒づくりの素麺のおいしさを再確認できる。麺の太さ/0.65~0.7㎜。製造時期/12月下旬~翌2月。
3「上級品」通称「赤帯」。安定のコシと香り
「揖保乃糸」を代表する商品。それもそのはず、全生産量の約8割を「赤帯」が占めているとか。伝統の味わいと価格、入手しやすさを考えると、やっぱり「赤帯」に落ち着くとの声も多数。麺の太さ/0.7~0.9㎜。製造時期/10月~翌4月。
4「縒(より)つむぎ」国産小麦を使用したもちもち感
原材料を100%国産小麦にこだわる人におすすめ(現在販売中のものは北海道産)。絹のような細さがありながら、麺はモチッと弾力がある。小麦の香りがしっかりと楽しめる。麺の太さ/0.7~0.8㎜。製造時期/12月~翌3月。
5「播州小麦」地元小麦を使用した麺が復活
創業初期、播州(ばんしゅう)平野で育まれた小麦を原料に、少量規模で生産していた素麺を現代に再現。小麦の旨みを引き出すために、麺はやや太くもっちり。兵庫県産ギフトとして展開中。麺の太さ/0.9~1.1㎜。製造時期/11月~翌3月。
6「熟成麺」〝ひね〟ならではのなめらかなのど越し
国家資格である「手延製麺技能士」に製造者を限定。組合の専用倉庫で1年間じっくり熟成させて、旨み、風味を向上。歯ごたえもしっかり。主に贈答品専用として展開中。麺の太さ/0.7~0.9㎜。製造時期/12月~翌3月。
7「夢双(むそう)」豪州小麦と国産小麦のいいとこどり
海外産と国内産の小麦の各特徴を生かし、「揖保乃糸」の技術力を結集した、プリプリの歯ごたえとなめらかな口あたりの新感覚の素麺。主に贈答品専用として展開中。麺の太さ/0.7~0.9㎜。製造時期/12月~翌2月。
8「太づくり」北海道産小麦を使った太素麺
ひやむぎに近い太さがありながら、素麺に分類される。北海道産小麦「きたほなみ」を使用し、冴えるような白さが目で楽しめる。太い麺のモチモチ感、心地よい歯切れが味わい深い。麺の太さ/1.1~1.5㎜。製造時期/5月・9月。
*価格はすべてオープン価格です。ここで紹介した商品は全国の揖保乃糸特約店ほか、資料館「そうめんの里」内で販売中。オンラインショップ(https://nsshop.shop-pro.jp/)でも一部取り扱いあり。
もっと深掘りコラム 「ひね」ってなんですか?

「揖保乃糸」は毎年10月から翌年4月まで素麺を製造し、その年に出荷されるものを「新(しん)」と呼ぶ。それに対して、管理の行き届いた専用倉庫でさらに1年熟成させたものが「ひね」。熟成させた素麺は、麺の質が変化。コシが強くなり、風味も増し、舌触りもよくなる。
▼「そうめん」大研究その1はこちら。
「揖保乃糸」の製造は1社じゃない? 生産量日本一、播州手延べ素麺の秘密に迫る【「そうめん」大研究・1】

