CATEGORY

最新号紹介

12,1月号2025.10.31発売

今こそ知りたい!千利休の『茶』と『美』

閉じる

Lifestyle

2025.07.29

帯の色で味が変わる!?「揖保乃糸」全8種の魅力を徹底解説【「そうめん」大研究・2】

スーパーなどでもよく目にする播州手延素麺「揖保乃糸(いぼのいと)」。贈り物にも喜ばれる逸品ですが、実は1種類ではありません。

「揖保乃糸」の仕上がりの微差は帯の色でわかります!

スーパーでよく目にする「赤帯」が「揖保乃糸(いぼのいと)」のすべてではありません。
「新商品は製造者の技術向上にもなるので、組合も力を注いで開発しています」(「兵庫県手延素麺協同組合」広報担当・天川亮さん)。
細さ、食感、つねに進化しています。

そこで、8等級について、詳しくご紹介します!
写真の1~8の名称と特徴を、どうぞご参考に。

1「三神(さんしん)」製造者はごくわずか。極細麺の最高級品

たつの市の「素麺神社」に祀られている3柱の神様が名の由来。特に冷え込みが厳しい時期、上質の小麦粉を使用し、選ばれた熟練職人が製造。主に贈答品専用として展開中。麺の太さ/0.55~0.6㎜。製造時期/12月下旬~翌2月。

2「特級品」通称「黒帯」。寒造りの絶品麺

「赤帯」に比べると細身でツヤがあり、コシも強め。上質な小麦を使い、熟練職人が製造。寒づくりの素麺のおいしさを再確認できる。麺の太さ/0.65~0.7㎜。製造時期/12月下旬~翌2月。

3「上級品」通称「赤帯」。安定のコシと香り

「揖保乃糸」を代表する商品。それもそのはず、全生産量の約8割を「赤帯」が占めているとか。伝統の味わいと価格、入手しやすさを考えると、やっぱり「赤帯」に落ち着くとの声も多数。麺の太さ/0.7~0.9㎜。製造時期/10月~翌4月。

4「縒(より)つむぎ」国産小麦を使用したもちもち感

原材料を100%国産小麦にこだわる人におすすめ(現在販売中のものは北海道産)。絹のような細さがありながら、麺はモチッと弾力がある。小麦の香りがしっかりと楽しめる。麺の太さ/0.7~0.8㎜。製造時期/12月~翌3月。

5「播州小麦」地元小麦を使用した麺が復活

創業初期、播州(ばんしゅう)平野で育まれた小麦を原料に、少量規模で生産していた素麺を現代に再現。小麦の旨みを引き出すために、麺はやや太くもっちり。兵庫県産ギフトとして展開中。麺の太さ/0.9~1.1㎜。製造時期/11月~翌3月。

6「熟成麺」〝ひね〟ならではのなめらかなのど越し

国家資格である「手延製麺技能士」に製造者を限定。組合の専用倉庫で1年間じっくり熟成させて、旨み、風味を向上。歯ごたえもしっかり。主に贈答品専用として展開中。麺の太さ/0.7~0.9㎜。製造時期/12月~翌3月。

7「夢双(むそう)」豪州小麦と国産小麦のいいとこどり

海外産と国内産の小麦の各特徴を生かし、「揖保乃糸」の技術力を結集した、プリプリの歯ごたえとなめらかな口あたりの新感覚の素麺。主に贈答品専用として展開中。麺の太さ/0.7~0.9㎜。製造時期/12月~翌2月。

8「太づくり」北海道産小麦を使った太素麺

ひやむぎに近い太さがありながら、素麺に分類される。北海道産小麦「きたほなみ」を使用し、冴えるような白さが目で楽しめる。太い麺のモチモチ感、心地よい歯切れが味わい深い。麺の太さ/1.1~1.5㎜。製造時期/5月・9月。

*価格はすべてオープン価格です。ここで紹介した商品は全国の揖保乃糸特約店ほか、資料館「そうめんの里」内で販売中。オンラインショップ(https://nsshop.shop-pro.jp/)でも一部取り扱いあり。

もっと深掘りコラム 「ひね」ってなんですか?


「揖保乃糸」は毎年10月から翌年4月まで素麺を製造し、その年に出荷されるものを「新(しん)」と呼ぶ。それに対して、管理の行き届いた専用倉庫でさらに1年熟成させたものが「ひね」。熟成させた素麺は、麺の質が変化。コシが強くなり、風味も増し、舌触りもよくなる。

▼「そうめん」大研究その1はこちら。
「揖保乃糸」の製造は1社じゃない? 生産量日本一、播州手延べ素麺の秘密に迫る【「そうめん」大研究・1】

Tag
Share

和樂web編集部


撮影/伊藤 信 構成/藤田 優、古里典子(本誌) ※本記事は雑誌『和樂(2024年8・9月号)』の転載・再編集です。
おすすめの記事

クイズ!どうして七夕にそうめんを食べるか知ってる?古代中国まで遡って調査してみました!

進藤つばら

年越しそばの由来は1つじゃないの?大晦日に食べる理由とは

お鶴さん

え、「水まんじゅう」が名乗れなくなる!?果たして文化は商標登録できるのか?

里山企画菜の花舎

うなぎの名店3選!東京、名古屋、大阪、鰻重を食べるならこの店が間違いなし

和樂web編集部

人気記事ランキング

最新号紹介

12,1月号2025.10.31発売

今こそ知りたい!千利休の『茶』と『美』

※和樂本誌ならびに和樂webに関するお問い合わせはこちら
※小学館が雑誌『和樂』およびWEBサイト『和樂web』にて運営しているInstagramの公式アカウントは「@warakumagazine」のみになります。
和樂webのロゴや名称、公式アカウントの投稿を無断使用しプレゼント企画などを行っている類似アカウントがございますが、弊社とは一切関係ないのでご注意ください。
類似アカウントから不審なDM(プレゼント当選告知)などを受け取った際は、記載されたURLにはアクセスせずDM自体を削除していただくようお願いいたします。
また被害防止のため、同アカウントのブロックをお願いいたします。

関連メディア