「人」というモチーフに、時代の思想や理想を反映
横山大観が幼子を描いた『無我』をはじめ、小林古径(こばやしこけい)や安田靫彦の歴史画、上村松園(うえむらしょうえん)や鏑木清方(かぶらききよかた)の美人画、さらには入江波光(いりえはこう)や村上華岳(むらかみかがく)の仏画など、近代日本画壇の巨匠たちが描いた人間の理想像を紹介。西洋画の影響を受けつつ、新たな表現を模索していくなかで、近代の日本画家は、「人」というモチーフに、時代の思想や理想を反映させていきました。寺島紫明(てらしましめい)の『舞妓』や安田靫彦の『王昭君』は、彼らが求めた理想の人物像のひとつなのです。人物の内側からあふれ出る気品や知性、純粋さを感じてみてはいかがでしょう。
険しい表情の中に覚悟を感じる『王昭君』の気品と、やわらかな雰囲気をまとう『舞妓』の上品さ。どちらも画家の理想像である
安田靫彦『王昭君』昭和22(1947)年 紙本彩色・額装 88.0×55.3㎝ 足立美術館蔵
寺島紫明『舞妓』昭和36(1961)年ごろ 紙本彩色・額装 72.0×44.5㎝ 足立美術館蔵
HUMAN-ヒューマン-日本画にみる理想の人物表現
会期/開催中〜5月31日(水)
会場/足立美術館
住所/島根県安来市古川町320 地図
会館時間/9時〜17時半
休館日/無し