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2017.08.02

ついに開催!喜多川歌麿の大作『雪月花』を箱根の名所 岡田美術館で目撃せよ!

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歌麿の三部作が138年ぶりに夢の再会

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2017年7月28日(金)から、「歌麿大作『深川の雪』と『吉原の花』-138年ぶりの夢の再会-」が箱根の岡田美術館ではじまりました。

喜多川歌麿の傑作『雪月花』のうち、現在、米国のコネチカット州にある、ワズワース・アセーニアム美術館が所蔵している『吉原の花』を迎え、岡田美術館収蔵の『深川の雪』と夢の再会を果たします。3作が同時に展示されたのは、138年前の明治12年。栃木県の定願寺で公開されたのが最後の記録です。

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会場に入ってまず驚くのはそのサイズ感。浮世絵としては最大級の掛け軸である『深川の雪』は、199㎝×341㎝。この大きさを、たった2枚の紙に描いているというのもさらなる驚きです。

『雪月花』の見方として、岡田美術館館長・小林忠さんのオススメの方法は、まず近くで作品の質感や細かい描写を見ること。そして、その後に作品から離れ、遠目で3作を眺めることなのだとか。

IMG_5962-min(原寸大高精細複製画) 喜多川歌麿 『品川の月』 原本:江戸時代 天明8年(1788)頃 147.0×319.0㎝ フリーア美術館蔵

今回の展覧会で実物を見られるのは、『深川の雪』と『吉原の花』の2作ですが、『品川の月』も原寸大の高精細複製画が展示されていて、3作を見比べることができます。

未だ謎の多い『雪月花』

f163ca46abcdc0d83fe9d3f18e6efd43-620x458喜多川歌麿 『吉原の花』 江戸時代 寛政3〜4年(1791〜92)頃 186.7×256.9㎝ ワズワース・アセーニアム美術館蔵

三部作の舞台は、どれも江戸を代表する遊興の場になっています。粋な芸者町である深川の料亭の2階座敷。品川の旅籠屋。そして、幕府から条件付で公認された吉原の遊郭。

どの作品にも、数多くの女性の姿が描かれていることに対し、成人男性が1人もいないということ、落款がないということが共通の特徴です。『品川の月』にはシルエットで男性の姿が描かれているので探してみるのも楽しいです。

このように共通点のある3作ですが、サイズが揃っていないことや、描かれた時期が異なること、江戸ではなく栃木で描かれたと考えられることなど、不思議な点も多いのです。

制作を依頼したのは地方の商人!?

DMA-U0005200L-620x870喜多川歌麿『山姥と金太郎 耳そうじ』(部分) 大判錦絵 享和元~3(1801~1803)年ごろ 山口県立萩美術館・浦上記念館蔵 ※本展覧会には展示はされていません。

18世紀後半、老中・松平定信が行った寛政の改革により、浮世絵は風紀を乱すものとして厳しい取り締まりを受けました。歌麿と関わりの深かった江戸の版元・蔦屋重三郎は、財産の半分を没収されるという重い罰を受け、歌麿自身も、美人画ではなく『絵本太閤記』に取材した作品による思わぬ筆禍事件で、手鎖50日という重い刑を受けてしまいます。

150b9abd42d6f3a5f2f1e24dec7eae92-620x488喜多川歌麿『画本虫撰』はさみむし・けら(上)彩色摺絵入狂歌絵本2冊 天明8(1788)年 各27.0×18.5㎝ 国立国会図書館蔵 ※本展覧会には展示はされていません。

投獄される数年前に、幕府の弾圧から逃れるようにして頼ったのが栃木の商人・善野喜兵衛であったといわれています。喜兵衛には通用亭徳成という狂歌名があり、筆綾丸の狂歌名を持つ歌麿とは狂歌で繋がりがあったのでしょうか。
スクリーンショット 2017-07-27 20.21.26左から、善野家の家紋、品川の月(部分)、吉原の花(部分)、深川の雪(部分) ※図録『喜多川歌麿 大作「雪月花」』より転載

善野喜兵衛の名は歌麿の作品にも度々現れていて、その親しさが伺えます。そんな深い関係にあった喜兵衛の叔父・善野伊兵衛が、栃木滞在中の歌麿に『雪月花』を描かせたと言われており、3作の女性の着物に、善野家の家紋である、九枚笹らしき紋が描かれていることからもこの説が有力視されています。

歌麿の肉筆画が3点も!

IMG_5947-min喜多川歌麿 『深川の雪』 江戸時代 享和2〜文化3年(1802〜06)頃 198.8×341.1㎝ 岡田美術館蔵

歌麿は他の浮世絵師と同様に、肉筆画の名手としても知られています。現存している数はわずか40点程。手がけた浮世絵の量と比べると、とても少ない印象です。岡田美術館はそんな数少ない歌麿の肉筆画を、『深川の雪』を含め3点収蔵。それぞれの作品の繊細な描写から、歌麿は版画だけでなく肉筆画にも優れていたということが感じられます。

スクリーンショット 2017-07-28 10.16.13左/喜多川歌麿 『芸妓図』 享和2年(1802)頃 右/喜多川歌麿 『三美人図』 寛政年間(1789〜1801) ともに岡田美術館蔵

左は、盛装した晴れやかな芸者が美しい『芸妓図』。長らくフランスのカンヌにありましたが、近年めでたく日本に里帰りをし、話題となった作品です。座敷に呼ばれて客の前に現れたところでしょうか。右手で着物の前をつまみ、左手を袖に隠して立つ姿はキリッと決まっています。

『芸妓図』と対照的に感じられる『三美人図』は、仕事が始まる前の、まだ静かな吉原遊郭の室内でくつろぐ花魁たちの1コマ。客への手紙を書き終え、何か雑談でもしているかのようなその様子は、『芸妓図』や『吉原の花』の華やかさとはまた違った、日常的な空間が描かれています。

名物!岡田美術館チョコレートに新作登場!

IMG_6017-minOkada Museum Chocolate『歌麿・深川の雪』 4,800円(税込)

岡田美術館のミュージアムショップで最も注目を集めているのが、展覧会に合わせて販売される、『Okada Museum Chocolate』。

過去には、尾形光琳の『菊図屏風チョコレート』、伊藤若冲の『孔雀鳳凰図チョコレート』、神坂雪佳の『燕子花図屏風チョコレート』などが話題となりました。

今回は、岡田美術館収蔵の『深川の雪』をモチーフに、なんと過去最多の8粒セット!パッケージも雪をイメージした新しいデザインになりました。
IMG_6009-min三浦さんのおすすめは上段左上の『ゴルゴンゾーラチーズ×ベーコンチップ』。

チョコレートを手掛けたのは、岡田美術館専属ショコラティエである三浦直樹さん。フレーバーは、一見チョコレートには意外な素材も使用されていて新しい味わい。それぞれの素材の風味がしっかりと感じられ、チョコレートとの調和を楽しめます。

歌麿大作『深川の雪』と『吉原の花』-138年ぶりの夢の再会-

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長い間行方がわからず、2012年、60年ぶりに再発見された『深川の雪』。138年間バラバラになっていた『雪月花』の感動的な再会を、岡田美術館で是非ご堪能ください。

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