京都国立博物館では水中に棲む生物をテーマにした、「京博すいぞくかん-どんなおさかないるのかな?」展が、兵庫県立美術館では恐怖をテーマに特別展「怖い絵」展が開催中です。視覚的な涼と感覚的な涼、どちらがお好みでしょうか?
京都国立博物館 特集展示 京都水族館連携企画 京博すいぞくかん-どんなおさかないるのかな?
この夏、京都国立博物館が「すいぞくかん」に大変身。収蔵品の中から水中に棲む生物が描かれた作品が集結します。画家たちは水の中にどんな世界を想像していたのか、人間はどんなふうに生き物と関わってきたのか、子供にもわかりやすく、大人にも興味深い展示構成になっています。円山応挙の重要美術品『龍門図』や赤い海老が描かれた『網目と注連縄(しめなわ)に海老文様帷子(かたびら)』、斉白石(せいはくせき)の『紅蓮遊魚図』など、馴染みのある愛らしい魚たちや伝説の水の生き物の作品が並び、水の中の世界を芸術品で表現します。
左 『網目と注連縄に海老文様帷子』京都国立博物館蔵 右 円山応挙『龍門図』のうち京都国立博物館蔵
兵庫県立美術館 特別展「怖い絵」展
ジョン・ウィリアム・ウォーターハウス 『オデュッセウスに杯を差し出すキルケー』 1891年 油彩・カンヴァス オールダム美術館 ©Image courtesy of Gallery Oldham
「恐怖」をテーマに約80点の西洋絵画や版画を集めた、夏にぴったりの展覧会。怖さを読み解くヒントとともに、視覚的な怖さだけでなく、隠された背景を知ることで恐怖が判明する怖い絵も。コンセプトが明確ながらも、セザンヌ、モローといったヨーロッパ近代絵画の巨匠の作品も出展され、見応え十分。なかでも初来日となる縦2.5m、幅3mにも及ぶポール・ドラローシュの大作『レディ・ジェーン・グレイの処刑』は、たった16歳のジェーンが処刑される様子を細密に描いた作品。処刑人の手には巨大な斧が…!
ポール・ドラローシュ 『レディ・ジェーン・グレイの処刑』1833年 油彩・カンヴァス ロンドン・ナショナル・ギャラリー蔵 Paul Delaroche, The Execution of Lady Jane Grey,©The National Gallery,London.Bequeathed by the Second Lord Cheylesmore,1902