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10,11月号2024.08.30発売

大人だけが知っている!「静寂の京都」

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Art
2017.08.24

個性が光るアーティスト美術館に、お気に入りの作品を探しに行こう!

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ひとりの作家の作品にどっぷり浸れるのがアーティスト美術館。コレクションは作品ばかりでなく、画業のさまざまな側面を垣間見ることのできる貴重な資料なども豊富です。アーティスト美術館だからできる作家の魅力探訪へ、出かけてみませんか?

良質なコレクションならではの摺りや版の違いにも注目!中山道広重美術館

実業家・故田中春雄(たなかはるお)氏が集めた約500点の作品をもって平成13(2001)年に開館。歌川広重の作品を中心とする浮世絵版画や中山道(なかせんどう)に関する資料など、現在は1400点を所蔵しています。

ぜひ見たいのが、旧中山道(木曽街道)の宿場町を描いた広重の「木曽海道六捨九次之内」。田中コレクションは、全71図に摺り違いや貴重な変わり図を含めた総数なんと121点!田中氏の研究心をうかがわせる、専門家をも惹きつけるコレクションです。

『木曽海道六拾九次之内(きそかいどうろくじゅうきゅうつぎのうち)』 大判錦絵 1837年 中山道広重美術館蔵

差DMA-図45-01年に一度展示される『木曽海道六拾九次之内』。2017年は8月31日(木)〜10月1日(日)で『雨(写真)』と『晴れ』の2点が存在する「中津川」は2点とも公開。旅人の様子や宿場町の生活など、じっくり鑑賞したい。

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国内随一のコレクションのなかから特に肉筆画に注目!棟方志功(むなかたしこう)記念館

明治36(1903)年、青森市の鍛治職の家に生まれ、生涯郷士を愛した棟方志功。柳宗悦(やなぎむねよし)らの知遇もあり、民藝運動とともにその名前と作品は広く受け入れられました。

多くは木版画(本人は、版画と記した)ですが、子供のころから熱心に絵を描き、21歳で上京して本格的に学んだ棟方は、油絵や倭画(やまとが)、肉筆画、書など、多彩な作品を残しています。

棟方志功記念館では、倭画にも注目。版画とは異なる表現から、創作の勢いのようなものを感じます。

『神説御蓬莱之図(しんせつおんほうらいのず)』 倭画 1963年 棟方志功記念館蔵

DMA-棟方_B051神説御蓬莱之図古代中国の神仙思想における蓬莱をモチーフに描いた肉筆画。筆も色使いも強烈な印象でありながら、親しみやすさや、まなざしの優しさを感じる作品。9月24日(日)までの特別展で公開中。

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近代日本画の巨匠は壁一面の大作に注目!大田区立龍子記念館

近代日本画の巨匠と称される川端龍子(かわばたりゅうし)本人が、文化勲章受賞と喜寿を記念して昭和38(1963)年に設立。大正初期から戦後にかけての120点余りの作品を所蔵しています。

繊細な画風が主流だった昭和初期の日本画界にあって、奇抜で豪快、広い会場で見せるための構成など、独自の画風を貫いた龍子。その異端ぶりは、当館が所蔵する大画面の作品で存分に観賞できます。

旧邸や60畳のアトリエが残された向かいの龍子公園へも、ぜひ。

『臥龍(がりゅう)』 紙本彩色 1945年 大田区立龍子記念館蔵

DMA-臥龍(1945)縦243×横485㎝の大迫力!西洋画から日本画へと転身した龍子の、自由な筆やスケールの大きさを堪能できる作品。11月3日(祝)〜12月3日(日)の没後50年特別展に出品予定。

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多彩な企画展による染色体験や収集品にも注目!静岡市立芹沢銈介(せりざわけいすけ)美術館

優れたデザイナーとして商業図案や店舗ディスプレーなどで才能を発揮した後、染色家として長く活躍した芹沢銈介。その作品は思想と活動に共鳴して生涯の師と仰いだ柳宗悦に認められ、民藝を代表する作家のひとりになりました。

芹沢の魅力はその作品にとどまらず、彼が収集した膨大な工芸品の数々にもあります。ほぼ全世界を網羅しているともいわれるその数は、戦後のものだけでも約6000点。そのうちの約4500点を所蔵している美術館です。

『御滝図のれん』 紬に型染 1962年 静岡市立芹沢銈介美術館蔵

DMA-のれん041 御滝図のれん熊野でご神体と崇められる那智(なち)の滝を、藍の濃淡と白だけで表したデザイン力に驚愕する作品。下絵をよりシンプルにしたことで133mを落ちる水が勢いを増したよう。

『のれん上』より 和紙に筆彩 1948年ごろ 静岡市立芹沢銈介美術館蔵

DMA-IMG_4513のれんのための下絵を集めた折本には、上下巻で86の下絵が収められてる。滝をよく作品のモチーフにした芹沢には、上の『御滝のれん』以外にもさまざまな作品滝作品が。

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