「浮世絵作品が欲しいけど、掘り出し物をどうやって探せばいいの?」
「買うのはいいけれど、どうやって額装すればいいのかわからない……」
筆者を含め、そんな初心者マークの浮世絵コレクターにオススメしたい、とっておきの通販サービスがあるんです!
それが、小学館『週刊ニッポンの浮世絵100』の巻末で展開されている浮世絵逸品を買おう」という通販ページ。
同誌は、日本の代表的な浮世絵師50人と代表的な浮世絵作品50作品を、週替わり・全30号で紹介する小学館のウィークリーブック。現在第24号まで発行され、いよいよ約半年強に及ぶ刊行もゴールが見えてきました。
さて、この『週刊ニッポンの浮世絵100』については、僕も毎週欠かさず愛読中。これまで編集部のある文化事業局が発信するnoteにお邪魔してレビューを書かせていただいたり、同誌の監修を担当したコバチュウ先生の記念講座をレポートしたりと、様々な楽しみ方をご紹介してきました。
そんな折、そういえば見過ごしてしまっていたな……と、ふと気づいたのが、毎号巻末に掲載されている浮世絵作品の通販コーナー「浮世絵逸品を買おう!」です。
このコーナーでは、毎週、その号の絵師や特集作品にちなんだ数作品の浮世絵を『インテリア浮世絵』として販売中。その特徴は、文化事業局の編集スタッフが自ら厳選して浮世絵を仕入れて、届いたらその日からすぐに飾って楽しめるように、額装までをプロデュースした商品として販売しているということ。実はこの『インテリア浮世絵』、かなりお買い得な作品が多いらしいという噂も。
そこで、気になったので、思い切って編集部を訪問して、なぜ文化事業局で編集スタッフ自ら浮世絵販売を手がけようと思ったのか、どこがお得なのか探るべく取材してきました!
編集スタッフ自ら仕入~額装依頼までを丁寧に担当!
今回文化事業室で取材に対応してくださったのは、『週刊ニッポンの浮世絵100』の編集スタッフの一人であるHさん。ちょうど、「浮世絵逸品を買おう!」コーナーで掲載予定商品の検品中でした。
早速、各商品を見せていただきます。
おお! ナマの浮世絵です!
やっぱりSNSなどモニター越しの小さな画像や、美術館の暗い展示室の下で見るのとは違い、ナマの浮世絵は迫力が違います!
以前、和樂webの取材で、「笠松紫浪展」(太田記念美術館、2021年3月28日まで開催中)の作品を貸し出している芸艸堂(うんそうどう)さんを取材して、大量の新版画(浮世絵)を見せていただいた時も、明るい室内で直接見る木版画の凄さには本当に感銘を受けましたが、その時の驚きが蘇ってくるようでした。
でも、なかなかこうした江戸時代の良質な浮世絵って、素人では見つけるのが大変なんですよね。
僕もブロガーをやめ、アートライター専業になって満3年。自分でもなにか安く作品を買おうかと思って、いくつか木版画の専門店や古本屋で浮世絵コーナーを漁ったことがあるのですが、破損や汚損が激しいものもあり、浮世絵を買う難しさに打ちのめされてしまいました。
一体どうやってこうしたクオリティの高い作品を確保することができているのでしょうか? 仕入先はどこなのだろう……。そう思って、しつこく食い下がってみたところ、渋々教えていただけました。
編集部H氏「仕入先は……細かいお店の名前までは教えられないのですが、神保町の複数の浮世絵を専門としている古書店ですね。編集部のメンバーと、ページの担当ライターさんで買付に行くんです。これらの古書店さんとは長年の付き合いがあるので、とっておきの良い作品をバックヤードから出してくれるんです。できるだけ、毎号のテーマにあった作品を選ぶようにしていますね。」
なるほど……。編集部自ら商品仕入を担当されているのですね。共に100年間、神保町で日本の出版文化を支えてきた絆がなせるワザなのかもしれません。
さて、そうしてご用意頂いた作品を拝見していると、どの作品も非常に粒ぞろい。摺りや発色の状態が良い、クオリティの高い作品ばかりです。
そうなると、気になるのは価格面ですよね。
やっぱり「結構お値段は張るのだろうな……。」と思って価格を見てみると、一番安価な作品はなんと税込4万円台から用意されています。意外に手が届く価格じゃないですか!?
高価なものでもせいぜい30~40万円程度と、かなりお得な感じに見えます。実際、第1号~10号頃までの掲載作品は完売しており、リピートする熱心なコレクターさんもいらっしゃったのだとか。
編集部H氏「もちろん、北斎や広重で状態の良い有名作品などは、例外的に数百万円の値がつくこともありますが、浮世絵は元々庶民のお小遣いで買えるようなものだったわけだし、こんなものですよ。これでも、数年前に比べたら多少価格も上昇傾向にはあるんです。でもこれだけのクオリティのものをこれだけ安く出せるのは、信頼できる仕入先に頑張ってもらっていることも大きいですね。あと、ぶっちゃけそこまで利益を乗せていないからなんです(笑)。」
えっ、そんなことしゃべっちゃってもいいんでしょうか!
編集部H氏「今回、販売コーナーを設けた大きな理由としては、読者の方に新しい浮世絵の楽しみ方を知ってもらいたい、という目的があったんです。みなさん、浮世絵といえば『美術館で楽しむもの』っていう意識がどうしてもあると思うんですよね。でも、もともと江戸時代の庶民がそうだったように、気軽に手元に置いて楽しむのが浮世絵本来のあり方だったと思うんです。今、コロナでなかなか美術館にも足を運べない状況にもありますし、少しでも良いものを、できるだけ手に取りやすい価格で買ってもらうように心がけています。」
なるほど。そういうことでしたか!
これは嬉しい! 浮世絵作品に合った額装がセットで届く!
そういえば、こうして机の上に出して見せていただいた浮世絵作品は、どれもちゃんと額装されています。しかも、作品の形や雰囲気に応じたデザインの額が採用されています。
対して、これまで版元や美術館を取材させていただいた時、バックヤードから出していただいた作品は額装も何もなく、どれも裸の状態でした。これはこれで秘蔵の逸品をナマで見ているような特別感はあるのですが、この状態ではやっぱり落ち着いて鑑賞することはできませんよね。
かといって、自分で額を買ってきて、額装するのも結構面倒です。普段から趣味で絵を描いている人やヘビーなコレクターならともかく、初心者にとってはそもそも「浮世絵に合った額装を施す」ということ自体が、すでにもうハードルが高い。
なので、額装された状態で自宅に届くのであれば、これはかなり嬉しいかもしれません。梱包を開けたら、早速飾ることができるわけですから。
ちなみに、各作品の額装はどうやって決めているのでしょうか?
編集部H氏「額装についても、神保町に古くからある有名な画材屋さんに相談して、1点ずつ作品の雰囲気にあった額を合わせて制作しています。ちなみに、『週刊ニッポンの浮世絵100』に掲載されている販売価格は、額装までセットになった価格なので、結構お得なんじゃないかと思います。」
たしかに、「藍色」が美しい歌川国芳の勇壮な武者絵には、藍色のマット紙+銀のフレームが絵全体の荘厳な雰囲気を高めていますよね。落ち着いた「青」が、心をさわやかにクールダウンしてくれそうなので、オフィスなどで掛けても違和感なく似合いそう。
こちらの歌麿の作品には、美人画らしく西洋絵画のようなゴージャスなゴールドの額縁が! 額縁の四方には、ちょっとした花柄文様の装飾もつけられていて、職人さんの細かい手仕事が光ります。
このように、作品毎に丁寧にカスタマイズされ、額装までがオールインワンでセットになって、自宅に届くのは嬉しいですよね。よく食洗機や洗濯機を購入した時「設置工事は別料金です」なんて言われて、追加出費を含めると結構予算オーバーしてガックリ……みたいなことがありますが、そういうのがないのは初心者にとっては一安心です。
ちなみに、購入にあたっては『週刊ニッポンの浮世絵100』を購読していなくても大丈夫なのだそう。これまで同誌で紹介され、まだ売り切れていない作品群は、小学館の通販ポータルサイト「PAL SHOP」(パルショップ)でもじっくりと吟味することができます。
最後に、H氏に狙い目の作品はどれなのですか!? とズバリ聞いてみました。
編集部H氏「個人としても欲しかったのが、
信頼できる本物のクオリティを額装とワンセットで楽しめるチャンス! 売り切れる前にぜひ!!
いかがでしたでしょうか。全30号、毎週徹底的に浮世絵漬けになったとしたら、「本物の浮世絵が手元にあったらもっと面白いだろうな」と次に考えるのは自然な流れですよね。
でも、初心者にとって一定以上のクオリティの作品を、適切な価格で購入できて、しかも手元に届いた後に額装の心配もしなくて良い、という今回の『週刊ニッポンの浮世絵100』での誌上販売企画は、初心者の方にとって【浮世絵を買ってみる】というはじめの半歩を踏み出すための絶好の機会なのではないかと思います!
(※一部高額な浮世絵は、敢えて額装なしで販売しているものもあります)
『週刊ニッポンの浮世絵100』基本情報
公式サイト:https://www.shogakukan.co.jp/pr/ukiyoe/pc.html
公式YouTube:https://www.youtube.com/watch?v=QaNMYP4V_M8
Webショップ:https://www.pal-shop.jp/ippin/ukiyoe
※こちらにアクセスすると、『週刊ニッポンの浮世絵100』の「浮世絵逸品を買おう!」で紹介された全ての浮世絵作品を額装済みの状態でチェックすることができます。