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2017.09.12

長谷川等伯、狩野元信、桃山・室町時代を楽しめる展覧会をご紹介

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永青文庫で開催される『長谷川等伯障壁画展』では等伯の障壁画の他に、武将であり文化人であった細川幽斎の人物像にも、等伯との関わりとあわせて、ふれられる機会となっています。

また、サントリー美術館で開催される『天下を治めた絵師 狩野元信』では天下画工の長として狩野派を確立した元信の作品が並びます。工房を率いて、注文主の希望に次々と応えていったであろう元信の姿を想像しながら楽しんでみてください。

『長谷川等伯障壁画展 南禅寺天授庵と細川幽斎』
永青文庫

P3_永青重要文化財 長谷川等伯 『禅宗祖師図』(部分) 天授庵蔵 【前期展示:9月30日〜10月29日】

京都・南禅寺天授庵は、南北朝時代の1340年に創建されたものの、戦国時代に荒廃。それを慶長7(1602)年に再興したのが、細川幽斎(ほそかわゆうさい)です。当時のまま現存する方丈には、桃山文化を代表する絵師・長谷川等伯の障壁画があり、晩年の作風を今に伝えています。今回は、その障壁画『禅宗祖師図(ぜんしゅうそしず)』『商山四皓図(しょうざんしこうず)』『松鶴図(しょうかくず)』の全32画面を公開。ほかにも等伯が語った画論を筆録した日通上人の『等伯画説』、大徳寺高桐院を開山した玉甫紹琮(ぎょくほじょうそう)を等伯が描いた『玉甫紹琮像』を特別に展覧。細川家と等伯との関わりを紹介しつつ、武将であるとともに、歌道や能に通じた文化人でもあった幽斎の人物像に迫ります。重要文化財をはじめ貴重な作品を鑑賞できるまたとない機会です。

公式サイト

『天下を治めた絵師 狩野元信』
サントリー美術館

P4_サントリー2重要文化財 画 狩野元信 詞書 近衛尚通・定法寺公助・青蓮院尊鎮 『酒伝童子絵巻』 三巻のうち巻三(部分) 室町時代 大永2(1522)年 サントリー美術館蔵

室町時代から幕末まで約400年続いた、日本絵画史上最大の画派、狩野派。その始祖、正信の息子が、狩野元信です。独自の「画体」をつくり、それを一族や門弟に学ばせることで、集団で組織的に作画する工房スタイルをつくり上げるとともに、中国絵画を規範とする漢画からやまと絵まで幅広いレパートリーに挑戦するなどして、狩野派を大きく飛躍させた人物で、その力量は、特に壁画絵において大いに発揮されました。重要文化財の『四季花鳥図』は、障壁画だったものを掛軸に改装されていますが、この八幅が一面に描かれた空間を想像するだけでも、ドラマティックな美しさに圧倒されるよう。絵巻や扇絵などでの生き生きとした人物描写も見どころです。
P4_サントリー1重要文化財 狩野元信 『四季花鳥図』 八幅のうち四幅 室町時代・16世紀 京都大仙院蔵
【展示期間9月16日〜10月2日、10月18日〜11月5日(展示替えあり)】

公式サイト