2018年2月25日まで、京橋の古美術ギャラリー加島美術で「アニマル ワールド〜日本画の動物ってこんなにかわいい!〜」が開催中です。日本美術にあまり詳しくない、日本画にふれたことがない、そんな方でも親しみやすい、かわいい動物が描かれた作品が大集結。今回は、展覧会の見どころや注目作品をご紹介します!
加島美術の魅力は、作品との近さ
加島美術にはガラスケースがありません。そのため、普段美術館などでは遠目でなかなかみることのできない、作品の繊細な描写や質感などを間近で鑑賞することができます。しかも、入館料は無料。伊藤若冲や葛飾北斎、円山應挙など巨匠たちの作品を、無料かつガラスケース無しの距離感で鑑賞できるのです。なんて贅沢なのでしょう!
目玉作品はモフモフわんちゃん!
円山應挙の代表的な犬モチーフ「雪柳狗子図」です。雪の中でじゃれあう子犬が可愛らしい作品。なにより、絵画とは思えないほどの最高のモフモフ感がたまりません!
82歳の北斎が描いた狸
しんみりとした表情や丸まった背中から、なんだか哀愁が漂っている、僧侶に化けた狸。落款をみると、画狂老人卍の屋号を使用していた、最晩年に描いた作品であることがわかります。
美人画の名手・上村松園が描いたねずみ
真っ赤な耳が特徴的なねずみは、清らかな女性像を多く描いたことで知られる日本画家、上村松園の作品。可愛さの中にも、美人画に通じる凛とした気品を感じます。ねずみまでも上品に描いてしまう松園。さすがの一言につきます。
「虎」コーナーは必見。隠れた羊を探してみて!
2階ギャラリーには、江戸時代から昭和まで、幅広い虎の作品が集結。迫力満点です!
円山應挙が描いた「猛虎之図」。虎の実物を見たことがなかった應挙は、猫をモデルに、想像で描いていたようです。険しい表情をしていますが、ペロっと出した舌やしなやかなしっぽを見ていると、荒々しい虎ではなく、大きな猫のように見えてきます。
水墨がとにかく濃い!で有名の曾我蕭白も、想像で虎を描いた絵師の1人です。本展覧会に出品されている「唐獅子図」も変わらずの力強さで、エネルギーがほとばしっています。しかし肝心の虎は、もはや動物なのか妖怪なのかもわからない風貌。突き落とされている小さな虎の子の表情が可愛らしく、じっくり見れば見るほど笑える作品です。
他にも、橋本関雪、富田渓仙、大橋翠邦など、大正から昭和期にかけて活躍をした近代日本画を代表する画家たちの作品も。それぞれ表情が全く異なり、虎に対する解釈の違いがみえます。3作品並んで展示されているので、じっくりと見比べてみてはいかがでしょう。
この虎コーナー。実はたった1つ、羊の作品が紛れ込んでいます。虎に囲まれる羊。なんともシュール!ぜひ、探してみてください。
都内の美術館でかわいい動物巡り!
加島美術では、動物をモチーフにした作品を楽しめる都内の美術館めぐりを提案しています。様々な可愛い動物画にふれ、日本美術にもっと親しんでみませんか?