2018年4月8日まで、九州国立博物館で開催中の特別展「王羲之と日本の書」。現在、国宝「後鳥羽天皇筆 御手印置文」を公開中です。
御手印置文 後鳥羽天皇筆 国宝 暦仁2年(1239) 紙本墨書 1巻 39.0×101.2cm 水無瀬神宮 大阪
後鳥羽天皇の遺言
承久の乱に破れ隠岐に流されていた後鳥羽天皇が、亡くなる13日前に近臣の水無瀬親成のために書き残した書。自身の菩提を弔うことや、親成に摂津国(大阪府)水無瀬・井内両荘を与えることなどが記されている。その筆跡は、ところどころに若干の震えは認められるものの、死期を悟りながら病床でしたためたとは思えないほど、明晰で力強い。文書の正当性を保証するために捺す手形(手印)には、手相もはっきりと残っていて生々しい。都から遠く離れた隠岐で、尽くしてくれた家臣に報いようと、最後の力を振り絞る後鳥羽天皇の姿が目に浮かぶようだ。
◆ここで見られる!
九州国立博物館