2018年6月17日まで、五島美術館で館蔵「近代の日本画展」が開催されます。
玉堂、大観、古径、関雪…美しい風景表現を一堂に
右から左へ流れる急流を、ふたりの人物がいかだで下っていく様子をダイナミックな情景として描いた「春峡」。詩情豊かな風景画の傑作を数多く遺した河合玉堂の作品です。玉堂は、竹内栖鳳らとともに四条派に学び、狩野派の橋本雅邦に師事した日本画家です。
川合玉堂「春峡」一幅 紙本著色 昭和31(1956)年 五島美術館蔵
今回の展覧会では、そんな玉堂の作品に加え、紅白の梅が咲き誇る京都白川の一風景をあたたかな色彩で明快に表現した小茂田青樹「梅さける村」など、館蔵の近代日本画コレクションから風景表現を中心に展示。
小茂田青樹「梅さける村」一幅 紙本著色 大正3(1914)年 五島美術館蔵
ほかにも橋本雅邦、横山大観、小林古径、橋本関雪、安田靫彦、川端龍子ら、明治から昭和にかけての日本を代表する画家の作品約40点が並びます。特集展示として館蔵の漆芸作品約20点も同時公開。永仁6(1298)年作という、東大寺でお水取り(修二会)の際に僧侶が使う盤「二月堂練行衆盤」など、貴重な作品も。