2018年8月26日まで、奈良国立博物館 東新館・西新館で開催中の「修理完成記念特別展 糸のみほとけ─国宝 綴織當麻曼荼羅と繡仏─」。現在、国宝「刺繡釈迦如来説法図」を公開中です。
「刺繡釈迦如来説法図」国宝 絹製 奈良時代または中国・唐時代(8世紀) 1面 211.0×160.4cm 奈良国立博物館 展示期間:展示中~8月26日
古代の貴重な刺繡の仏画
7、8世紀頃、日本や中国では刺繡による仏の像がさかんに作られた。本作は、当初の姿をよくとどめる貴重な現存例である。色とりどりの糸で、釈迦如来を中心に菩薩、仏弟子、楽器を奏でる天人、瑞鳥に乗る仙人などが表される。螺髪など一部に施した相良繡(糸に団子結び目を作る技法)以外は、何も描かない地の部分も含め、鎖繡(チェーンステッチ)で埋め尽くされる。しかも、菩薩の頰などはステッチの方向を同心円状にすることで、立体感まで表す。多くの登場人物をまとめる構成力、刺繡の高度な技術が際立つ作品だ。
◆ここで見られる!
奈良国立博物館 公式サイト