今年は、日本美術ファンの方にはおなじみの、生誕300年にともなう記念すべき若冲YEAR。それにちなんだユニークな記念展が開催されます。それが「若冲プライスコレクション着物」展です。
若冲作品がきものや帯になった!
「若冲プライスコレクション着物」を制作したのは「ZONEきものデザイン研究所」という京友禅職人集団。そのはじまりは「立命館大学アートリサーチ・センター」との産学連携協働プロジェクトによって友禅型や手描きの技法を凝らしたきものの制作でした。
それが、若冲に早くから注目していたことで知られるアメリカ人コレクター、ジョー・プライスさんに認められ、若冲をはじめとしたプライスコレクションの人気作品をモチーフにした手描き友禅と型友禅のきものや帯へとつながっていったです。
手描き友禅の場合は、下絵から糊置、挿し友禅、蒸し水元、箔押し、刺繍。型友禅の場合は、図案、型彫、型染。それぞれ多岐にわたる細かい作業は専門の職人が腕を振るって、若冲の色彩豊かで奇想に富んだ世界が見事に再現されています。
その展示即売会がこの春、東京と京都で開催されます。今回は「川島織物」との初のコラボレーションによる帯地の数々も加わることも目玉のひとつ。京友禅で美しくよみがえった若冲ワールドが、日本美術の新しい楽しみ方を教えてくれることでしょう。
「若冲プライスコレクション着物」展
大丸東京店 11階催事場 4月27日(水)~5月3日(火)
松坂屋上野店 7階呉服売場 5月18日(水)~31日(火)
大丸京都店 1階案内所前 6月8日(水)~14日(火)
※入場無料
シンポジウムのご案内
若冲生誕300年記念展・若冲着物展示
場所/ロームシアター京都
日時/7月1日(金)14時~16時
詳しくは下記サイトをご覧ください
上の写真は若冲作品の中でもひときわ人気の高い升目描きの屏風を染め帯にした、名古屋帯 「鳥獣花木図」。※参考商品
若冲ワールドが躍動する!
プライスさんも認めた「若冲プライスコレクション着物」がどんなものか、いくつかを紹介しましょう。(すでに売約済みのものが多いので参考商品としています。新作は記念展でご確認ください。)
下の写真/左から、立命館の「R」の地紋の入ったオリジナル白生地でつくられた、伊藤若冲 立命館訪問着「雪芦鴛鴦図」。伊藤若冲 訪問着「紫陽花双鶏図」。伊藤若冲 訪問着「花鳥人物図屛風」。参考商品
プライスさんが初めて手にした若冲の掛軸「菊花流水図」と「葡萄図」の意匠を配した訪問着「菊花流水・葡萄図」と名古屋帯「葡萄図」。参考商品
上は鈴木守一の作品をモチーフにした絵巻物袋帯「扇面流図屛風」。左は琳派の作として知られる作品を用いた名古屋帯「紅白梅図」。きものは葛蛇玉の傑作として名高い作品を全面に配した訪問着「雪中松に兎・梅に鴉図屛風」。参考商品