素朴で朗らか、豪放で穏やか
桃山時代に九州で誕生した古唐津(こがらつ)は「枇杷色(びわいろ)」「朽葉色(くちばいろ)」などと呼ばれる釉薬(ゆうやく)の素朴な色合いが特徴。飾らない土の質感や豪放な造形も味わい深く、茶人や大名を魅了しました。出光美術館初代館長・出光佐三(さぞう)もその美に魅せられたひとり。総数300件を超える日本最大の古唐津コレクションから選りすぐりの約180件が展示されています。
重要文化財 『絵唐津柿文三耳壺』桃山時代 出光美術館蔵
なかでもじっくり観たいのが、琥珀色の中を白い釉薬が流れ落ちてゆく様が美しい『朝鮮唐津上手付水注』(ちょうせんからつうわてつきすいちゅう)。時の流れを閉じ込めたような静謐(せいひつ)で神秘的な佇まいに見惚れてしまいます。
『朝鮮唐津上手付水注』桃山時代 出光美術館蔵
古唐津-大いなるやきものの時代
会期/2017年2月11日(土)〜3月26日(日)
会場/出光美術館
住所/東京都千代田区丸の内3-1-1 帝劇ビル9F 地図
会館時間/10時〜17時(入館は16時半まで)
休館日/毎週月曜日