Craft
2017.04.18

京都『鍛金工房 WEST SIDE 33』でみつける美しく堅牢な台所道具

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「三十三間堂」の西側にあるから「WEST SIDE 33」。店内には、名職人・寺地茂(てらちしげる)さんが自らデザインし手づくりする、鍛金(たんきん)の鍋やおたまやスプーンが並んでいる。鍛金とは、銅やアルミなどの地金を金槌で叩きに叩いて締めることで、強く美しい道具をつくる技法である。初めて店を訪ねたとき、「3年前に新聞で店のことを読んで、ずっと憧れていた」というご婦人に話しかけられた。
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青森から来たそうで、「この鍋もあの鍋も、写真で見るよりずっときれい。本当にきれい」と、すっかり目がハート形。「楕円の鍋を買おうって決めてきたんだけれど、サイズも種類もたくさんあって迷っちゃうわ」。真剣な顔のご婦人に、寺地さんの奥さんが丁寧なアドバイスをする。「この鍋は2、3合のご飯にぴったり。コツをつかむまで何度か失敗するかもしれませんが、慣れると本当に簡単。15分でおいしいご飯が炊けます」「楕円の鍋は、魚一尾、形崩れせずきれいに煮つけられますよ」「お味噌汁なら、薄手の鍋で十分」。
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悩みに悩んだ末、厚手の蓋付き鍋に決めた様子のご婦人。連れのお友達も「私も欲しくなってしまったわ」と鍋をいくつか抱えてウロウロしている。そのやりとりを聞いていた私も蓋付き両手鍋を購入。ここの鍋は多くの料理家たちが愛用していて、よく料理本や雑誌で紹介されているけれど、それらの記事よりずっとずっと説得力があって、なんだかこの店が大好きになってしまった。

鍛金工房 WEST SIDE 33
(たんきんこうぼう うえすとさいど33)

住所/京都市東山区大和大路通七条下ル 地図
営業時間/10時~17時
定休日/火曜日

鍛金工房 WEST SIDE 33

-文/和樂スタッフ輪湖雅江
(和樂のインテリア番長。建築にも造詣が深い)-