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10,11月号2024.08.30発売

大人だけが知っている!「静寂の京都」

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Craft
2017.04.28

古道具好き必見。京都・奈良・東京の「古裂(こぎれ)」がみつかる4店舗

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日本の良い裂がここに集合!

文化財や博物館ものを除けば、日本のいい裂は皆ここに集まっている。そう言っても過言でない名店4軒。加賀友禅や紅型(びんがた)など地域色の強い裂も、現在では産地より古裂店にあることのほうが多いのです。

「二百年、三百年ものの古裂というのは、さまざまな時代の〝選眼のふるい〟に何度もかけられ、なお残ってきた裂なんです。いい加減な裂は絶対に残りません」と話すのは『今昔西村』の西村凱さん。厳しい眼をもつ京都や奈良に名店があるのも納得です。

また、『古裂ギャラリーおおたに』の大谷みちこさんいわく、「古い裂からは本当に多くのことを学べます。謙虚な心で裂に向かえば、必ず応えてくれる。そして、一度いい裂に触れたら、もう後には戻れない(笑)。それほど人を夢中にさせるのが古裂なんです」

京都「古代裂工芸ちんぎれや

博物館クラスの〝珍裂〟から古裂を使った豆ガマ口まで

古裂三昧な時間を味わいたいなら、明治35年創業のこの店へ。天然染料を使った江戸の古裂から明治の和更紗まで、オールラウンドに楽しめる。興味があれば、店の奥から秘蔵の珍裂も出してきてくれるので、臆せず店主に話しかけてみたい。古裂で仕立てた小物も人気。
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住所/京都府京都市東山区縄手通三条南入ル 地図
営業時間/10時~19時 
定休日/無休

東京「古民藝もりた

古い木綿裂の品揃えは随一。初心者も入りやすい気軽な名店

日本の木綿はこれほど美しい裂だったのかと、あらためて気づかされる店。古い藍染の野良着や東北の刺子なども扱う。古裂はオークションで仕入れるほか、日本の裂と繫がりの深いアジアの染色品を求めて店主自ら現地蒐集も。裂にまつわるエピソードを聞くのも楽しい。
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住所/東京都港区南青山5-12-2 地図 
営業時間/10時~19時 
定休日/無休

奈良「古裂ギャラリーおおたに」

江戸以前の古裂に絞った店。稀少な名物裂も拝見できます

古渡り更紗が好きならば、この店に行かない手はない。美術館や博物館からも一目置かれる店主が選んだ、上質な更紗が揃っている。名物裂を収めた裂簞笥など貴重な品もあり、拝見が可能。場所は法隆寺のすぐ近く。古寺散策も兼ねてゆっくり出かけるのがおすすめ。
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住所/奈良県生駒郡斑鳩町法隆寺1-5-35 地図

京都「今昔西村」

バリエーション豊かな品揃えで海外からのファンも多い

店の奥には骨董価値の高い時代衣裳がずらり。入り口付近には初心者でも買いやすい端切れや裂小物がたくさん並ぶが、広い店内の奥まで見尽くしてこそ、この店の面白さを味わえる。古裂は江戸初期から昭和初期まで豊富。
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住所/京都府京都市東山区大和大路通三条下ル弁財天町36 地図  
営業時間/10時~19時 
定休日/水曜 
ホームページ/http://www.konjaku.com/

-2013年和樂10月号より-