Craft
2019.10.03

京都烏丸御池・西陣織の細尾の旗艦店「HOSOO FLAGSHIP STORE」で観光土産を。

この記事を書いた人

京都・烏丸御池エリアにオープンした、「HOSOO」の旗艦店「HOSOO FLAGSHIP STORE」。「HOSOO」は西陣織老舗の細尾が、世界のラグジュアリーマーケットに向け、西陣織の技術を用いたコレクションを提供するテキスタイルメゾン。上層階に本社を兼ね備えた「HOSOO FLAGSHIP STORE」は、暖かみのある4色の土壁や本金箔のラインの施された黒漆喰の外壁など、職人の丁寧な手仕事と西陣織の洗練されたセンスが感じられる建物。店内では「HOSOO」のテキスタイルを実際に手に取り、プロダクトを購入できるほか、併設のラウンジでは厳選されたドリンクやスイーツも楽しめます。

西陣織と細尾の歴史

西陣織とは京都の先染めの織物(糸の段階で色を染める)のことで、その歴史は約1200年前に遡ります。貴族や武士、裕福な町人らの支持を受けて育まれてきた西陣織。細尾は元禄元年(1688年)にこの地で大寺院御用達の織屋として創業した、西陣織の老舗のひとつです。近年では世界のラグジュアリーマーケットに向け西陣織の技術を用いた革新的なテキスタイルの開発にも積極的に取り組み、日本の伝統産業が次代に向けて存続するための挑戦を続けています。

HOSOO FLAGSHIP STORE

「HOSOO」の旗艦店「HOSOO FLAGSHIP STORE」は伝統的な左官技術や職人の手技が随所に感じられる工芸建築でもあります。京都の旧市街である烏丸御池エリアの町並みにそっと溶け込むミニマリスティックな外観。それでいて細部では手の込んだ職人たちの仕事が垣間見られます。

テキスタイルコレクション

エントランスを入ると正面には「HOSOO」のコレクションの数々が美しくディスプレイされています。ラグジュアリーホテルで使われているファニチャーやクッションなどを買い求め、自宅でも楽しむことが可能です。

通常30~32cmの幅で織られる西陣織を、「HOSOO」が独自開発した織機によって世界のテキスタイルの標準幅である150cmで織ることに成功。革新的な技術にタイムレスなデザイン感性を加えることによって生まれた唯一無二のテキスタイルは、世界でも高い評価を受けています。

HOSOO GALLERY

2階には広幅の織機が展示されていて、織機の上にプロジェクターで布が織り上げられる様子が再現されています。

紫根染:青森県、岩手県、山形県

2019年12月14日(土)まではオープニング展示として「THE STORY OF JAPANESE TEXTILES-日本の美しい布-」が開催。12代目の細尾真孝さんが日本国内33箇所の染織産地を訪ね歩き、古くからその地に伝わる技巧や美しさを独自の視点で記録したドキュメンテーションと布のコレクションで構成。「越後上布」「黄八丈」「大島紬」など、その土地ならではの風土や歴史によって育まれた布の原点に焦点を当てて展示されています。

各産地の染織物がこれだけ揃うのは圧巻

展示では正絹だけではなく、芭蕉布や藤布のようなプリミティブな素材の持つ素朴な美しさも表現されています。各産地の布のそばには職人が実際に使用する道具も一緒に展示されており、地域ごとに異なる風土と技術が楽しめます。

素朴な美しさの藤布

細尾真孝さんが日本各地の産地訪問の旅を振り返りつつ、西陣との対比の中で見えてきたさまざまな染織産地の歴史や現在の姿、そして未来への展望などを語るインタビュー映像も上映されています。

オープニング展示
「THE STORY OF JAPANESE TEXTILES-日本の美しい布-」
会期:2019年9月2日(月)~2019年12月14日(土)
開館時間:10:30~18:00(日曜・祝日を除く)
※入館は閉館の15分前まで

HOSOO LOUNGE

「HOSOO FLAGSHIP STORE」には厳選された上質なドリンクとともに、きものや工芸のストーリーを感じられるスイーツが楽しめるラウンジがあります。

「水出し緑茶」は、一番茶葉のみを使用した蒸し玉緑茶を茶葉に負荷をかけることなくゆっくりと水で抽出することができる専用の道具で抽出。香り高く、お茶本来の甘みや旨みが感じられます。
【東京】この美しさはなんだ!理化学ガラスメーカーが作った本気の水出し茶マシーン

「かさね色目のマカロン」は、平安時代に公家文化から生まれたきものの配色美である“かさね色目”がテーマ。季節によって「初紅葉(表:萌木、裏:薄萌木)」「青紅葉(表:萌木、裏:黄)」「紅葉(表:紅、裏:濃蘇芳)」など、日本の繊細な季節の移ろいが表現されています。ミルクティーやシャンパーニュとのペアリングも楽しめます。

衣の表地と裏地の色の組み合わせを重ねてあらわすことを「重ね色」と言い、平安時代に宮中の女性たちの華やかな装いから生まれました

日本のものづくりを世界に発信

外観は工芸建築の暖かみを、コレクションでは西陣織の可能性を、ラウンジでは日本の繊細な色の配色を楽しめる「HOSOO FLAGSHIP STORE」。さまざまな角度から日本の染織文化に触れられる場所、日本の伝統工芸のものづくりを世界へ向けて発信する場所として注目です。

HOSOO FLAGSHIP STORE 基本情報

住所: 京都市中京区両替町通姉小路下る柿本町412
電話番号: 075-221-8888
営業時間: 平日 10:30-18:00
定休日: 日曜・祝日

書いた人

生まれも育ちも大阪のコテコテ関西人です。ホテル・旅行・ハードルの低い和文化体験を中心にご紹介してまいります。普段は取材や旅行で飛び回っていますが、一番気持ちのいい季節に限って着物部屋に引きこもって大量の着物の虫干しに追われるという、ちょっぴり悲しい休日を過ごしております。