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永遠のふたり 白洲次郎と正子

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Culture
2024.05.09

あの日の金魚は今も金魚か?【編集部スタッフが繋ぐ、日本文化の思い出】

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和樂web編集部スタッフがリレー形式で日本文化の思い出をつづるシリーズが始まります!
第1回は「金魚」、変人の自覚があるつもりだけれど、想像以上の変人だったと判明して愕然としている「あきみず」が担当します。

日本の金魚文化

「金魚~え~きんぎょ~!」
この「金魚売り」の掛け声を実際に耳にしていた世代ではないが、時折母が(なぜか突然)口ずさんでいたので、とりあえず知ってはいる。とはいえ、江戸後期~昭和中期くらいまでの風物詩だったそうだから、若い世代にはもう馴染みがないものになっているかもしれない。嗚呼、昭和は遠くなりにけり。

▼「昭和は遠くなりにけり」の元ネタを、こちらの記事から探してみよう!
妖怪に魚も?バラエティ豊かな「雪の季語」を紹介【季語トリビア】

日本における金魚文化は、室町時代に明(みん)から渡来したことに始まるという。以来、貴族や豪商、次第に一般市民に広がり、現在では子どもの小遣いでも買えるまでになった。が、それは一般的な品種についてで、大人でもなかなか手が出せない、大変に高価なものも中にはいる。

金魚の思い出(?)

ところで。「きん注」の愛称で親しまれ、アニメ化もされた漫画『きんぎょ注意報!』の世代なので、金魚というとどうしてもギャグのイメージが強いのだが(マジメに生きている金魚さんたちにとって迷惑千万なのは承知している)、もう1つ、ギャグイメージにならざるを得なかった経験がある。

4つ上の兄が金魚店の水槽の中でひときわ元気な「和金」を買ったときのことである。正確に言うと、買ってきて飼っていたときのことだ。
兄も小学校中学年くらいだったし、家族全員、専門家でもないからまったく疑問すら抱かなかったのだが。
異常だったのである。成長の速度が。金魚は水槽のサイズに合わせて大きくなるなどと言うが(真偽は不明)、もはやそれで説明できるレベルではない。

しばらくして、横幅1メートルくらいある水槽の半分サイズまで育ったとき、ようやく我々は気付いた。「これは、コイだ」。
なんでもっと早く気づかなかったのかとか、どうしてコイが和金として売られていたのか、とか、もうどうでもいい。コイなのである。コイである事実がただそこにあるだけだった。

たしかに、最初から金魚ではあまり見ない金色っぽい体の色をしていた。珍しい色だねえ、「金ちゃん」って呼ぼうかー、などと呑気に言っていたのだが、「金兜(きんかぶと)」という種類のコイだったのだから、金色で当たり前なのである。結局、金ちゃんは祖父宅の池へお引越ししていき、ニシキゴイたちと混浴することになったのだった。

▼混浴といえば、こんな衝撃的な過去記事がありました
どんだけ混浴したいのよ!ペリーもドン引き。日本の赤裸々すぎるお風呂事情

後で調べてみたところ、金魚はコイ目コイ科なのだそうだ。それじゃあ仕方がない。アンデルセン童話のアヒルだって、白鳥の子と自分の子を混同したではないか。門外漢集団の我が家族に分かるわけがない。

……うん? これ、金魚の思い出なのか? コイ、だよねえ。ま、許してもらいましょ。

ということで、次のバトンは、日本の伝統芸能を愛してやまない気さくで明るいマダム、「仏のkawarataniさん」。お題は、うーん、どうしようか、じゃあ「わたし、カブいてます」で! 歌舞伎の話でもいいし、やらかしちゃった的な話でもいいですよー。

アイキャッチ画像:魚屋北渓『Gold-Fish in a Glass Bottle』メトロポリタン美術館より
※金魚のうさん臭そうな表情がたまらない!