2024年大河ドラマ『光る君へ』が話題です。その主人公である紫式部が描いた長編小説が、有名な『源氏物語』です。
その源氏物語を描いた国宝に指定されている『源氏物語絵巻』を見ていきたいと思います!
国宝『源氏物語絵巻』とは
平安時代(12世紀前半)につくられたとされる、源氏物語の色々な場面を絵画化した絵巻物。屋内の描写に屋根・天井などを省いて、斜め上から見下ろすように室内の情景を描く「吹抜屋台(ふきぬきやたい)」の手法が用いられています。
屋根をなくしたことで室内の様子がよくわかりますね!
右上に2人の女性が並んでいます、大きくして見てみましょう!
2人とも同じ顔ですね…
登場人物がなぜ同じ顔?
このような顔は「引目鈎鼻 (ひきめかぎはな) 」といい、目は細い一線、鼻は「く」の字形、ふっくらとした顔の輪郭などが特徴です。
男性も女性も同じ顔ですね!!
なぜこのように個性、表情をなくした顔で描かれていたかというと、「高貴な人をリアルに描いてはいけないとされていた」「読者のイメージを壊さないため」などの理由があるそうです。
なんと赤ちゃんまで同じ顔です!
詳しくはこちらの記事から!クイズに挑戦してみてくださいね!
クイズ!この絵の中で光源氏はど~れだ?見分けられたらスゴイ!
小説を読むときにその登場人物の顔など想像してしまいますよね(私はことこまかにイメージを作ってしまうタイプです!)。
この世のものとも思えぬ美貌と才能をもった光源氏…一人一人頭に浮かぶイメージは違うのではないでしょうか?
その想像(妄想?)を崩さないよう昔から配慮されていたのかもしれませんね。
源氏物語についてはこちら
源氏物語完全ガイド│成立からあらすじ、漫画版おすすめまで徹底解説!
画像出典:藤原隆能 著 ほか『源氏物語絵巻』,徳川美術館,昭11. 国立国会図書館デジタルコレクション
参考文献:『日本大百科全書』小学館、『デジタル大辞泉』小学館 『王朝の雅 源氏物語の世界』鈴木日出男