2020年1月をもってPCブラウザ&スマホアプリゲーム「刀剣乱舞-ONLINE-」が、運営開始から5周年を迎えます。ゲームをしたことがなくともニュースや紅白歌合戦などで「刀剣乱舞」という言葉を見聞きし、どうやら人気があるようだ、という認識の人も多いのではないでしょうか。
今後もますます盛り上がりを見せると思われる刀剣乱舞。だからこそ、知らない人にも知ってほしい。刀剣乱舞はただのイケメンゲームじゃない、それだけならこんなに盛り上がるはずがない! そんな思いを込めて刀剣乱舞の世界の一端を、運営開始歴=ゲームプレイ歴の筆者がご案内します。
2020年、全国各地で「刀剣乱舞-本丸博-2020」が開催
※2020年4月現在、多くのイベント延期が決定しています。詳細は公式サイトにてご確認ください。
PCブラウザ&スマホアプリゲーム(当初はPCブラウザのみ)「刀剣乱舞-ONLINE-」の正式サービスが始まったのは、2015年1月14日。そして2020年1月に5周年を迎えるにあたり、東京を始めとする全国各地で「刀剣乱舞-本丸博-2020」の開催が決定しています。(参考記事:ついに発表!「刀剣乱舞-本丸博-2020」キービジュアル&全国開催決定!)
本丸博ではゲームだけに留まらず、アニメ・舞台・ミュージカル・映画などのメディアミックス展開を含めた展示がされます。
それらも高い評価を得ており、メディアミックス作品を入り口にして刀剣乱舞の世界に入ったという人もいるほどです。
これが人気の出発点! PCブラウザ&スマホアプリゲーム「刀剣乱舞-ONLINE-」
人気は始まる前からだった
「刀剣乱舞-ONLINE-」は様々なゲームを配信しているDMM GAMESと、「PSYCHO-PASS」シリーズや「シュタインズ・ゲート」を手掛けたニトロプラスによる“刀剣育成シミュレーション”ゲームです。これをもう少し細かく説明すると、〈人の形となった刀剣の付喪神(つくもがみ)、「刀剣男士(とうけんだんし)」を育成するゲーム〉と言い換えることができます。
刀剣男士は見た目が美しいイケメン揃いであること、有名な声優が起用されていること、擬人化ゲーム人気、などの複合的要因からゲーム運営開始前より話題となり、事前登録者数も相当数に登っていました。
そして運営開始翌日にはプレイヤーの続出によるサーバの追加が決定、一週間しないうちに全サーバ収容人数上限に達して新規登録ができなくという事態を引き起こすほどの人気ぶりだったのです。
刀剣男士の来歴を知る楽しみ
“刀剣展示に女性が殺到”などのニュースを見かけたことがあると思います。「刀剣女子」「お刀女子」という言葉も広まりました。
ゲームをプレイしていくと、刀剣男士のことをもっと知りたいと思う人が増えるのは当然の流れです。推しである刀剣男士のモチーフになった刀剣の来歴や姿を調べ、刀の見方を学び、展示があれば赴くようになりました。それが博物館や美術館の大行列を生み話題となったのです。
さらに元の所有者の人物像を探り、関連書籍をあさり、刀剣男士についてあらゆる角度から探求していく人が増え、ついには刀剣男士になっていない刀剣のことも知ることとなり、推しの日本刀が刀剣男士にならないか心待ちにしている人もいます。
「物が語る故、物語」という言葉が刀剣乱舞にはありますが、彼らが語る物語を知ることが、刀剣乱舞の楽しみのひとつでもあります。
ゲームの世界観
意外に思うかもしれませんが、物語の設定は西暦2205年です。100年近く先に起点を置いています。
プレイヤーは「審神者(さにわ)」として刀の付喪神(つくもがみ)である「刀剣男士」を顕現(けんげん)します。彼らを敵と戦わせたり拠点である「本丸」で様々な経験をさせることによって育成するのがゲームの大きな目的です。
彼らは歴史に名だたる名刀たちばかり。源氏の重宝である「髭切(ひげきり)」「膝丸(ひざまる)」、坂本龍馬の死に際にいた「陸奥守吉行(むつのかみよしゆき)」など、日本史の教科書に載っているような人物が持っていた刀剣も多く登場します。
敵は「歴史修正主義者」たち。歴史修正主義者は時間遡行軍となり箱館戦争や承久の乱などの歴史の分岐点に現れ、歴史を改変しようともくろみます。それを阻止するのが刀剣男士たちです。
ところが元の持ち主である織田信長や沖田総司など歴史上の人物たちへの思い入れが強い刀剣男士もいます。非業の死を遂げた元の所有者を思って「歴史を変えてはなぜいけないの?」と、疑問に思う刀剣男士もいます。
現在のところ、ゲーム上で審神者を裏切り、敵と同じ道に走る刀剣男士はいません。しかし、もしかしたら……という想像を掻き立てられてしまうのがこのゲームの特徴のひとつでもあります。
そしてそんな想像を形にしたのが各種メディアミックス作品になります。
『とある本丸』の物語たち
刀剣乱舞を語る上で理解しておかないとならないのは、刀剣男士はプレイヤーである審神者(さにわ)一人一人が顕現させ、審神者が持つ「本丸」を拠点にしているということです。
それを『とある本丸』という言葉で表現しています。
ゲーム上では本丸の出来事も、戦でどんな動きをしているかなど、多くは語られていません。それをつまらないと思い、ゲームをやめた人もいると思います。しかし逆に想像し甲斐があると言いかえることもできます。
“うちの本丸では刀剣男士たちがこういう会話をしているかもしれない”、“この戦場はこの刀剣男士と縁があるから、うちの本丸の彼は悩んだかもしれない”と、人それぞれいろいろな想像を巡らせることができます。
シナリオ制作であるニトロプラス社の代表取締役社長、小坂 崇氣(こさか たかき。別名義:でじたろう)氏は「刀剣乱舞は、コンテンツの特性としてとても自由度があり、皆の遊び場でもありたいと思い制作してます。なので、今後各出版社さんから様々なコミカライズやアンソロジーが出ますが、編集や作家さんの創作性を尊重し自由に“とうらぶ”を表現して頂ければと思っています」(Twitterより引用)と、かつて語っていました。
100の本丸があったら100通りの物語があります。そういった意味では、「刀剣乱舞-ONLINE-」というゲームは、創造性と寛容性を生み出す知育ゲームであると言えるかもかもしれません。
刀剣乱舞は、コンテンツの特性としてとても自由度があり、皆の遊び場でもありたいと思い制作してます。なので、今後各出版社さんから様々なコミカライズやアンソロジーが出ますが、編集や作家さんの創作性を尊重し自由にとうらぶを表現して頂ければと思っています。どうかお楽しみに!
— でじたろう@ニトロプラス (@digitarou) April 14, 2015
ゲームだけじゃない!刀剣乱舞の世界
ゲームをやり込む暇はないけれど刀剣乱舞の世界はちょっと覗いてみたいという方へ、代表的なメディアミックス作品をご紹介します。アニメが苦手な人は舞台や映画から、実写が苦手な場合はアニメから、ご自分に合った入り口を見つけてみてください。
アニメ
アニメは『刀剣乱舞-花丸-』と『活撃 刀剣乱舞』の2作品。2つは別々のアニメ制作会社で制作されており、異なる本丸の話でそれぞれに繋がりはありません。
『刀剣乱舞-花丸-』は、戦いというよりも、刀剣男士が本丸でどう過ごしているかに主軸を置いた、ほのぼのとした作品です。心が暖かくなるようなストーリーがオムニバス形式で描かれています。
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一方、『活撃 刀剣乱舞』は戦いが多く描かれている作品。土方歳三の愛刀であった和泉守兼定(いずみのかみかねさだ)と堀川国広(ほりかわくにひろ)をメインに、〈歴史を守るとはどういうことか〉を追求していきます。
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舞台
舞台で公演される作品は『ミュージカル「刀剣乱舞」』と『舞台「刀剣乱舞」』の2作品。舞台上で演じられる作品ですが、異なる本丸を描いています。
『ミュージカル「刀剣乱舞」』は紅白歌合戦に出場しただけでなく、厳島神社やパリでも公演した人気の作品です。1部はストーリーもの、2部は刀剣男士がアイドルのように歌って踊るライブ形式。刀剣男士が歌って踊ることに驚かされますが、元の主に関連した重苦しいストーリーを見て傷ついた観客の心を、刀剣男士が見事に癒やして笑顔に変えてくれます。
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『舞台「刀剣乱舞」』はオープニングとエンディングに刀剣男士が歌って踊りますが、本編は完全にストレートスタイルの舞台です。本丸内でのドタバタコメディと、戦いでのシリアスなセリフやアクションと、ひとつの舞台でまったく異なる刀剣男士の側面を見ることができる作品です。
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映画
2019年に公開されて大きな話題を呼んだ『映画刀剣乱舞』。一部キャストは『舞台「刀剣乱舞」』と同じキャストが演じていますが、異なる本丸での出来事を描いています。脚本担当が仮面ライダーなど多くの特撮作品を手掛けてきた小林靖子氏ということもあり、特撮ファンからも高く評価された作品です。(参考記事:「映画刀剣乱舞-継承-」の審神者役で注目の名優!堀内正美は熱いハートの持ち主だった!)
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まだまだ終わりが見えないコンテンツ「刀剣乱舞」
『刀剣乱舞-ONLINE-』は運営開始から5周年を迎えようとしていますが、いまだに新たなファンを獲得し続けています。
何かを始めるのに遅すぎるということはない、と言います。ニュースで話題と遠くから眺めるよりも、実際に刀剣乱舞の世界に触れてみるのはいかがでしょうか。