Gourmet
2020.09.30

新しいお月見料理を求めて「辿り着いた」さつまいもの蜜煮、塩レモン風味

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暑さも峠が過ぎ風も涼しくなり、季節も秋に変わりつつあります。
秋といえば、日本には素敵な風習があります。それは「お月見」です。
「お月見」「十五夜」「中秋の名月」様々な呼ばれ方がありますが、全て同じ日のこと。美しい月を眺めながら、収穫を喜び感謝をする行事として親しまれてきました。

現在、気軽に集まったり、友人と会うことも出来にくくなって来ています。しかし、「お月見」は離れていても空を見上げれば、輝く同じ月を眺める事が出来ます。「月が綺麗ですね」その言葉で気持ちが共有できる、今の私たちに適したイベントではないでしょうか。

お月見の食べ物といえばお団子ですが、「新しいお月見」を楽しむために、考えたのがさつまいもの蜜煮です。さつまいもといえば、秋が旬ですね。まん丸で黄色いさつまいもはまるで満月のよう。たとえ、曇ってお月様が見えなくても、甘いお芋を頬張ると明るい気持ちになります。

さつまいもの蜜煮 塩レモン風味

(材料)
さつまいも 600g(大2~3本、中6本~)
レモン 1個
水 500ml
塩 1g
砂糖 150g(控えめにしたい方は140g)


さつまいもを綺麗に洗い、皮付きのまま1cmの輪切りにします。

水にさらし1時間ほどつけてあくを取ります。
さつまいもを切ると出てくる白い液体があくです。残っていると黒ずみ綺麗な黄色に煮えないので、しっかり水に浸し流します。

鍋にさつまいもが浸かるほどの水を入れて沸騰させたら、弱火に切り替え20分ほど茹でます。さつまいもが煮崩れないよう、鍋の水面はふつふつとした状態にしましょう。

20分経って、つまようじを刺しすっと通ったら、お湯を捨てます。ざるにあけてしまうと、崩れる可能性があるため、ざるを当てつつある程度お湯が切れたら大丈夫です。

同じ鍋に、切り込みを入れたレモン1個を絞り(種が入らないように茶漉しを当てています)、お砂糖150g、塩1g、500mlのお水を入れて、強火で沸騰させてから、弱火に切り替え15分ほど煮ます。


出来上がり。冷蔵で1週間。蜜に浸かった状態の冷凍で1ヶ月ほど日持ちします。潰してから、冷凍もおすすめです。

きっちりと甘味をつけていますが、レモンの酸味が効いていて、少しのお塩でキリッと引き締め、食べ飽きる事がありません。食事時の箸休め、お弁当、おやつと大活躍です。あっという間に無くなります。そして、何と言っても幅広く色んなお料理に展開出来るのです。

芋きんとんの茶巾絞り


さつまいもの蜜煮の皮を剥き、潰して、ラップに包み頭をキュッと絞るだけ。
こんな可愛い和菓子の出来上がりです。柔らかい食感にしたいときは蜜を足してマッシュすると良いでしょう。

さつまいものデザートスープ


無糖のヨーグルトを器によそい、蜜を上に注ぎ、皮を剥いたさつまいもの蜜煮を載せます。

お好みで黒胡椒を挽いても。まるでラッシーのような味でとても爽やか。カレーにも相性が良いですし、パンとも相性が良く朝ごはんにもおすすめです。

ラムレーズンのアイス添え


こっくりとした甘さはラムレーズンのアイスクリームにもぴったり。秋らしいデザートが簡単に出来ます。

スイートポテトチョコパイ


冷凍のパイシートに潰したさつまいもの蜜煮、刻んだ板チョコを載せて焼いたパイ。コーヒーのお供にどうぞ。さつまいもの蜜煮があるだけで、甘いものが欲しい時に便利。

栗きんとん


おせちに欠かせない栗きんとんも、この蜜煮のアレンジです。このさつまいもを潰して、栗の甘露煮を包みます。レモンが入っているので、さっぱりとした味が嬉しい1品です。

蜜煮といえば、鳴門金時のようにほくほく系のさつまいもを使うのが定番です。しかし、今回紅天使というねっとり系のさつまいもを使ったところ、まるで芋羊羹のような蜜煮が出来ました。使うさつまいもも、お好みで大丈夫です。

今年の十五夜は10月1日だそう。あなたも夜空を見上げれば、きっとどこかで同じ月を見ている人がいるはずです。今年はお月見を一緒に楽しみませんか?

(写真 今井裕治)