Gourmet
2019.08.20

スイカのサラダからみそ汁まで! 皮まで食べるスイカのレシピ【日日是好食】

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季節を感じる食材や料理。毎日食べている日本の食材をもっと知って楽しむ【日日是好食】。食材に思い入れのある人、こだわっている人、好き過ぎる人から独自のレシピや活用法をお聞きします。

東京・五反田にあるフランス料理店「ヌキテパ」オーナーシェフ・田辺年男さんは、少年時代からスイカが大好き。店の看板となっている新鮮な魚介類を使った料理のほかに、スイカのショートケーキ、スイカの炭火焼など、スイカを使ったひと皿も提供しています。
そんな田辺シェフに、レストランで出しているメニューのひとつ、「スイカのサラダ」の作り方を教えていただきました。
スイカの赤い果肉を食べた後、緑の皮や白い部分は捨ててしまう方が多いのではないでしょうか。田辺シェフによれば「スイカは捨てるところ、ない!」。皮までおいしく食べましょう。

「スイカは捨てるところ、ない!」と田辺年男シェフ

甘ーいスイカを食べた後、皮は捨てずにサラダに!

「スイカのサラダ」に使うのは、果肉を食べた後の皮。スイカの銘柄や種類はどんなものでも構いません。「ヌキテパ」では、店の名物スイーツ、スイカのショートケーキを調理する際に残った皮を活用します。

取材当日「ヌキテパ」にあったのは、「春のだんらん」という銘柄の熊本産のスイカ

まずはスイカの下ごしらえ

スイカの皮は、塩や塩水を使って下ごしらえします。
まず、緑色の外皮と白い層の固い部分を薄く削ぎます。

削いだ皮は千切りにして……

塩を振ります。

皮を削いだ白い層は、甘い果肉部分を取り除きます。田辺さんは全て取りきらずに、ほんの少しだけ色が残っているくらいに仕上げていました。

食べやすい大きさに切ります。短冊切りがおすすめ。

薄い塩水に入れて、だいたい一晩を目安に漬け込みます。

一晩置くと、漬物としてこのままたべられます。スイカの香りは後味で感じる程度で、大根とキュウリを足したような食感……でしょうか。
これでスイカの下ごしらえが完了です。

「スイカのサラダ」の食材は葉物野菜と夏の魚介類

スイカに合わせるのは、葉物野菜と夏の魚介類。
この日は、不断草(ふだんそう、スイスチャード)と、小田原産のイシガレイの昆布締めを使いました。魚介は、昆布締めしなくてもOKです。

 葉物野菜はレタスでもなんでもいいです。魚介は、スイカと同じくらい歯ごたえのあるものを選んでいますね。アワビ、イカ、タコなんかも合います。夏のものを合わせるといいと思いますよ。

葉物野菜はフレンチドレッシングと和えて、ヒラメの昆布締めには塩を振ります。田辺さんのフレンチドレッシングは、オイルと赤ワインビネガー、香味野菜(エシャロット、玉ネギ、長ネギなど)、塩・胡椒を混ぜたもの。もちろん市販品を使ってしまって構いません。

それぞれに下ごしらえをした、葉物野菜、魚介、塩水に漬けたスイカをお皿に盛りつけます。

田辺さんが仕上げに添えたのは「粒生コショウ」。これはピリッとしてとても香りがいいです。でも、一般的な胡椒でも大丈夫。

最後に、塩を振ったスイカの外皮を添えてでき上がり! 田辺さんの盛り付けは芸術的ですが、もっとカジュアルでもいいんですよ。

スイカの香りをほんのり感じながら、でも全く別の新しい野菜を食べているような感覚。粒生コショウの風味がとてもよく合います。魚料理をスペシャリテとする田辺さんの、ヒラメの昆布締めがおいし過ぎて意識がそちらに引き寄せられてしまったりもしますが……。

家で作る時には、家にある食材や調味料で気軽にアレンジしてみてください。

スイカのみそ汁には油揚げが合う

スイカの白い部分を使った料理としてもうひとつ、田辺さんがおすすめするのが、スイカのみそ汁。
緑色の外皮と赤い果肉を削いだ白い部分を、短冊切りなどにしてみそ汁の具にします。スイカのサラダの下ごしらえのように塩水に漬ける必要はありませんので、こちらのメニューの方が手早くチャレンジできますね。

 スイカのみそ汁には油揚げを入れると旨いんだ!

田辺さんはレストランでスイカのリゾットを提供することもあります。普通に炊いたご飯、またはスイカのジュースで炊いたご飯(!)を準備。スイカのジュースとバターを煮詰めた中に、ご飯を入れて再度炊きます。このリゾットはちょっと甘め。鮎やイワシなどを内蔵ごとフリットにして添え、苦みを足して提供するそうです。

居心地のいい空間で季節の魚介を味わう「ヌキテパ」

「ヌキテパ」は、植物に囲まれた広々とした空間が広がる一軒家レストランで、イメージは南仏のリゾート。

「ヌキテパ」店内はリゾート地のように居心地がいい!

網元から直送される天然の魚介類を使ったコース料理が評判ですが、スイカのシーズン中に事前の予約をすれば、この記事で紹介したスイカのサラダやスイカのリゾット、スイカの炭火焼、スイカのショートケーキなど、シェフのスイカ愛が凝縮したスイカ料理も味わえます。スイカ好きの方はぜひ、一度訪れてみてください。

「ヌキテパ」田辺さんがスイカ愛を語り、スイカのショートケーキのエピソードを紹介する記事はこちらです。

「ヌキテパ」店舗情報

住所:東京都品川区東五反田3-15-19
電話:03-3442-2382
営業時間:
12:00~15:00(ラストオーダー13:00)
18:00~23:00、日曜は18:00~22:00(ラストオーダー20:00、日曜は19:00)
定休日: 月曜日
※スイカの料理は、要事前予約です。

公式サイト

書いた人

寺社巡り、歳時記、やきものなど、さまざまな日本文化にまつわるウィークリーブックの編集担当を経て、料理専門誌編集部へ。たんぱく質不足。炭水化物過多。お腹はゆるゆるでいいが背中はバキバキでありたいので、背筋を中心に日々トレーニングしたりしなかったり。