国宝に温泉! それだけでも旅の要素として十分ですが、別所温泉に滞在している間にはまだまだ心が躍る出合いがありました。車で10分ほど離れた前山寺以外は、街の中心地からすべて徒歩圏内。何度でも国宝級の文化財を見に足を運べるのも別所のいいところです。山の空気を吸いながらぶらぶら歩きを楽しんで。
別所温泉ぶら歩きスポット7選
1 大湯/大師湯
大師湯
大湯には小さな露天浴槽も併設されているのが人気。大師湯は北向観音の近くにあり、かつてはここで身を清めてお参りをしたという。早朝、夕方は地元客で満員に。昼どきの入湯がくつろげる。
大湯。木曽義仲と北条義政にゆかりがあることでも知られる
◆大湯/大師湯
住所 大湯/長野県上田市別所温泉215-1
住所 大師湯/長野県上田市別所温泉1652-1
2 日野出食堂
別所の名物・馬肉うどんを最初に出したのはこの店だといわれている。そば、うどん、丼と、なんでもそろう
別所に来たらここに寄らずして帰れない、人気の食堂。店のつくりも献立も昭和10年ごろのたたずまいを残したまま。名物は鶏の出汁と醬油で煮た馬肉。これをのせた肉うどん、肉丼、肉皿はどれもおすすめ。お酒を頼むと、お母さん手製の野菜や山菜を使ったアテがつく。素朴で美味。
店の前にある石湯からこの店へ、が、理想の寄り道コース
◆日野出食堂
住所 長野県上田市別所温泉1632
3 茶房まるげん
コーヒーは「本日の手づくりケーキ」とセット
別所温泉駅から街の中心地までまっすぐに続く大通り沿いに立つ、愛らしい一軒家。オーナーの旧自宅で大正12年に建てられたそう。コーヒーのほかに、地元小豆を使ったぜんざい、麴使用の甘酒など、手づくりの甘味が味わえる(甘味には別所名物山海煮とお茶付)。
2011年開店。地元の人の会話も楽しいBGMに
◆茶房まるげん
住所 長野県上田市別所温泉1718
4 常楽寺
鎌倉時代は天台教学の拠点となった
天長2(825)年、比叡山延暦寺座主の慈覚大師円仁により建立されたのが始まりとされる。北向観音の本坊であり、参詣することをおすすめ。どっしりとした茅葺屋根の本堂に圧倒されるはず。本堂の裏山には、国の重要文化財に指定されている石造多宝塔がある。苔むした石塔と静かに向き合いたい。
◆常楽寺
住所 長野県上田市別所温泉2347
公式サイト
5 北向観音
こちらの手水舎は温泉が出ている
常楽寺が静寂に包まれた場所にあるのとは対照的に、街の中心にあって人々でにぎわう厄除観音。南向きの長野の善光寺と両方に参拝しないと「片詣り」だといわれている。境内には小説「愛染かつら」のモデルとなった立派な桂の霊木もあり、縁結びの神が宿ると人気を集めている。
かつて門前茶屋があった通りは現在、土産物屋が並ぶ
◆北向観音
住所 長野県上田市別所温泉1656
公式サイト
6 手塚屋
もっちりした生地にこしあん。店頭でできたてを食べるのがいちばんうまい!賞味期限は翌日まで
北向観音の門前にあり、工房でつくるのは「厄除まんじゅう」のみ。別所温泉には厄除まんじゅうを売る店が3軒あるが、食べ比べてみるのも面白い。この店は餡に特徴があり、素朴ながら独特の風味で人を惹きつけている。店主ひとりでつくるため、予約は取らず売り切れ終い。午前中に立ち寄ることができれば確実。
住所 長野県上田市別所温泉1663
7 前山寺
お茶もおはぎに合わせて特別に煎茶とほうじ茶をブレンド
別所温泉から少し離れるが、住職夫人のつくる「くるみおはぎ」のご接待はこの旅に欠かすことができないので特別にご紹介。母娘3代にわたって伝えられるおはぎづくりは祈りと共にあり、すべて丁寧で繊細。寺は上田市のシンボル・独鈷山の麓にあり、眼下に塩田平が一望できる。三重塔は国の重要文化財に指定。
くるみおはぎのお接待は要予約で10時〜15時、11月末日までの提供(金曜休)。3月彼岸から再開。別所温泉駅へのシャトルバスあり(4月〜11月の運行)
◆前山寺
住所 長野県上田市前山300
公式サイト