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2019.10.17

北海道阿寒湖を1日観光!阿寒湖アイヌシアター「イコロ」など見どころまとめ

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旅先では、とにかく歩く! ガイドブックに載っていないものに出会うため、私はそう心がけています。今回歩いたのは北海道釧路市阿寒湖温泉。そこでみつけたのは、偉大な作家たちによる街中の彫刻、阿寒湖ならではのデザイン、観光地ならではのゆる〜い創作物の数々でした。

文様がペイントされた、阿寒湖アイヌシアター「イコロ」の宣伝カー。味わい深い…!

街歩きの前に、地図を確認!

国立公園・阿寒湖の南部に位置する阿寒湖温泉街。湖畔に面したホテルや商店街を中心に、1日あればぐるりと歩ける小さな街です。まずは阿寒湖のアイヌ文化にふれられる「阿寒湖アイヌコタン」を歩いてみましょう。

阿寒湖アイヌコタンを歩く

こちらが「阿寒湖アイヌコタン(集落)」。36戸、約120人が暮らす北海道最大のアイヌの集落です。

集落の中央にあるトーテムポールは、2007年に彫刻家・床ヌブリさんの指導のもと、阿寒湖アイヌコタンの人々が制作したもの。姉妹都市であるカナダのブリティッシュコロンビア州バーナビー市の釧路公園の方角を向いています。

バーナビー市の釧路公園には、床ヌブリさんが制作した彫刻群「カムイミンタラ」があり、太平洋を挟んで互いに見つめ合っている

木彫や刺繍の民芸品店、カフェなどの飲食店が約20店立ち並ぶこのエリアは、国内外の観光客で常に大にぎわい。

お買い物も楽しいのですが、注目ポイントは、各店舗の外観。阿寒湖を代表する彫刻家たちの制作した看板や屋根の装飾は、見応えがあります!

阿寒湖が誇る彫刻家のひとり瀧口政満さんがつくった「イチンゲの店」看板の上には愛犬の彫刻が。現在は息子・健吾さんがお店を営んでいます

ちなみにこの政満さんの作品は、このほかの場所でも観ることができます。

意外な場所で発見!瀧口政満さんの作品

1941年満州生まれ、木の曲りやこぶを生かした像を数々生み出してきた政満さん。その作品は、幻想的で愛くるしい表情が特徴です。

街の中心部にあるホテル「あかん遊久の里」の鶴雅ギャラリー「ニタイ」では政満さんの作品を無料で観ることができます

阿寒湖アイヌコタンから歩いて3分ほどの場所にある小学校の看板も、政満さんの手がけたもの!

森の中に突如現れる立派な木彫!

ころんとしたフォルムのフクロウ、ぱっちりした瞳がかわいいらしい!

実は、阿寒湖には街の看板や建物のレリーフなど、偉大な彫刻家による作品が多くあるのです。

街中で出会える藤戸竹喜さんの作品

もうひとり、阿寒湖を代表する彫刻家の作品を街中で観ることができます。その作家の名は、藤戸竹喜さん。1934年旭川に生まれ、阿寒湖で活動していた竹喜さんの作品は、熊をモチーフにしたものが多く、今にも動き出しそうな表情やリアリティあふれる毛並みとポーズが特徴です。

商店街の一角にある、図書室や観光インフォメーションセンターの入った「阿寒湖まりむ館」。この入り口に設置された熊も、実は竹喜さんの作品。

入り口の上! 近づいてみると……

まばたきしそうな眼、動き出しそうな手。たしかに竹喜さんの作品です!

「阿寒湖まりむ館」から歩いて15分ほどの場所にあるお寺「正徳寺」には、竹喜さんの手がけた仏像もあります。やわらかな表情に珍しいかたちをした光背(こうはい)は、一見の価値ありです。

お堂の脇に生えていた樹の根元にも木彫が。これも、竹喜さんの手がけたものだろうか…?

まだまだあります、阿寒湖の街中アート

偉大な彫刻家の作品のほかにも、街中にひっそりと、見逃せないアートが散りばめられています。

民芸品店だけでなく、飲食店やおうちの前にも木彫りのフクロウや熊が。その表情を見比べてお気に入りのものをみつけるのも、また楽しい!

例えば、こちらは湖畔に面した「阿寒イオマプの庭」。アイヌの人々は愛を告げるとき「イオマプ(あなたのまわりにあることすべてを大切にします)」と表現するそう。そこから名づけられたこの庭は、縄文文化×アイヌ文化×阿寒湖の自然というコンセプトのもと、ユニークな空間がつくられています。

庭の中央にある渦は、縄文文化の造形からインスパイアされたもの。

アイヌの文様が散りばめられた「カムイニ(トーテムポール)」の横には、花のドレスを着ているかのように見えるドレスガーデン。阿寒湖と雄阿寒岳(おあかんだけ)をバックにこんな写真が撮れます。

モデルは高木編集長

商店街を歩けば、こんなものも。こちらはマンホール。数種類ありますが、デザインの多くにまりもが使われています。中には釧路市と合併する前のものも! 冬はマンホールのところだけ雪が積もらず、あたたかいため、猫が丸まって眠っていることもあるんだとか。その姿も見てみたいものです!

商店街でもうひとつ、小さなアートをみつけました。
こちらは花壇。

よ〜〜〜く見ると…

そう、阿寒湖名物「まりも」をモチーフにしているんです。

阿寒湖のまりもは国の特別天然記念物ということもあり、土産ものをはじめさまざまなところにデザインとして使われています。がしかし、こんなところにまであるとは!

大きなものから小さなものまで。阿寒湖の街には、雄大な自然に育まれたアートの数々が散らばっています。観光で訪れた際にはぜひ街を歩いて、気になる作品をみつけてみてください!