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2019.10.14

利用者登録をして図書館をもっと使いこなそう!読書マニアが教えるサービスや豆知識

この記事を書いた人

図書館を利用したことはありますか?
『日本の図書館 2018年』(日本図書館協会)によると、現在、日本国内には約3,300館の図書館があります。そんな身近な図書館は、「使わないともったいない施設」。
この記事では、図書館利用の第一歩である「利用者登録」についてご案内します。

なお、この記事の図書館は、「公共図書館」としています。
また、登録要件やサービス内容は、図書館によって異なります。詳しくは、図書館のホームページで確認するか、各図書館にお問合せください。

利用者登録ができる図書館はどこ?

図書館は、開館時間中であれば、誰でも無料で利用することができます。館内にある本や、新聞、雑誌を読んだり、気になっていたあれこれを調べてみたり。

多くの方は、図書館の本を借りるために利用者登録をされると思いますが、利用者登録をすることで使えるサービスが増えることを知っていましたか?

利用者登録の基本要件は、「在住・在勤・在学」

図書館の利用者登録ができる人の基本要件は、「その自治体に住んでいる人(在住)」「その自治体にある企業に勤めている人(在勤)」「その自治体にある学校に通学している人(在学)」となります。

連絡先等が確認できれば、住所に関わらず登録ができる図書館もあります。
小学館本社から歩いて10分ほどの千代田区立千代田図書館では、日本国内に住所がある方であれば、どなたでも利用者登録ができます。

広域利用ができる図書館も!

隣接している自治体に住んでいる方も登録することができる図書館や、近隣の複数自治体が協定を結び、図書館の相互利用を行っているケースもあります。

名前と住所等が確認できれば、登録OK!

利用者登録をする時は、登録申請証に必要事項を記入して申込みますが、本人かどうかを確認するため、健康保険証、運転免許証、学生証などの名前と住所が確認できるものが必要です。

更新も忘れずに!

利用者登録は、有効期限がある場合がほとんど。
引き続き図書館のサービスを利用したい場合は、期限内に、忘れずに更新手続きをしましょう。

まずは、住んでいる自治体の図書館のホームページをチェック!

まだ利用者登録をしたことがない方は、まずは、ご自宅から一番近い図書館で登録されることをおすすめします。

ビジネスマンは、勤務先の近くの図書館や、通勤途中の図書館が利用できる場合もあります。図書館のホームページには、登録要件や開館時間の案内が掲載されているので、自分が利用できるか確認することができます。
最近は、夜も開館している図書館が増えています。仕事帰りに図書館に立ち寄って、スキルアップを目指すというのはいかがでしょうか?

利用者登録をすることで使えるサービスはこんなにある!

利用者登録をすることで、「本を借りる」以外のサービスを利用することができます。(「在住」の登録者に限定のサービスもあります。)

図書館の資料を借りる

図書館の資料を借りる場合、貸出期間と貸出冊数は、自治体により異なります。貸出期間は2週間(15日)、貸出冊数は10冊(点)というところが多いようです。中には、貸出冊数の上限がない図書館も!

利用者自身が貸出手続きを行う自動貸出機を設置する図書館も増えています。図書館の資料は公共の財産です。汚したり、破損したりしないよう、気をつけて利用しましょう。

貸出をメインに利用するのであれば、身近な場所にある図書館がおすすめ。
もし、図書館の開館時間中に本を返しにいけない時は、返却ポストが利用できます。だだし、CDやDVDは、返却ポストは利用できません。

予約・リクエストサービス

読みたいと思った本が貸出中などで図書館にない場合は、「予約サービス」が利用できます。
自治体内のほかの図書館にある場合は、予約をして、いつも利用している図書館に取り寄せることができます。

お求めの資料が自治体内の図書館にない場合は、職員にご相談ください。
これは「リクエストサービス」と言いますが、図書館では、資料として購入するか、他の図書館から借りて提供するかを検討します。(資料によっては、希望に添えない場合もあります。)

本が用意できたという連絡があったら、取り置き期限内に図書館に行って貸出手続きをしましょう。

オンラインデータベースの利用

図書館では、新聞記事や雑誌記事、企業情報や判例などを検索することができるオンラインデータベースを提供しており、無料で利用できます(要申込、記事のプリントアウトは有料)。
過去の新聞記事や雑誌記事などをキーワードでまとめて検索できるデータベースは便利です! もしかしたら、探していた記事があっという間に見つかるかも?

オンラインデータベースの検索方法や便利な使い方を案内するショートセミナーも行っています。

専用席の利用

登録利用者用の専用席を設けている図書館もあります。
専用席は、受付カウンターや専用のパソコンから申込みをして利用することができます。

図書館内の施設などの利用

図書館内の会議室・研修室や機器類の利用が、登録利用者に限定している図書館もあります(所定の利用料金がかかる場合があります)。

webサービスの利用

パスワードを登録して、web上のサービスを利用できる図書館が増えています。

Webサービスを活用すれば、もっと便利に使えること間違いなし? 例えば、次のようなものがあります。

  • 借りている資料の返却日確認、貸出の延長
  • 予約している資料の確認、予約状況の確認
  • 予約資料の準備ができた際のお知らせや受け取り館の設定
  • これから読みたい本や気になる本を「お気に入り」として登録
  • メールアドレスの登録・変更・解除
  • メールマガジンの登録・解除

大学図書館の利用

自治体内の大学と協定を結び、登録利用者であれば、大学図書館を使える場合があります。
大学図書館は、公共図書館よりも専門的な資料を持っています。仕事や個人的な研究などで専門的な情報を探している方は、大学図書館が使えるか確認しておくと良いかも?

国会図書館は利用者登録が必要

国立国会図書館(東京本館、関西館)は、原則、利用者登録が必要です。
利用者登録をしない場合は、当日利用カードで入館することができますが、書庫内資料の利用ができません。
詳しくは、「国立国会図書館の利用者登録について」をご確認ください。

図書館の達人は、複数の図書館を使い分けている!

図書館の達人は、身近な図書館を拠点にしながら、目的に応じて、自治体内の中央館や国立国会図書館など、複数の図書館を使い分けているだけではなく、図書館と書店も使い分けています。

図書館によって、得意・不得意がある

図書館によって置いている資料が違っていることをご存知ですか?
図書館は、資料収集基準に基づいて資料を収集・提供していますし、地域や利用者層に応じて、力を入れている分野が異なっています。

自治体によっては、専門書や年代の古い本は地区館ではなく中央館に置いていたり、A館は歴史、B館はビジネス関係、C館は美術などのように、分担して収集・保存していることも。

その図書館がどういう資料に力を入れているのかは、書架の配置や、並んでいる資料を見るとわかります。
「本を借りるのは近所の図書館で、じっくり調査をしたい時はちょっと遠いけれども資料の多い中央館に行く」というように、目的に応じて使い分けるのも、図書館利用のコツです。

書店と図書館を使い分ける

「探していた本が絶版で、書店には置いていなかった…。」「この本、値段が高くて自分で買うのはちょっと…。」という経験はありませんか?
そんな時は、ぜひ図書館を利用してみてはいかがでしょうか。

逆に、図書館で見た本をどうしても手もとに置きたくて、書店で探して購入したことがある人もいるのでは?

書店で「買う本」と、図書館で「借りる本・調査のために使う本」をうまく使い分けると、知識や情報の幅が広がること、間違いなしです!

読書の秋、図書館を使いこなして、様々な本に触れてみませんか?

図書館利用の第一歩は、身近な図書館で利用者登録をして、図書館のサービスや利用のコツを知ること。そして、利用することができる複数の図書館や書店を目的によって使い分けること。

この秋、図書館を使いこなして、様々な本に触れてみませんか?
素敵な本が、図書館で待っていますよ。

主な参考文献

  • 『日本の図書館 2018年』 日本図書館協会 2019年2月
  • 『図書館徹底活用術』 寺尾隆監修 洋泉社 2017年2月

書いた人

秋田県大仙市出身。大学の実習をきっかけに、公共図書館に興味を持ち、図書館司書になる。元号が変わるのを機に、30年勤めた図書館を退職してフリーに。「日本のことを聞かれたら、『ニッポニカ』(=小学館の百科事典『日本大百科全書』)を調べるように。」という先輩職員の教えは、退職後も励行中。