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2019.10.30

鹿児島の秘境!本土最南端の町「雄川の滝」は観光におすすめの絶景スポット!

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九州本島で最南端にある町、鹿児島県南大隅町。
絶景秘境の「雄川(おがわ)の滝」に興味を持たなければ、私は知ることも行くことも無かったかもしれません。

本土最南端の岬として知られている佐多岬もある南大隅町には、まだまだ知られていないステキな場所がいっぱい。
今回は、「雄川の滝」をご案内いたします。

雄川の滝とは?

出典:鹿児島観光サイト

鹿児島県南大隅町の根占(ねじめ)エリアを流れる雄川の上流に位置している雄川の滝。滝幅は60メートル、落差は46メートルあります。

条件が揃うと、きらめくアクアブルーやエメラルドグリーンのグラデーションの美しい滝つぼが出現し、美しい緑のコケが生える岩の間から吹き出す伏流水のカーテンなどと共に、この世のパラダイスとも思える異空間を生み出します。

その美しさからこの地の絶景にあこがれて訪れる人が後を絶ちません。

長いこと立ち入ることが困難だった秘境の中の秘境


雄川の滝は、江戸時代の後期に薩摩藩によって編集された「三国名勝図絵」にも載っている景勝地。この書物では、薩摩国、大隅国、そして、日向国の一部のエリアを含めた各地の名所などが紹介されています。
そんな古くから紹介されていた歴史はありましたが、山奥のアクセスしづらい秘境にあったことから、長い間、地元でも知っている人や訪れたことがある人がほとんどいないスポットでした。

しかし、2000年に遊歩道づくりがようやく開始されたことや、地元の銀行のカレンダーでこの秘境の絶景写真が採用されたことを機に人目に触れる機会も増え、口コミで知る人ぞ知る秘境の1つとして、隠れた人気があったスポットでした。

2018年にはNHK大河ドラマの「西郷どん」のオープニングに雄川の滝の絶景が映像で流れたことで一気に人気に火が付き、現在は、秘境でありながらも観光地化されたスポットとなっています。

整備されてアクセスしやすくなった新たな南大隅町の観光スポット

私が訪れたのは2017年の4月。道中はシャトルバスも通れるように一部エリアの道幅を広げている最中だったり、無料駐車場の増設工事や、遊歩道の追加工事などをしていたりと、まだ秘境らしい野性味もたっぷり残っていました。その分、たどり着くだけでもかなり大変でした。

出典:鹿児島観光サイト

雄川の滝の滝つぼにある憧れの砂洲の上(上写真の右下部分にあるのが砂洲エリア)で記念撮影ができたのも、今となっては、本当に貴重な体験ができた良い思い出の1つになっています。

その後、滝つぼエリアに展望台ができたことにより、現在は滝つぼの中に入れないようになってしまっていますが、それでも、あの絶景は健在!
2階建ての展望台から様々なアングルで安全に絶景を眺めることができるようになったこともあり、子どもを連れたファミリーから年配の方まで、さらに多くの方が訪れています。

出典:Aqua Base Cafe

また、遊歩道に関しても、以前は砂利道だったところが現在はアスファルト舗装になっていますので、トレッキングに最適なシューズや服装を身に着けていれば、私が訪れた当時よりもかなり歩きやすくなっているようです。

さらに、最大45台収容可能な無料駐車場付近には、コンテナハウスを再利用した女性にも人気のおしゃれなカフェもできています。雄川の滝の滝つぼから帰ってきた後に心地よい疲れを癒すのにも最適です。

絶景のパラダイスが出現する条件


アクアブルーやエメラルドグリーンに輝くこの世のパラダイス的な美しい滝つぼに憧れて、多くの方が雄川の滝へ遠渡はるばるやって来ますが、この絶景は条件が揃わないと出現しません。

その条件とは、訪問する当日も含めて晴れの日が最低でも3~4日連続で続いていることと、その間に雄川ダムの放流が一切行われていないことです。この2つの条件が続いている日が長い程、確実にパラダイスな絶景が出現します。
そして、この条件の中でおすすめの訪問時間は、太陽が一番高く上がっている時間帯。季節によっても多少異なりますが、お昼からお昼過ぎの午後にかけてがベストのようです。
せっかくパラダイスな絶景が出現しても、太陽が高く登り切っていない午前中や日の高さが低くなり始めた午後の時間帯などは、滝つぼに影ができてしまうので、太陽が1番高く上って影が消えた滝つぼに比べると、輝き具合が異なります。

私は訪問前の1週間、天気予報を頻繁にチェック。そして、南大隅町の観光課へ雄川ダムの放流予定日と訪問予定日が重ならないか問い合わせをしてから、条件が揃った「この日だ!」という日に訪問。おかげさまで、パラダイスな絶景をしっかり堪能できました。

雄川の滝 駐車場への道 & 注意点

さすが秘境!以前はしっかりとした看板が無かったので道に迷いまくり!

出典:雄川の滝遊歩道ガイドマップ

雄川の滝へのアクセス方法は、基本的に車となります。

観光局などには、「雄川の滝遊歩道ガイドマップ」というパンフレットもあるようですので、パンフレットの地図部分を上の画像にあげておきます。この地図をもとに訪れれば、道中に迷う確率もかなり減ることと思います。

私はこの様な地図を持っておらず、ネット上でも情報があまり無かった時期に訪れたので、雄川の滝 駐車場に到着するまでに何度も道に迷い、1時間近く同じところをグルグル回る羽目に…。その度に南大隅町の観光課へ電話しまくりでした。最後には、その親切な担当者は、すぐにつながりますので!ということで、ケータイ番号まで教えてくださいました。大変親切にしてくださった観光課の方にも感謝!

雄川の滝 駐車場までのアクセス方法

現在は、雄川の滝 駐車場までの方向指示看板も増えています。上記地図通りにアクセスする場合、見落とせない大事な指示看板は、これから説明する2つです。

南大隅町役場から佐多方面へ800メートルほどの場所に「雄川橋交差点」があり、この交差点を左折します。この交差点左側には「雄川の滝 6.3km」と書かれた指示看板が左折表示の矢印と共にあります。左折後、2キロメートルほど道なりに進みますと、右側に入れる細い道があり、そこに「雄川の滝 入り口」の木の看板が右折表示の矢印と共にあります。この細い道を終点まで進めば「雄川の滝 駐車場」へ到着します。

気をつけなければならないのは、木の看板を右折後の雄川の滝付近の道路は道幅が急に狭くなり、車1台しか通れないほど狭くなるという点。対向車もたまに来ますので、減速して譲り合いながら運転する必要があり、非常に気を使います。この点には、要注意です。

運転に自信がない方は、観光周遊バスや大型連休時や繁忙期などに臨時運行されるシャトルバスの利用を検討してみるのもおすすめです。

雄川ダムの放流時や悪天候時は危険

雄川の滝の上は雄川ダムになっており、不定期に放流もされています。ダムの放流時は、放流される水の量にもよりますが、滝つぼ付近の遊歩道が冠水することもあるそうですので十分な注意が必要です。また、大雨の日も遊歩道が冠水するところもあります。

雄川ダムの大量の水の放流時や悪天候の日など危険と判断された場合は、事前に入場自体が禁止となりますが、絶景のパラダイスも一切見られませんし、何よりも危険ですので立ち入ることは控えましょう。

展望台は2つある!


雄川の滝には、現在、2つの展望台があります。雄川の滝を上から見下ろす「雄川の滝上流展望所」と、私が行った時には無かった「雄川の滝展望所」。それぞれの場所は大きく異なった場所にありますので、間違わないようにお気を付けください。

上の写真は雄川の滝を上から見下ろす雄川の滝上流展望所から撮影したものです。まだ滝つぼに日光が直接当たってないのでアクアブルーですが、日光が当たるとエメラルドグリーン系のグラデーションに変わります。

どちらの展望所からも異なった表情を楽しめますが、雄川の滝は、やはり、雄川の滝展望所から見える滝つぼからの絶景が1番美しいと思います。

すれ違った人への「こんにちは」の挨拶には、色々な意味があり!


登山やトレッキングなどをしていると、知らない人でもすれ違うたびに「こんにちは!」と挨拶してる人々を見たことがありませんか。

登山などの初心者の人の中には、知らない人に「こんにちは!」と挨拶されても逆にビックリしてしまい無視してしまう人もいるようです。
しかし、この「こんにちは!」の挨拶には、じつは、挨拶以上の意味があるんです。

相手の記憶に自分の存在を残す!

登山中のマナーにもなっているこの挨拶は、登山の場合、登る側から挨拶するのが基本のようですが、相手が疲労していて挨拶するのに息が切れていそうだったら、下り側の方から挨拶しても構いません。

挨拶する理由の1つは、挨拶することで相手の記憶に自分の存在を残すことです。これにより、万が一、遭難した際に、どこですれ違ったかが捜索の手掛かりになります。また、挨拶を機に情報交換しやすいというきっかけの場も作っています。

自分は怪しい物ではありませんので、ご安心ください!

さらにこの他の理由として、「自分は怪しい物ではありませんので、ご安心ください。」という意味も「こんにちは!」の挨拶には含まれています。
想像してみて下さい。山などで自分1人しか歩いていない時に向かい側から知らない不審者らしい人が歩いてきたら、恐ろしくてその人とすれ違いたくないですよね。そこで、挨拶をして、相手の様子をうかがうのです。

山歩きでの挨拶は、日本の歴史を見ても古くからあり!

おもしろいことに、平安時代の書物にもこれに関するこんな記述があります。
「山歩きの最中に不審者に出会ったら、挨拶をし、返事が無ければ十分に用心を重ねて、念仏を唱えて進みなさい」。
また、修験道の行者の山伏(やまぶし)やマタギの人々においては、すれ違う相手が「人間」か「妖怪」かを見分けるのに挨拶をしていたという古くからの習慣も日本にはありました。

ぜひ、雄川の滝の遊歩道のトレッキング最中も「こんにちは!」の挨拶を実践してみてください。

雄川の滝 遊歩道での見どころ


雄川の滝の滝つぼまでは全長1200メートルの距離がありますが、遊歩道が完備されていますので歩きやすくなっています。道中には休憩エリアもあったりと、色々な見どころもあります。

さぁ、出発です!


遊歩道の入り口付近にはトイレがあります。道中、ここ以外にトイレは一切ありません。必要な方は、済ませておくことをおすすめします。

また、入り口エリアには、無料で借りられる天然木でできた杖がたくさん置いてあります。杖が借りられるのもここだけなので、必要に応じて借りるとよいでしょう。私は普段はあまり借りないのですが、駐車場にはまだ数台しか車が停まっていなかったので、護身用も兼ねてこの日は拝借。後に、色々な用途で大活躍してくれました。

所々にあった穴は、なんと、防空壕の跡!


行きは、ほとんど人に会うこともなくずっと1人で歩いていたので、所々にあった穴(写真上)が何であるのか不思議だった私。滝つぼで後から1人でやってきた地元の女性と出会えたので、帰りは色々と地元のことを教えてもらいながら帰ってこれたこともあり、この穴の正体も分かりました。

昭和30年くらいまでは、現在遊歩道があるエリア周辺にも人が住んで居る家が何軒もあったとのこと。あの穴の正体は、なんと、戦時中に実際に使われていた防空壕の跡だったのです。今もそのまま残されていました。

雄川渓谷


駐車場から遊歩道へ向かう道中、橋を1つ渡ります。この橋からも雄川渓谷のどこまでも澄んだ美しい水や美しい景色を楽しめます。遊歩道の大半はこの渓谷沿いにあるので、歩いていると美しいこの渓谷の景色や水の音にも心癒されます。

瀧見大橋


入り口から歩を進めるごとに目線の上でだんだん近づいて見えてくるのは、全長150メートルのアーチ形をした瀧見(たきみ)大橋(写真上)。雄川渓谷から高さ80メートルほどの所にあります。
私にとっては、ここへ来る前にさんざん道に迷って、「雄川の滝上流展望所」へ間違って行ってしまった時に短時間で数回も通った橋。まさか再びこの橋に出会って、今度は下から見上げることになるとは思ってもみませんでした!

このエリアは、私が訪れた時には台風で倒れた木が50メートルほどの距離に渡りそのままの状態になっており、野性味あふれる秘境感も満載。倒れてこないか心配だったので足早に通過。もちろん、現在は綺麗になっていて安全です。

清流のほとり(休憩エリア)


出発地点から半分くらいのところにある休憩エリアの清流のほとり。雄川渓谷の中でもきらめくエメラルドグリーンやトロピカルアクアブルーなどといった水の色の美しさが際立つエリア。その美しさに心を奪われずにはいられません。
この休憩エリアには、テーブルと椅子も用意されています。心地よいせせらぎの音をBGMに、こんな素敵な空間でのティーブレイクは最高です。

圧巻の絶景はまさにパラダイス!雄川の滝に到着!!


現在は、2階建ての展望台があるので、様々な個所から色々な表情の雄川の滝のパラダイスな絶景を安全に楽しめます。

私が訪れた時は、高低差のある急な岩場を慎重に降りて、無造作に岩が重なった剥き出しの岩場の上からこの絶景を満喫したものでした。私がようやく到着した時は、見終わった人とすれ違いになり、結局1人きりに。でも、よく考えたら、このパラダイスな絶景を1人占めできるなんて、とんでもなく贅沢な時間!

憧れの砂洲が目の前にあったのですが、どう考えても岩場からジャンプしても距離がありすぎ。持っていた護身用の棒で水深を測ったら、だいたい膝上位までの深さ。砂洲まで水中を歩いて行くか非常に迷いながらも、自撮りでは砂洲の上にいる自分をすべての光景を含めて撮れないことに気づいた私。
人が来るまで優雅な時間を30分以上、1人で楽しみながら待ちました。

出典:鹿児島観光サイト

心と脳裏にはしっかり焼き付いたので、写真を色々な角度で撮影。1人の空間に慣れ切っていたので、急に人影がカメラに写り込んだ時、超ビックリ! 幽霊か何かかと思ってしまい「わぁ!」と思わず大声で驚いて叫んでしまい、後から来た人と私はお互いにビックリさせ合ってしまいました。

そんな出会い方をしたので、すぐに打ち解け、話をしてみると地元の女性。
この方にお願いして、憧れの砂洲の上に立って、パラダイスな雄川の滝の絶景と共に記念撮影もできました!

ひざ上ほどまで水に浸かりながら浅瀬を渡って、憧れだった砂洲の上に立ったのですが、地上に出たら不思議なことに脚がすごく軽く感じました。あの不思議な感覚を私は今も忘れません。
ステキなパワーや気にも満ち溢れているんですね。
1人きりで30分以上も過ごせたあの貴重で贅沢な時間の中でも、ステキな目に見えないものをいっぱい授かったと思います。
この時間は、今後も私の人生の宝の1つとなって、いつまでもキラキラと輝き続けることでしょう。

雄川の滝 遊歩道入り口駐車場 基本情報

住所: 鹿児島県肝属郡南大隅町根占川北
電話番号:0994-24-3115
営業時間:8:30~日没まで(夜間は危険なため入場できません)
WEB:雄川の滝

書いた人

猫と旅が大好きな、音楽家、創作家、渡り鳥、遊牧民。7年前、ノラの子猫に出会い、人生初、猫のいる生活がスタート。以来、自分の人生価値観が大きく変わる。愛猫を連れ、車旅を楽しむも、天才的な方向音痴っぷりを毎度発揮。愛猫のテレパシーと自分の直感だけを頼りに今日も前へ進む。