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読み物
2022.03.23

縄文の息吹を感じる!埼玉県北本市の土を使った陶器が完成!【きたもと縄文焼き物プロジェクト】

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縄文人が使っていた土で現代風の焼き物ができたら……。そう聞くだけでワクワクしませんか? 埼玉県北本市と和樂web、そして信楽の陶芸家・篠原希さんでタッグを組み、北本独自の縄文文化を現代風に解釈した新しい焼き物が完成しました。

※商品は、北本市のふるさと納税返礼品として出品しています。

知られざる縄文のまち、北本

かつて縄文銀座として賑わった埼玉県北本市。そこで発掘された「デーノタメ遺跡」は、南北に約210メートル、東西に約160メートルの大きさで、約5000年前の縄文中期から約3500年前の後期にかけての大規模な環状集落です。全国でも希少な、集落の人々が利用していた水場も確認されています。地下水が豊富な地域であることから、漆を塗った土器や装身具、縄文人が食べていた植物の種実といった有機物などが、驚くほどそのままに出土し、縄文人の暮らしの実態を教えてくれる貴重な遺跡です。市内ではデーノタメ遺跡をはじめ、多くの遺跡があちこちに見つかっています。
そんな「縄文のまち、北本」としてたくさんの人に知っていただきたい、そんな思いで北本の土を使った陶器をつくりました。

100年に1度の大発見?関東最大級の環状集落「デーノタメ遺跡」は縄文のタイムカプセルだ!

一から土を掘り起こし!物語のつまった逸品です

今回、土の採取から制作までを手がけたのは、信楽の陶芸家・篠原希さん。滋賀県信楽でやきものを始めて30年、自身の窯を築いてからも15年以上経つという、炎と土を熟知した陶芸家です。過去にも「JOMONごはん鍋」を製作したりなど和樂webとコラボを重ねてきました。

土掘りの様子

「いろんな土を試して、焼いて、その結果どういうふうに見えるか?かっこよく見えるか?それが大切だと考え作陶しています。以前、北本市で発掘された縄文時代の遺物を見学し、その作陶技術の高さに驚き、許可を得て北本の土を実際に採取しました。きめの細かい土は焼き物にも向くと考え、現代の日常生活の使用に耐えうるよう、信楽の土と合わせた陶器を作りました(北本の土を50%含む)。文様は北本市の縄文土器からインスピレーションを得ています」(篠原さん)

北本では細かく意匠が施された耳飾りが出土しています。それを見て「このサイズのものを形づくるためのキメの細かい土(材料)があるはず」と篠原さん。実際に荒川流域の低地で掘ってみると、そのままろくろで引けてしまうほどのキメの細かい良い土が出てきました。ほかにも鉄分が多く含まれ、顔料の原料になる「鬼板」と呼ばれる土も発見。

北本で出土した耳飾り

北本で採取した粘土はそのまま形づくることができるほどしっかりとしていた(左)。採取した鬼板(右)

採取した土は信楽へ持ち帰り、窯のある篠原さんの作業場で製作。縄文の土器を再現するのであれば、それに則した焼き方をすれば良いですが、今回つくるのは現代でも使える、高温で焼き上げられた硬い陶器です。北本の土は高温で焼きすぎるとバラバラに割れてしまう土質のため、信楽の土を程よくブレンド。その土と土のマッチングや、窯の温度などを細かくチェックしながら現代に合うような形で完成させました。

本焼きに入る前の写真

全部で6品! 北本の土でつくる陶器シリーズ

1.コーヒードリッパー

ポットとドリッパーのセットで2杯分のサイズです。北本の土と信楽の土を50%ずつ合わせて焼いています。白い釉薬をかけふっくらと可愛い形に仕上げました。あえて取手はつけず、コーヒーカップに注ぐ時間もいとおしめる形です。

表面の文様は北本で出土した土器や陶片の文様からインスピレーションを受け施しています。笹を半割りにして撫でつけた技法は、縄文時代から使われている技法です。

北本で出土した土器
■セット内容:ドリッパー×1、注器×1 ドリッパー:約直径12㎝、高さ10㎝。約重量410g。 注器:約幅10.5㎝(最大)、高さ12㎝。約重量420g。容量2杯分。
※一部に信楽陶土が含まれています。
※手づくりのため、柄や色味、サイズや重量に個体差が生じます。
※直火、電子レンジ、オーブン、食洗機使用不可。
※円錐形のペーパーフィルターを使用してください。

2.酒器セット

注器とぐい呑み1点ずつのセットです。北本の土と信楽の土を50%ずつ合わせて焼いています。縁にツノがあるようなぐい呑みは、北本で出土した浅鉢形土器をイメージしています。注器の文様は、北本の土器や陶片の文様からインスピレーションを受け施しています。

浅鉢形土器
■セット内容:注器×1、ぐい呑み(ぐい盃)×1 注器:約幅12㎝(注ぎ口含む最大幅)、高さ10㎝。約330g。容量〇〇。 ぐい呑み:約口径7㎝(突起部分含む8㎝)、高さ6㎝。約重量130g。
※一部に信楽陶土が含まれています。
※手づくりのため、柄や色味、サイズや重量に個体差が生じます。
※直火、電子レンジ、オーブン、食洗機使用不可。

3.引出黒(茶碗)

「鬼板」と呼ばれる鉄釉の原料になる土を使用しています。鬼板を調合し、茶碗の表面に掛けて焼成することで、鉄釉が溶けツヤのあるやや緑色がかった黒色の茶碗に仕上がりました。北本の鬼板は予想以上に鉄分が多かったため、より黒く発色しています。なめらかな質感とずっしりとした重厚感のある茶碗です。

■約口径9.5〜10㎝、高さ約8.5㎝。約重量280g
※一部に信楽陶土が含まれています。
※手づくりのため、柄や色味、サイズや重量に個体差が生じます。
※直火、電子レンジ、オーブン、食洗機使用不可。
※一点ずつの出品。

4.【一点もの】ぐい呑み(碗型)

釉薬を掛けていない、土の力強さが全面に出た作品です。内側は光沢感のある景色を楽しめます。北本で出土した浅鉢形土器をイメージしています。

■約口径5.5㎝(突起部分含む7.5㎝)、高さ5㎝(突起部分含む)。重量88g。限定数1。
※一部に信楽陶土が含まれています。
※手づくりのため、柄や色味、サイズや重量に個体差が生じます。
※直火、電子レンジ、オーブン、食洗機使用不可。

5.【一点もの】ぐい呑み(筒型)

縄文土器といえば縄目文様をイメージしますが、渦巻や円、波のような文様もあり多様です。表面の文様は、北本で出土した土器や陶片の文様からインスピレーションを受けて施しています。土器の再現ではなく、現代に合うような縄文の流れを感じる形にしました。

■約口径4.5㎝、高さ6㎝。重量65g。限定数1。
※一部に信楽陶土が含まれています。
※手づくりのため、柄や色味、サイズや重量に個体差が生じます。
※直火、電子レンジ、オーブン、食洗機使用不可。

6.引出黒酒器(ぐい呑み)

鬼板と呼ばれる鉄釉の原料になる土を使用した酒器です。鬼板を調合し、表面に掛けて焼成することで、鉄釉が溶けツヤのあるやや緑色がかった黒色の茶碗に仕上がりました。文様はあえて入れず、シンプルで日常使いしやすいサイズにつくりました。

■約口径5.5㎝、高さ6㎝。約重量105g。
※一部に信楽陶土が含まれています。
※手づくりのため、柄や色味、サイズや重量に個体差が生じます。
※直火、電子レンジ、オーブン、食洗機使用不可。

篠原希さん プロフィール
大阪府生まれ。信楽 古谷製陶所に所属し、古谷信男氏に師事。1998年信楽窯業技術試験場を修了、翌年に信楽町黄瀬にて独立。2004年 伊賀に新たに穴窯を築く。全国の百貨店やギャラリーでグループ展や個展を開催。近年は、アメリカスタンフォード大学、ユタ州立大学にてワークショップを行うほか、トレインキルンを焼成。海外でも高い評価を受けている