樂茶碗を手でふれながら鑑賞できる! 京都・樂美術館をご紹介

樂茶碗を手でふれながら鑑賞できる! 京都・樂美術館をご紹介

樂茶碗(らくちゃわん)は、今から約450年前に、千利休が自分の目ざす理想の茶の湯のために、長次郎につくらせた茶碗。まさに茶の湯文化のシンボルといえる存在です。その奥深い樂焼の世界を楽しめるのが、京都にある「樂美術館」です。今回は、深遠な茶の美を鑑賞できる素敵な個人美術館をご紹介します。

伝統と創造の樂茶碗に向き合える美術館

昭和53(1978)年、樂家14代覚入によって開館された樂美術館。収蔵品は歴代作品を中心に、樂家に伝わってきた秘蔵の名品ばかり。もともとは次代の参考になるようにと手本として残されてきたものです。全国にあまたある美術館のなかでも、樂美術館の特長は、樂茶碗のつくり手である樂家当代15代樂吉左衞門さんが、館長として美術館の運営をしているところ。設立当初から、所蔵品を手にとって鑑賞できる、あるいは実際に樂茶碗でお茶を飲んでいただく「手にふれる樂茶碗鑑賞会」や「特別鑑賞茶会」という試みが行われています。今では多くの美術館がこうした体験を催していますが、樂美術館の試みは、全国でもかなり早いものでした。なぜならば、ガラスケースの外から鑑賞しても“茶碗の本当の魅力は伝わりにくい”と、つくり手である樂さんが感じていたからです。

茶会イベントをおこなう茶室の床にしつらえてもらったのは、大徳寺第15代管長の髙田明浦老大師筆の「春来草自生(春来たりて草おのずから生ず)」。鶴首花入の椿が、楚々としていてかわいらしい。特別鑑賞茶会は年8回開催で1席18名。当代樂吉左衞門さんが亭主を務め、「聚洸」の和菓子と歴代の樂茶碗でお茶がいただける。人気のあるイベントなので予約必至。

樂茶碗とは?

左/樂家4代一入(いちにゅう)作、銘「明石」の赤樂(あからく)茶碗。右/樂家3代道入(どうにゅう)作、銘「須磨(すま)」の黒樂茶碗。道入の別名は「ノンコウ」。本阿弥光悦と親しく、新たな表現を開拓した名人。

樂茶碗は、数あるやきもののなかで最も“ふれる”ことに意味がある茶碗です。いかに美味しくお茶が飲めるかという目的のために、手にすっぽりと馴染むよう、熱湯を入れても温度が優しく伝わるよう、実用性も踏まえながら、究極の造形表現を目ざしています。利休が求めた茶の宇宙に思いを馳せることができる樂茶碗の世界。樂茶碗を鑑賞することは、茶の湯の本質を知ることにつながっています。

2019年の樂美術館特別企画「手にふれる美術館」情報

1 手にふれる樂茶碗鑑賞会
にじり口を潜り小間茶室へ、やや薄暗く静かに時が流れる小間ならではの雰囲気の中で道具組を鑑賞。その後広間にて樂歴代の作品を手にとって鑑賞できます。(呈茶はありません)。

開催日:2019年5月18日(土)、6月15日(土)、7月13日(土)
会費:3000円(展覧会もご覧いただけます)
※要予約。2ヶ月前から電話にて予約受付。但し、2ヶ月前の予約日が月曜日にあたる場合、予約開始は次の日の火曜日から。

2 特別鑑賞茶会
樂美術館の茶室で収蔵作品を使って催される茶会。300年余り昔の古い樂茶碗も使用し、展示ケース越しでは味わえない茶碗の醍醐味を味わえます。15代樂吉左衞門さんが亭主をつとめ、作品解説など楽しい会話がはずみます。

開催日:2019年5月12日(日)、6月9日(日)、7月7日(日)
申込方法:開催日1ヶ月前より電話予約。
※時間、会費は会によって異なります。
※開催日は変更になる場合があります。

3 親子でお茶一服
親子・孫で楽しむお茶会。
樂茶碗で飲むお茶を味わって、茶碗の手触りを体験。おいしいお菓子もいただけます。席主 樂扶二子さん(当代吉左衞門夫人)がやさしく解説してくれます。

開催日:2019年3月3日(日)、5月5日(日・祝)
時間:11時~、13時30分~
会費:中学生以下無料、保護者3000円(入館料含む)
申込方法:開催日3ヶ月前より電話予約
※中学生以下のお子様が対象。

4 親子で見る展覧会
館長・十五代樂吉左衞門さんが解説するワークショップ。様々な道具に実際に手でふれることができます。(呈茶はありません)。

開催日:2019年8月11日(日・祝)
会費:中学生以下無料、
保護者900円(入館料含む)
申込方法:開催日3ヶ月前より電話予約
中学生以下のお子様と保護者の方が対象。

年4回、樂焼と茶道美術の企画展も開催

  • 新春展:樂焼・茶道工芸美術による新春にちなんだ華やかな展覧会
  • 春期特別展:樂焼450年、歴代の代表作が一堂に並ぶ樂歴代展。
  • 夏期展:樂って何だろう!? 様々な切り口から樂焼世界を探求できる子供たちにも理解しやすい楽しい展示(一部展示物に手をふれることもできる)
  • 秋期特別展:樂焼、茶道美術を中心にした特別企画展。

左/陳列された茶碗の別カットの高台や見込みが見られたり、詳しい作品解説が読める貸し出し無料のタブレット。右/イベントがおこなわれる茶室。本格的な数寄屋のなかで、貴重な樂茶碗を手にとって鑑賞できる。

◆樂美術館
住所:京都市上京区油小路通一条下ル
開館時間:10時~16時30分(入館は16時まで)
定休日:月曜休(祝日の場合は開館、展示替え期間休)
電話番号:075-414-0304
公式サイト

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