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Gourmet
2019.12.09

銀座の名店「資生堂パーラー」のカレーライス 本格レシピをご紹介

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野菜は影も形も無くなり、甘みとうまみだけが残る

資生堂パーラーは昭和3(1928)年にレストランを営業しはじめた当初から、カレーライスをメニューに載せていました。当時のメニューには「チッキン カリー ライス」と「カリー ライス」が載っています。そのころは鶏肉が高級とされていたので、前者は70銭、牛肉入りの後者は50銭と、チキンカレーのほうが高価でした。ちなみに昭和5年のうな重の値段は60銭、映画は40銭、町のカレー店のカレーは10銭から12銭。資生堂パーラーのカレーの値段はうなぎと同じくらいで、それはそれは高級なカレーでした。
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資生堂パーラーでは、昭和の中ごろに今のような色の濃いルーができました。肉をはじめとする具は、別途火を通して最後にカレーソースと合わせます。以来40年間、カレーは同じようにつくられてきました。
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今は、飛驒牛を使ったビーフカレーライスが一番の人気です。そのほかに、平牧三元豚を使ったスパイシーな「とろとろに煮込んだ三元豚カレー」、野菜がたくさん入った「グリルした野菜カレー」があり、資生堂パーラーのビルができた記念としてつくりだした1万円のカレーは、多い月で100皿以上出ます。鮑と伊勢海老が入っていて、それになじむように、ルーにも鮑と海老のエキスが合わせてあります。カレーは4、5階のレストランで提供しています。
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ビーフカレーをつくってみましょう

1.玉ねぎ、にんにく、しょうがを素揚げする

玉ねぎ、しょうが、にんにくを薄切りにし、この順番にラードで揚げる。揚げる温度は高温から低温へと調節する。玉ねぎは、淡いきつね色になるまで10分ぐらい揚げると甘みが出る。しょうが、にんにくは香りが出る。にんにくは焦げやすいので注意する。香りが移った油は、カレールーをかくときに使う。
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2.カレー粉と小麦粉を炒めてカレールーをかく

小麦粉とカレー粉の4分の3を合わせ、1で使ったラードで炒めて色をつける(ルーをかく)。カルダモン、クローブ、コリアンダー、クミン、ナツメグ、ベイリーフ、タイム、セージなどスパイス類をすり鉢で細かくする。ルーの温度を下げてから残り4分の1のカレー粉とスパイスを加えて混ぜ合わせ、1~2日寝かせる。
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3.りんごとミルポワ、カレールーを入れて、煮込む

食感の微妙な違いにも敏感な日本人。ぷるぷる感ひとつとっても、寒天、本葛、本わらびなどの違いがわかり、用途や好みで使い分けてきました。ところが本わらび粉などはとれる分量が限られており、生産量は激減。本物の食感が失われつつあります。
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4.2~3時間煮込み濾し器で濾す

〝スチームケトル〟と呼ばれる攪拌棒付きの鍋で、2~3時間煮込む(家庭でつくる場合は、焦げないようにスパテラで混ぜ続ける)。野菜やりんごが煮溶けたら、濾し器で濾す。まず粗い目の濾し器で濾した後、中目の濾し器でさらに濾して、なめらかにする。これでカレーソースのベースができあがる。
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5.醬油などで調味してさらに煮る

四のカレーソースのベースに、ウスターソース、醬油、砂糖、塩、無塩バター、マンゴーチャツネを入れて、味を調える。チャツネは味をまろやかにするため、バターは照りを出すために入れている。調味料を入れたあと、さらに煮ながらよく混ぜる。1~2日寝かせて、味をなじませ、口当たりをやわらかくする。
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6.カレーソース風味のブイヨンで煮た牛肉を合わせる

飛驒牛の肩肉(ブロック)をフライパンで焼き、こんがりと焼き色をつける。カレーソースの風味をつけたブイヨンで煮込む。煮くずれるので別に煮る。食べたときにソースと肉が調和するように、カレーの風味をつけておく。この肉を食べやすくサイコロ状に切って、温めたカレーソースの中に入れ、軽く混ぜる。
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-2013年和樂8・9月号より-