夏の京都で、仁和寺の観音様と出合う旅!「観音電車」運行情報付き

夏の京都で、仁和寺の観音様と出合う旅!「観音電車」運行情報付き

人気の衰えない京都観光ですが、暑い時期は苦手と敬遠する人もいるようです。そんなオフシーズンならではのキャンペーンがあるのをご存知でしょうか。京都市と、公益社団法人京都市観光協会、西日本鉄道株式会社がタッグを組んで、7月から多彩なイベントが予定されています。京福電気鉄道株式会社や京阪バス株式会社などとも連携を行い、地域に根ざした奥深い京都が味わえる事業です。

仁和寺金堂前でオープニングセレモニー

門川市長をはじめとする関係者によるオープニングセレモニーが、世界文化遺産・真言宗御室派総本山仁和寺にて開催されました。観光キャンペーンでは、文化財の特別公開が目玉となっています。その内の1つである金堂の御開扉がおごそかに行われ、幕開けを祝いました。

仁和寺 夏の特別公開情報

雅な宮殿建築 国宝「金堂」と、重要文化財「経蔵」

仁和寺は、代々皇族から住職を迎えた門跡寺院です。慶長年間造営の御所の紫宸殿(ししんでん)を移築した国宝、金堂は、桃山様式の宮殿建築の雅な佇まい。天井が高く、壁に「浄土図」が描かれた荘厳な堂内には、本尊阿弥陀三尊像や四天王像、帝釈天像などが安置されています。また、経典を収蔵する八角形の輪蔵(回転式書架)を持つ重要文化財の経蔵も、今回特別公開されます。寛永18年に建立された建物で、内部の美しい色彩を留めている彫刻や壁画を間近に見ることができます。この輪蔵には、慶応元年に完結した天海版一切経が納められています。

公開期間:9月30日(月)まで公開
時間:10時~16時半(受付は16時まで)
料金:大人600円、小学生300円
(9月2日~9日は拝観休止、9月23日は12時からの公開)

普段は非公開! 重要文化財「観音堂」

最も大きな話題となっているのは、重要文化財・観音堂の公開です。約370年前の江戸時代初期に建立された観音堂の堂内は、通常非公開とされています。それは仁和寺の修行僧が日々、厳しい修行の場としていることや、真言密教の最重要儀式である「伝法灌頂」(でんぼうかんじょう)が行われる大切な場所だから。老朽化が進んでいたのを、6年にわたり半解体修理が行われ、この度の修復工事完了を記念し特別公開が開催されることとなりました。「観音堂は修行の場なので、通常は公開が難しいです。是非、この機会にお参りして欲しいですね」と仁和寺執行の大石隆淳さん。この期間以降の一般公開は未定だそうです。

きらめく千手観音菩薩、33体の仏像

写真協力 仁和寺

観音堂の中に入ると、本尊・千手観音菩薩立像を中心に33体の仏像が並ぶ様子は圧巻です。正面に一段高く設けられた須弥壇(しゃみだん)があり、中心の千手観音菩薩の両脇には不動明王と降三世明王像。前には風神、雷神像が並び、千手観音菩薩の眷属として、二十八部衆立像が祀られています。一際輝く千手観音菩薩は、千のように多くの手で余すことなく、人々に手を差し伸べてくれているとか。「観音様を思い浮かべると、悩みが消えると言われています」と大石さん。特別公開の期間だけ「千手ひも」が千手観音菩薩の御手と繋がっています。堂外まで繋がるひもを握ってお祈りすると、願いを後押ししてもらえそうです。

初公開! よみがえった幻の観音障壁画

写真協力 仁和寺

江戸時代前期に活躍した絵仏師、木村徳応(とくおう)らが再建時に描いた障壁画が、柱や壁に極彩色で描かれていて、目を奪われます。約370年以上の年月を経ていると思えない鮮やかさです。上部には観音菩薩が様々な姿に身を変えて人々を救う「三十三応現身図」が描かれ、下部で特に目を引くのは、生前の行いによっていずれかに導かれるという、地獄道・餓鬼道・畜生道・修羅道・人間道・天人道の「六道図」。報いを受ける人々の生々しい描写は、真に迫っていて引き込まれます。ほんのりとした灯りの中で、仏教の世界観を堪能することができます。

公開期間:~7月15日(月・祝)、17日(水)~9月1日(日)、9月7日~11月24日(日)の期間公開
時間:9時半~16時半(受付は16時まで)
(宗教行事により、拝観時間が制限される場合があります。詳しくは公式ホームページに記載)
料金:大人1000円(記念品付き) 高校生以下無料
会場: 総本山 仁和寺 (京都市右京区御室大内33番地)境内
公式ホームページ

その他の文化財公開情報は、京都市観光協会ホームページで調べられます。

期間限定運行中! 「嵐電・観音電車」

嵐電では、仁和寺で観音堂を特別公開する11月24日(日曜)まで、期間限定で「嵐電・観音電車」を運行しています。

写真提供 京福電気鉄道株式会社

車両は1台のみで運行時間も日々変わるため、運が良ければ乗車できるかもしれません。車体側面のラッピングは、千手観音菩薩が大きく描かれたデザイン、反対側は千手観音菩薩と観音堂の仏像数躰が並ぶデザインと左右で違います。京福電気鉄道広報宣伝担当の牧田充史さんは、「仁和寺さんの観音堂が6年に及んだ修復期間を終えて特別公開されているので、車内で観音堂の再現をテーマにしました」。

熱意から生まれたインパクトある車内装飾

写真提供 京福電気鉄道株式会社

観音電車は車内の凝った装飾が特徴的です。壁面のいたる箇所に観音障壁画の画像が描かれ、天井にも、千手観音菩薩が描かれた散華(さんげ)が。何より驚かされるのは、千手観音の手がデザインされた吊り広告部分です。ツイッターなどソーシャルネットサービスでも話題になっています。「千の手で人々を救う観音様が、手を差し伸べておられるイメージでデザインしました。このような観音電車のデザインで興味を持って下さった若い人達が、仁和寺へお参りして頂けると嬉しいですね」と牧田さん。仁和寺の観音堂では写真撮影ができませんが、観音電車では可能です。運良く乗車できたら、京都観光の良い記念になりそうです。

映画と縁が深い「御室仁和寺駅」

「京都駅」から「太秦駅」まで約16分乗車し、嵐電(京福電気鉄道)に乗り換えて「撮影所前駅」から「御室仁和寺駅」までは約5分。駅を出れば、真正面に仁和寺の二王門が見えます。嵐電沿線には、かつて多くの映画撮影所があり、この「御室仁和寺駅」は撮影時にセットとして使われた名残だそうです。駅舎正面に掲げられた額には旧名「驛室御」と、旧字体・右横書きの旧駅名の文字。この額も当時の映画撮影で使用されたものだと言われています。京都市街を走る路面電車、通称嵐電を舞台にした映画が全国で公開中です。鈴木卓爾さん監督、井浦新さん主演の映画・「嵐電」は、嵐電界隈に住む人たちの協力を得て撮影されました。この「御室仁和寺駅」もロケ地に使われ、スクリーンで見ることができます。

この季節ならではの京都の魅力

「この時期は緑の美しさが味わえますし、寺を入り口にして仏教美術に関心を持ってもらえたら嬉しいですね。嵐電を使うと『御室仁和寺駅』の隣が『妙心寺駅』で、妙心寺にお参りすることができます。色々な寺を巡るのもいいと思いますよ」と、仁和寺拝観課課長の金崎義真さん。妙心寺春光院では、8月4日(日)まで京狩野の絵師、狩野永岳の作と伝わる金碧障壁画や、庭園の夜間特別公開を行っています。その他にも様々な建築、庭園などの文化財が公開されています。この機会に夏の京都の魅力に触れてはいかがでしょうか。

仁和寺の中庭

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