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2024.05.06

京都の人は実はパンが大好き! その理由を創業105年の「大正製パン所」で聞きました・前編【京都人の愛する「街のパン屋さん」1】

和食のイメージが強い京都ですが、実は1世帯当たりのパンの消費量は全国有数というパン好きの街。 そんな京都で、地元の人々に愛され続けるパン屋さんを探してみると、パン職人の店主が家族らと営む、小さな名店に出合いました。 こだわりをもち丁寧にパンをつくり続ける店主の心構えを受け継ぐ〝職人気質のパン屋さん〟こそ、京都の底力であり魅力です。 その代表的な名店である西陣の「大正製パン所」で、京都のパン事情を教えてもらいました。

左から1番目、河戸舜二さん(77歳)は職人歴50年以上。2番目、「中種法(なかだねほう)」という製法でつくる食パンも人気。3番目、白あん入りの「京のメロンパン」ラグビーボール型で抜く。4番目、街の方々からも頼りにされている晴美さん。

ハイカラ好みの人々が育てた京都の〝街のパン屋さん〟

京都はパンの消費量だけでなく、パン屋さんの数でも全国トップクラス。言わば、大のパン好きの京都人ですが、この街がパンと歩んだ歴史は独特です。

16世紀、鉄砲やキリスト教とともに日本に伝わったとされる西洋風のパンが、本格的に広まったのは明治時代以降。まず横浜や神戸、函館など港町を中心にパンが普及し、京都には神戸から商人を通して伝わったといいます。

「大正製パン所」は大正8(1919)年、京都のパン屋創生期に開業。京都の「3大レトロなパン屋さん」のひとつに数えられ、名物はカレーパンやクリームパン、惣菜パンなど。根強いファンが多い店です。店があるのは西陣地域の一角。高級織物の代名詞で、公家や武士、裕福な町人らに重宝され育まれてきた西陣織で知られる、古くからの織物の街には、大正から昭和にかけて多くの織屋がありました。

左/人気の「フランクロール」310円はカレー風味のキャベツが利かせ味。右/白あん入りの「京のメロンパン」210円。

西陣の旦那衆も職人も、たちまちパンのとりこになった!

「パンがまだ珍しかった時代、店をよく利用してくれたのは西陣の旦那衆だそうです。ハイカラだったのですね」と語ってくれたのは、黙々とパンづくりに勤しむ3代目主人河戸舜二(かわとしゅんじ)さんと店を営む、妻の晴美さん。

京都人のパン好きの源流をつくったといわれるのが、西陣の旦那衆。目も舌も肥えた旦那衆だけでなく、「パンは手軽に食べられてお腹を満たしてくれるし、汁気がなくて織物を汚しにくい」と、職人たちにも好評だったのです。「あんパンやクリームパン、ジャムパンを番重(ばんじゅう)という木箱いっぱいに並べると1段で80個。主人が学生だったころも、織子(おりこ)さんのおやつに、夜食に…と、毎日配達していたそうです」。

珈琲の消費量も日本一、喫茶店文化も浸透しているハイカラ好みな京都で、手軽で合理的なパンが人々の生活のなかに定着したのは必然だったのかもしれません。

店舗情報

大正製パン所 たいしょうせいぱんしょ
住所:京都府京都市上京区今出川通千本東入ル般舟院前町136
電話:075-441-3888 
営業時間:8時30分~18時(売り切れ次第終了)
休み:日曜・月曜・祝日休 
公式サイト:https://taishoseipan.wixsite.com/info
●京都府庁付近で店を開いた「大正製パン所」は大正10年に現在の地に移転。上の白黒写真は昭和時代の外観(写真は河戸さん提供)。

撮影/伊藤 信 構成/川村有布子
※本記事は雑誌『和樂(2022年4・5月号)』の転載です。
※掲載商品は税込価格です。
※営業日や時間等に変更の可能性がありますので、お出かけの際は最新情報をご確認ください。

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和樂web編集部

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