Travel

2026.01.05

これぞ花街の出前寿司! 京友禅のごとく、彩り豊かに。京都「いづう」の『京ちらし寿司』【初春に味わう「ちらし寿司」1】

「ちらし寿司」はにぎり寿司に比べると一見地味な印象ですが、実は面白い秘密がいっぱい。関西では生ネタは一切ナシで箱寿司や押し寿司の延長にその味があり、関東では「ばらちらし」と呼ばれる独自の食べ方が好まれます。その土地の食文化を反映したハレの日のごちそう「ちらし寿司」大研究の最初は、京寿司の老舗「いづう」の美しき『京ちらし寿司』をご紹介します。

京都一の花街で育まれた美学が寿司の隅々に「いづう」【京都・祇園】

職人の超絶技巧で華麗に魅了する「いづう」の寿司。
類いまれなる手わざは、この店が天明元(1781)年に京都一の花街・祇園町で創業し、お茶屋さんへのお届けから商いが始まったことに由来します。

宴席に料理と共に華を添える寿司でありたい。
そこで、人々の目を惹くための寿司の見え方、盛りつけ、うつわの選び方に工夫を重ねてきました。

「京ちらし寿司」の見どころをひとつに絞るなら、錦糸玉子でしょう。
長寿を祝う意味を込めて細く、長く切られた玉子焼が、〝山ではなく丘〟のように、惜しみなく、ゆったりと盛られています。

溶き卵は卵黄多めの配合に当代から変更。極細の錦糸玉子でも色が強い


「玉子の下の寿司飯は、焼いた白身魚(この時期は鰆〈さわら〉、夏は鱧〈はも〉)と椎茸(しいたけ)が混ぜてあり、その上に海苔(のり)。寿司飯にしっかり味と食感があるんですね。そのぶん、錦糸玉子は、ほぼ卵の味だけに。ホワホワーッとした玉子の食感も生きてくるんです。昔からあるお寿司ですが、よく考えられたレシピです」と8代目当主・佐々木勝悟(しょうご)さん。

写真は宴席用の大きな食籠(じきろう)ですが、店内飲食の場合も、丸い漆塗りのうつわで提供されます。
「四角いと、お弁当みたい。昔も今も、寿司はごちそうですから。丸いうつわは品があっていいです」とこだわりを見せる佐々木さんです。

これぞ花街の出前寿司! お座敷の花に負けない華麗な寿司の姿です

「京ちらし寿司」。錦糸玉子の上は、鯛と海老、いか、きくらげ、木の芽。京友禅のごとく、彩り豊かに散らした具材の美しさに惚れ惚れ。錦糸玉子はすすって、のど越しを楽しむ。写真は5人前16,500円、1人前は3,300円(以上、店内価格)。

持ち帰り用も美しい!

杉の折箱入り。紅生姜は専用の陶器に収められている。写真は5人折詰19,116円、1人折詰は3,834円(以上、折代含む)。

いづう

住所:京都府京都市東山区八坂新地清本町367
電話:075-561-0751
営業時間:持ち帰り11時〜22時(日曜・祝日は21時まで)、店内飲食は21時30分までの提供(日曜・祝日は20時30分まで) 
休み:火曜(祝日・祭事の際は営業)
公式サイト:https://www.izuu.jp/

※本記事は雑誌『和樂(2025年4・5月号』の転載です。
※掲載価格はすべて税込です。
※価格や営業時間などは2026年1月現在のもので、変更される場合もありますので、あらかじめ公式サイトなどでご確認ください。
Share

和樂web編集部


撮影/長谷川 潤 構成/藤田 優
おすすめの記事

〝値打ちある〟納得のおいしさ。「蛸八」【京都〝最新〟うまい店・和食編3】

和樂web編集部

また会いたくなるバーテンダーがいるから何度も通う。 京都のBAR その1「BAR YANAGI」(夷川通)

和樂web編集部

ひな菓子って絶滅寸前? ひな飾りに添える「ひな菓子」を作り続ける「鍵善良房」の「ひな篭」はこれまた手仕事の結晶だった

藤田 優

“着物にハンガリー刺繡”がかわいい♡ ハンガリー刺繍作家Andiさんに聞く、新しい着こなしの魅力

給湯流茶道

人気記事ランキング

最新号紹介

2,3月号2025.12.27発売

これぞ国宝! 坂東玉三郎

※和樂本誌ならびに和樂webに関するお問い合わせはこちら
※小学館が雑誌『和樂』およびWEBサイト『和樂web』にて運営しているInstagramの公式アカウントは「@warakumagazine」のみになります。
和樂webのロゴや名称、公式アカウントの投稿を無断使用しプレゼント企画などを行っている類似アカウントがございますが、弊社とは一切関係ないのでご注意ください。
類似アカウントから不審なDM(プレゼント当選告知)などを受け取った際は、記載されたURLにはアクセスせずDM自体を削除していただくようお願いいたします。
また被害防止のため、同アカウントのブロックをお願いいたします。

関連メディア