大河ドラマ『豊臣兄弟!』で、織田信長の居城として描かれ、秀吉、秀長兄弟もここから武士としての人生をスタートさせたと言われる清州城。その城郭跡は残っていませんが、平成元(1989)年に模擬天守が再建され、現在は名古屋駅から近いこともあって、歴史好きはもちろん、五条川堤防や清洲公園など美しい景観を楽しめる名古屋の観光スポットとなっています。
さらに、この清州城は織田信長、豊臣秀吉、徳川家康、それぞれのターニングポイントに大きく関わっている城としても注目されています。大河ドラマ『豊臣兄弟!』をより楽しめる清州城の魅力をたっぷりとご紹介します!
桶狭間の戦いを制し、尾張一国を治めた信長の居城
清州城の歴史は古く、その始まりは室町時代にまで遡ります。当時、尾張国の守護だった斯波義重(しばよししげ)が応永12(1405)年に別邸として建てたのが、清州城の始まりといわれています。しかし戦国時代になり、尾張国で権力を握ったのが、守護代の織田氏でした。清州城は「織田大和守家」(おだやまとのかみけ)が居城としていましたが、父、織田信秀(のぶひで)から家督を継いだ信長は、清州城主だった織田信友(のぶとも)を討ち、弘治元(1555)年に那古野城(なごやじょう)から清州城へと入城します。そしてその5年後、永禄3(1560)年には、今川義元(いまがわよしもと)との合戦が繰り広げられる「桶狭間の戦い」へとここから出陣したのです。25000人といわれた今川軍を10分の1ほどの軍で破ったと伝えられる織田軍にとって、清州城はまさにパワースポットともいえるのではないでしょうか。ここから信長の天下統一への一歩がスタートしたのです。
激動の戦国時代、当時の戦いの様子が体感できる
清州城は、信長だけではなく、秀吉、家康にとっても重要な関わりのあった城でした。明智光秀による謀反で、信長亡き後、すぐさま家督相続を決める会議が清州城で開かれます。これがかの有名な「清州会議」です。この結果、秀吉が後見人となった三法師、後の織田秀信(のぶひで 信長の嫡孫)が家督を継ぎ、柴田勝家(しばたかついえ)ら家老たちが推す信長の次男、信雄(のぶかつ)は清州城主となりました。ここで主導権を握った秀吉にとって、清州城は天下統一への足掛かりとなったのです。現在の清州城3階では「桶狭間の戦い」や、「長篠・設楽原(したらがはら)の戦い」「清州会議」といった三英傑が挑んだ戦や歴史の分岐点を歴史シアターで楽しめます。
覇者徳川家康が名古屋城へと転換させた「清州越」
清須の町は河川流域にあったことから都市として発展してきました。古くは弥生時代にもこの場所は名古屋の中心として栄えていたそうです。1970年代の発掘調査で、現在、朝日遺跡として様々な出土品が展示されています。しかし、江戸時代、河川の氾濫が多く、被害も大きかったことから、徳川家康が慶長15(1610)年に清州城を廃城し、名古屋城築城を命じます。これが「清州越(きよすごし)」と呼ばれたもので、町の機能、建物などすべてを名古屋城下へと移すことになりました。清州城の一部も名古屋城へと移築され、それが現在残っている西北隅櫓(いぬすみやぐら)で、清州櫓とも呼ばれています。
歴史を築いた清州城跡は、風光明媚な観光スポットに
清州城の城郭は史料が残っていなかったのですが、先述した朝日遺跡の調査により、戦国時代の城郭跡も明確になり、遺品も数多く出土し、当時の栄華を知ることができるようになりました。これらの出土品は、1階の展示ルームで見ることができます。また、現在の天主閣4階からは、濃尾平野が一望でき、元旦には初日の出を拝む人でにあふれます。3月下旬から4月上旬には、清洲城桜まつりと称し満開の桜を楽しめます。10月には、清洲城信長まつりを開催。最近では、映画『千と千尋の物語』の舞台を彷彿させる映えスポットとしてもSNSで人気を呼び、外国人の観光客で賑わっています。三英傑の黄金期を知るこの地で、歴史や風情溢れる情景に触れ、戦国への思いを馳せてみてはいかがでしょう。

アイキャッチ:清州城 清須市役所 市民環境部 産業課提供
参考文献:『天下人の城』千田 嘉博【編著】風媒社、『信長と家臣団の城』中井均 角川選書 清須市観光協会webサイト
清州城 基本情報
住所:愛知県清須市朝日城屋敷1-1
開館時間:9:00〜16:30
休館日:月曜日(月曜日が祝日・振替休日の場合は翌平日)
年末(12月29日・30日・31日)は休館いたします。
(但し、桜の花見期間など臨時営業する場合もあります)
入場料:大人400円 小人(中学生以下)200円 幼児無料
アクセス:<電車>名鉄名古屋本線「新清州」駅下車、JR東海道線「清州」駅下車、徒歩15分。
<車>名古屋高速道路「清須出口」より5分
※清洲城駐車場(普通車7台) 清洲公園駐車場(普通車113台・バス9台) ※無料.
※清洲城天主閣は、1階~4階まで階段のご利用になります(エレベーターはありません)。

