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2019.11.28

徳島旅行で訪れたい。日本三大秘境「祖谷(いや)」かずら橋や琵琶の滝を巡る旅

この記事を書いた人

日本三奇橋の1つ「かずら橋」。
橋好きの私は、渡らずにはいられません!
そして、このかずら橋がある祖谷(いや)は、日本三大秘境の1つ。
秘境好きの私が行かないわけがありません!

さらに奥秘境の奥祖谷まで足を運んだ今回の旅は、酷道!酷道!酷道!の連続。
でも、平家の落人伝説を現地に着いて後から知ると、この地へ足を運ぶ道が酷道であるのにも意味があり、あえて酷道のままなのかもしれない…とも今は思っています。

今回は、徳島県三好市にある「祖谷」の魅力を平家の落人伝説と共にご紹介します。

日本三大秘境の1つ「祖谷」


岐阜県大野郡の「白川郷」、宮崎県東臼杵郡の「椎葉村」に並び、日本三大秘境の1つになっている徳島県三好市にある「祖谷」というエリアには、平家の落人伝説も残っているので、この伝説にまつわる観光地も数々あります。

西祖谷は一般の観光客でも訪れやすい秘境


祖谷のエリアを西祖谷と東祖谷に分けて見ると、秘境でありながらも車でアクセスしやすい西祖谷は観光でも人気のエリアとなっています。このエリアには、紅葉の名所としても有名な美しい渓谷「大歩危小歩危(おおぼけこぼけ)」や「祖谷渓(いやけい)」、西祖谷で大人気の観光スポットとなっている平家ゆかりの観光地の1つ「祖谷のかずら橋」などがあります。

「酷道ヨサク」の先にある奥秘境「奥祖谷」


一方、東祖谷は、「奥祖谷」と呼ばれていることからも、西祖谷よりもアクセスが悪い山奥にあります。
車がなんとか1台通れるくらいの田舎の山道ならではのクネクネ道が延々と続くので、対向車が来たら冷や汗が止まりません…。そんな車のすれ違いも大変難しい山道がずっと続くことから、それなりの運転テクニックが無いとたどり着けないほど大変な酷い道となっています。
そう、この道は、日本でもトップクラスの酷道(こくどう)として有名な国道439号線!
秘境マニアや道路マニアの間では、通称、「酷道ヨサク」とも呼ばれているとのこと。

そんな理由もあり、奥祖谷まで訪れる観光客は、西祖谷に比べて少ないのが現状のようです。
しかし、奥祖谷には、「奥祖谷のかずら橋」や「剣山」をはじめ、奥秘境ならではの観光スポットや非日常的な絶景もいっぱい。
最近は、自分で運転する自信が無い方でも奥祖谷観光を楽しめる「観光タクシー」も登場し、人気もあるようです。

祖谷の平家伝説とは?

秘境エリアとして有名な「祖谷」には、こんな伝説が残っています。
1184(寿永3)年に屋島の合戦で負けた平家一族は、翌年、壇ノ浦に追い詰められて、平家の猛将こと、平経教(たいらののりつね)や、まだわずか6歳の安徳天皇も海に入水して、平家は滅んだと言われています。

しかし、実際に亡くなったのは影武者で、平経教は源氏の追手から隠れるために初名である平国盛と自身を名乗って、100名近い部下と共に安徳天皇を密かに守りながら祖谷地方に逃れてきたという伝説が、このエリアには残っています。
その証拠に、祖谷エリアには、平家の落人伝説ゆかりのスポットも数々残っています。

「祖谷」の平家の落人伝説ゆかりの地

現存するのは日本でたった3本!かずら橋とは?


平家の落人伝説ゆかりのスポットとして、観光でも大人気のスポットの1つが「かずら橋」。
かずら橋とは、平家の落人が、源氏の追手が侵入して来るのを防ぐために作ったとされる吊り橋で、敵の侵入を自分のエリア内で察知したらすぐにいつでも橋を切り落とせるようシラクチカズラ(サルナシ)のツタで編まれているのが大きな特徴です。

昔、祖谷エリアには、7本から13本程のかずら橋があったと古文書には残っていますが、現存するのは、日本でわずか3本だけ!とのこと。
現在、西祖谷の「祖谷のかずら橋」に1本、東祖谷の「奥祖谷二重かずら橋」に2本あります。

かずら橋は、3年に1度のペースで安全上の理由から掛け替えをされています。
しかし、1度の掛け替えで必要なシラクチカズラ(サルナシ)のツタの量は、何と6トン近くとかなりの量!
この資材確保が年々難しくなってきているのが大きな課題となっているようです。

国の重要有形民俗文化財「祖谷のかずら橋」


西祖谷エリアにある観光客にも大人気の「祖谷のかずら橋」は、全長45m、幅2m、川面からの高さは14mあります。
日本国内でも希少なこの橋は、現存する3本の中でも1番大きな橋で、国の「重要有形民俗文化財」にも指定されています。
また、その珍しさと希少さから、山口県の「錦帯橋」、山梨県の「猿橋」と並び、「日本三奇橋」の1つにもなっています。


このつり橋は橋板となっている横木の間隔が結構あるので、下を見るとゾクッ!と縮み上がってしまう人も少なくありません。
そして、結構揺れるので、恐怖を感じたら、下を見ずに前を向いて歩くのがポイント。
でも、橋から眺める景色はとても素晴らしいので、足元よりも遠くを見て、この橋からならではの絶景もぜひ、楽しんでみてください。

紅葉の名所としても人気


紅葉の名所としても人気がある「祖谷のかずら橋」。
周辺にも数々の紅葉の名所があることから、この橋から眺める紅葉の美しさも最高です。
紅葉の見頃は、11月の上旬から中旬頃のようですが、温暖化の影響で見頃が少しづつ後にずれ込んできているとのことです。


また、「奥祖谷の二重かずら橋」とは異なり、冬場も営業を行っているので、秋の他にも四季折々の絶景を楽しめるのも魅力。
春は藤の花、夏は美しい新緑、冬は雪景色も楽しめます。

夜間ライトアップも見逃せない

毎晩午後7時から午後9時までは、かずら橋がライトアップされます。この時間帯は橋を渡ることができませんが、日昼とは異なり暗闇に浮かび上がる幻想的なかずら橋の光景も人気です。

祖谷のかずら橋 基本情報

住所:徳島県三好市西祖谷山村善徳162-2
電話番号:0120-404-344(三好市観光案内所)
営業時間:日の出から日没まで(年中無休)
料金:大人550円 子ども350円
駐車場:かずら橋夢舞台 市営駐車場 (普通車300台収容可能)
普通車500円、バイク210円

「琵琶の滝」の平家の落人伝説


「祖谷のかずら橋」から徒歩ですぐ(距離にして50mほど)の場所には、落差50mもある美しい「琵琶の滝」があります。

当時、身を隠していた平家の一族が、かつての古都の生活の良き思い出にひたりながら、この滝の下で琵琶を奏でて祖谷での潜伏生活での辛い日々を慰めあっていたという伝説が残っています。

滝自体も非常に美しいですが、滝つぼの水もとても透明度が高いので、その美しさにも癒されます。そこに琵琶の音もあったことを想像しながら、ぜひ、こちらにも立ち寄ってみてください。

「剣山」エリアへ向かう酷道からの絶景は奥秘境ならでは


「祖谷のかずら橋」から酷道こと、国道439号線を悪戦苦闘しながら「奥祖谷二重かずら橋」へ向けて1時間以上、車で走り続けていると、「剣山」エリアへ向かう上りの山道へ入って行きます。酷道だけでうんざりしていたのに、今までの人生で経験したことの無い物凄いヘアピンカーブの連続!が容赦なく待ち伏せしていました!!
日光のいろは坂どころではありません!

でも、ありがたかったことに、この上りの山道に入ってからの道中は他に全く車が無かったので、超マイペースに景色を楽しみながら走行。

このエリアには更に美しい自然が周囲に溢れており、名もなき美しい滝もいっぱい。
何度も車を停めては、写真を撮ったり、自然を楽しんだりと奥秘境ならではの贅沢な時間も満喫できました。

「剣山」の平家の落人伝説


「剣山」と言えば、平国盛と安徳天皇は、平氏の復活を祈願して三種の神器の1つとなっている宝剣の天叢雲剣(あめのむらくものつるぎ)をこの山の山中に納めたという伝説も残っています。
そして、この山の山頂には、源氏と再び戦って勝利し平氏の復活を行える日を目指し、戦いに備えた馬乗りや武術の稽古を行う平家の馬場があったとのことです。

奥祖谷にひっそり佇む「奥祖谷二重かずら橋」


今から800年くらい前の鎌倉時代、その「剣山」の山頂にある平家の馬場へ訓練に通うために架けられた橋が「奥祖谷二重かずら橋」とのことです。
標高1000mもの高地にある深い谷底にひっそりと隠れるように位置しているこのスポットには、「二重かずら橋」という名前からも分かるように「男橋」と「女橋」の2本のかずら橋がかかっています。

より当時に近いかずら橋を体験できる「奥祖谷二重かずら橋」


「奥祖谷二重かずら橋」で、まず、最初に登場するのが、全長42m、幅2m、川面からの高さは12mの「男橋」。そして、この橋を渡り切って、左の道を行くとすぐに「女橋」が登場。この橋は、全長22m、幅1.5m、川面からの高さは5mなので、高所恐怖症の人もチャレンジしやすいはず。

こちらにある2つのかずら橋は、奥祖谷というアクセスのしづらさから観光客の数も限られているので、ワイヤーでの補強が最低限のみにとどめられているので、より当時の本物に近いかずら橋を体験できるのも魅力。
また、祖谷のかずら橋は、渡るのは1度のみで、渡った後は別の橋を渡って戻るので往復することはできませんが、こちらのかずら橋は、男橋も女橋も好きなだけ何度も往復し放題!で楽しめます。

さらに、標高1000mもの高地にある深い谷底となっている渓谷に位置していることから、男橋も女橋も周囲は美しい原生林に囲まれているので、美しい紅葉時期もおすすめです。
橋の下には祖谷のかずら橋と同様に祖谷川が流れていますが、こちらは源流から近いので水の透明度も非常に高く、とても美しいです。

人力ロープウェイ「野猿」にもチャレンジ!

「女橋」から徒歩ですぐの場所にあるのは、人力ロープウェイこと「野猿」。
「屋形」というカゴに乗って、ロープを手でたぐり寄せるように引っ張りながら、祖谷川の反対岸へ渡れます。

野猿は、昔の祖谷の人々の川を渡る移動手段の1つとなっていたものです。
半分位までは手で引かなくても自然と進んでいきますが、残りの半分は人力になるので、腕力も使います。
でも、滑りが良い滑車が使用されているので女性の平均的な体力でも十分に楽しめます。
ぜひ、野猿にもチャレンジしてみてください!

奥祖谷二重かずら橋 基本情報

住所:徳島県三好市東祖谷菅生620
電話:0120-404-344(三好市観光案内所)
料金:大人550円 小人350円
営業時間:日の出から日没まで
(ただし、12月1日から翌年3月31日までの冬季期間は、全面休業となります。)
駐車場:無料(普通車300台収容可能)

「鉾杉(国盛杉)」の平家の落人伝説

「奥祖谷二重かずら橋」がある東祖谷エリアには、「鉾神社」があります。
「鉾神社」は、平国盛が平家の守り神の鉾を祀るために建立したものです。
この神社境内には樹令800年以上もの杉の巨木「鉾杉(国盛杉)」があり、高さ50m、周囲は11mもあります。

「鉾杉(国盛杉)」には、こんな伝説があります。
100名近い部下と共に幼かった安徳天皇を密かに守りながら祖谷地方に逃れてきた平国盛でしたが、安徳天皇は高熱にかかってわずか8歳でこの世を去ってしまいました。

これに大変気を落とした平国盛は、争いで失ったものの大きさとむなしさの中で命を落とした安徳天皇や西の海に入水して自らの命を絶った平家一門全員を忍び、争いをやめることを決意。そして、平和を祈念しながら、鉾神社に1本の杉の苗を自らの手で植えたとのことです。この杉を植えたことで、このまま祖谷でこの杉の様にしっかり根を張って平国盛として生きていくことも決心したのでしょう。

この伝説から、この鉾杉は国盛杉とも呼ばれるようになり、それから800年以上経った現在の姿が、この巨木というわけです。この木は、県の天然記念物にも指定されています。


また、この近くには、平家の末裔で、祖谷で1番大きな武家屋敷「喜多家住宅」もあり、ここを訪れる人が一緒に訪ねる観光スポットにもなっています。

平国盛の平家の復活の夢は叶いませんでしたが、800年以上経った現在も平家の落人伝説がこんな秘境の地で生き続けているのは、争いのむなしさや愚かさに気づき、個を超えた苦渋の決断をして静かに「平和を祈念する」その彼の思いが時空を超えた命として、生き続けているからだと私は思います。
800年の時を超え生き続ける平家の落人伝説は、まさに平国盛の伝説。

世界の平和、宇宙の平和を祈りました。

鉾神社 基本情報

住所:徳島県三好市東祖谷大枝43
電話番号:0883-72-3910
駐車場:無料(普通車10台収容可能)

書いた人

猫と旅が大好きな、音楽家、創作家、渡り鳥、遊牧民。7年前、ノラの子猫に出会い、人生初、猫のいる生活がスタート。以来、自分の人生価値観が大きく変わる。愛猫を連れ、車旅を楽しむも、天才的な方向音痴っぷりを毎度発揮。愛猫のテレパシーと自分の直感だけを頼りに今日も前へ進む。