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Travel
2020.01.13

西表島で幻の花「サガリバナ」を見るには?見頃やツアー詳細を紹介

この記事を書いた人

サガリバナという花をご存知でしょうか。熱帯・亜熱帯に咲く花で、日本では奄美大島以南でしか見ることができません。夏の限られた期間、しかも夜に咲いて翌朝には落ちてしまうことから、「幻の花」とも言われています。
西表島(いりおもてじま)では、カヌーに乗ってマングローブのジャングルの奥に咲くサガリバナの群生地に行くツアーがあります。さすが“日本最後の秘境”と言われる西表島、冒険感この上なし!!
この季節に西表島旅行を予定している人は、ぜひ幻の花を求めてジャングルクルーズにでかけてみましょう。

時間との勝負!暗いうちに早朝出発!

西表島のサガリバナの最盛期は例年6月下旬から7月中旬にかけて(気候による変動あり)。この時期は一年で最も日が長く、明るくなるのも早いので、かなり早起きしなくてはなりません。サガリバナの鑑賞は時間との勝負。夜に咲き、明るくなると花ごと枝から落ちてしまうので、まだ月や星が見える暗いうちに急いで川へ向かいます。

写真提供:沖縄観光コンベンションビューロー

西表島でのサガリバナ鑑賞はツアーに参加しましょう

西表島で観光客がサガリバナを鑑賞するなら、ツアー参加がおすすめです。観光客がガイドなしで暗い森を歩くのは危険ですし、希少な動植物を傷つけてしまう可能性もあります。ぜひツアーに参加しましょう。

ホテルのツアーか現地のツアーか

ツアーは宿泊しているホテルが開催しているものもあれば、現地のツアー会社が開催しているものもあります。どちらが優れているとは一概には言えませんが、本気で鑑賞したいなら現地ツアーがおすすめです。ラクチンしたいなら、ホテルがいいかもしれません。小さな子どもや体力に自信のない人でも無理なく参加できる観光船でのツアーを用意しているホテルもあります。どちらにせよ、自分の好みをハッキリさせて事前に調べておきましょう。

カヌーに乗り込みマングローブのジャングルへ!

まだ薄暗い中カヌーで出発

西表島のツアー会社はたいていホテルへの送迎も行っています。このとき川へ着いた時刻は5時頃。まだ薄暗いので、河口付近からカヌーに乗り込むときは、ガイドさんの指示に従って足下に注意して乗り込みましょう。服装は、肌の露出がないものがいいでしょう。
今回お世話になったのはADVENTURE pipiさん。流れが穏やかなクーラ川を遡ります。クーラ川は川幅が狭いのでガイドさんと距離が開いてしまう可能性も低く、何かあった時にもすぐにヘルプしてもらえます。ちなみにホテルが開催している観光船でのサガリバナツアーは川幅のある仲良川(ナカラ川)で行われます。仲良川ならサガリバナの咲く上流まで観光船で連れて行ってくれます。
ADVENTURE PiPi

ちなみに二人乗りカヌーは後ろの人が頑張って漕ぐ係なので、前の人はラクチンできます(笑)

しばらくすると空が明るくなり始め、上流からひとつふたつとサガリバナが流れてきました。それに続いてバニラのような甘い香りとともに数えきれないほどのサガリバナのラッシュ!

「ああっ!もうこんなに散ってしまってる!!」と焦りながら必死に漕ぐ!

心配しなくてもこの先にサガリバナの群生地があり、まだまだ散らずに残っている花が沢山ありました(汗)。白っぽいサガリバナやピンクがかったサガリバナ。場所によっては濃いピンク色も。サガリバナの花言葉は『幸運が訪れる』。サガリバナが落ちる瞬間に願い事をしようとしている人がいましたが、あっという間にポトッと落ちてしまうので毎回失敗に終わっていました。しかも枝と水面が近いので落ちる距離が短い。流れ星に願いごとをするよりも難易度が高いような気がしますが、チャンスは無数にあります。

次から次へとポトッポトッと落ちては甘い香りを放ちながら静かに川面を流れていく様はやはり神秘的…。油断していると時々頭の上にも落ちてきてビックリさせられます。人間だけではなく虫たちもサガリバナの甘い香りに誘われて沢山集まってきますよ。

意外とカメラ泣かせな被写体。雄しべが多く繊細なのでピントが合いにくいのが難点。後で画像を確認すると、ピントが合っていないものが多数。写真は多めに撮っておくといいでしょう。

マングローブの川は、潮の満ち引きによって違った表情が楽しめます。写真ではマングローブの根元に上流から流れ着いたサガリバナが引っかかっていますね。干潮へ向かっているのです。

ジャングルの奥にも日差しが届き明るくなると、カニの仲間やハゼの仲間、地面に生きものが作った不思議な模様を見つけることもあります。

幻想的なサガリバナの世界へ

サガリバナは夜に咲いて朝には散ってしまいます。もしかしたら、今目の前にあるこの花を目にしたのは地球上に私だけかもしれない。そう考えるとさらに神秘的に思えてきます。
ぜひ夏の南の島で幻想的な体験を楽しんでみてください。

書いた人

生まれも育ちも大阪のコテコテ関西人です。ホテル・旅行・ハードルの低い和文化体験を中心にご紹介してまいります。普段は取材や旅行で飛び回っていますが、一番気持ちのいい季節に限って着物部屋に引きこもって大量の着物の虫干しに追われるという、ちょっぴり悲しい休日を過ごしております。