左/ねね様 右/移築後に小堀遠州(こぼりえんしゅう)が整えた名勝庭園「北庭」。
秀吉の正室、北政所ねねが
晩年を過ごした地に立つ「圓徳院」
NHK大河ドラマ『真田丸』で鈴木京香演じる寧は、北政所ねねの名でよく知られる豊臣秀吉の正室であり、戦国~桃山時代を代表する賢夫人のひとり。秀吉亡き後、ねねは晩年の19年間を現在「圓徳院(えんとくいん)」が立つ地で過ごしました。
ねねはこの地に、伏見城(ふしみじょう)の化粧御殿(けしょうごてん)とその前庭を移築。秀吉との思い出がつまった遺構とともに過ごしながら、秀吉の菩提寺(ぼだいじ)として建立した高台寺(こうだいじ)へと通っていたのです。
左/北書院では、「へうげもの」で知られる古田織部(ふるたおりべ)が考案した武家茶点前(ぶけちゃてまえ)で抹茶をいただくことができる。武家茶手前は千利休(せんのりきゅう)の〝わび茶〟に満足しなかった秀吉が織部に命じて考案させた武士の茶道。秀吉が大事にしたユーモアや機転、エンターテイメント性が取り入れられている。右/南庭
ねねが眺めていた庭がそのままに
当時、ねねの住まいは戦国大名はもとより禅僧、茶人などが集った文化サロンのような一面も持っていて、ねねが亡くなった後、高台寺の塔頭(たっちゅう)「圓徳院」となります。
圓徳院の庭は、ねねが眺めていた当時と変わらないまま。ねねを慕って今も多くの人が一年を通して拝観に訪れています。
今年の秋は「日本の祝祭 -Japan Gold-」に注目!
今秋、ねねにまつわる文化財とともに、日本の伝統的なお祝い事や慶事の華かさを鑑賞できる特別展「日本の祝祭 -Japan Gold-」が開催されます。近年の生活の中で省かれることが多くなった日本古来のお祝い事やハレの日をテーマにした展示と、寺宝の軸や茶器を楽しむことができます。
左/結納(ゆいのう 雪月花の間にて展示)近年、両家がそろって行う略式の結納が主流となっているが、結納飾りを置きながら赤毛氈(あかもうせん)の上に両家が並び、結納品をお飾りして家族が顔を合わせるタイミングの本来の設えを展観。右/婚礼(本堂北側にて展示) 純金の三盃(さんぱい)に白無垢(しろむく)や留袖(とめそで)、寺で行われる仏式結婚式で使用される道具を展観。
左/ひなまつり(北書院にて展示) 女児のお祭として現在でも一般的に行われるおひなまつり。お内裏(だいり)様、お雛様に市松人形を置き、表千家お家元の祝いの軸を飾る。右/端午(たんご)の節句(北書院にて展示) 武家の中で非常に重視された男児のお祭。鎧兜(よろいかぶと)に提灯(ちょうちん)をおき、金太郎人形を並べて展観。
圓徳院「日本の祝祭 -Japan Gold-」
会期/2016年10月21日(金)~12月11日(日) ※12月9日・10日は拝観休止
展示内容/開山忌・先祖供養、結納、婚礼、ひなまつり、端午の節句、花まつり、月見、口切の茶会など
拝観時間/9時~17時(最終受付)
拝観料/大人500円、中高生200円、小学生以下無料(要保護者同伴) ※高台寺、掌美術館との3カ所共通拝観券900円 献茶点前1,500円(10時30分~16時、記念扇子付き)
圓徳院 京都市東山区高台寺下河原町530 地図
圓徳院ホームページ
●通年公開/方丈、北書院、南庭、北庭(名勝庭園)、
長谷川等伯筆障壁画(重文・複製)=もともと大徳寺三玄院にあったもの。等伯が住職の留守中に上がり込んで、許可を得ないまま描き上げたという逸話を残す。
三面大黒天(さんめんだいこくてん)=京都御所から移築したお堂に祀られた、秀吉が念持仏(ねんじぶつ)とした三面大黒天尊像。大黒天、毘沙門天(びしゃもんてん)、弁財天(べんざいてん)の3つの顔を持つ仏様は、一度拝めば3つのご利益があることから秀吉が好んだと言われる。
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会期/2016年10月21日(金)~12月11日(日) ※12月9日・10日は拝観休止
展示内容/開山忌・先祖供養、結納、婚礼、ひなまつり、端午の節句、花まつり、月見、口切の茶会など
拝観時間/9時~17時(最終受付)
拝観料/大人500円、中高生200円、小学生以下無料(要保護者同伴) ※高台寺、掌美術館との3カ所共通拝観券900円 献茶点前1,500円(10時30分~16時、記念扇子付き)
圓徳院 京都市東山区高台寺下河原町530 地図
圓徳院ホームページ
●通年公開/方丈、北書院、南庭、北庭(名勝庭園)、
長谷川等伯筆障壁画(重文・複製)=もともと大徳寺三玄院にあったもの。等伯が住職の留守中に上がり込んで、許可を得ないまま描き上げたという逸話を残す。
三面大黒天(さんめんだいこくてん)=京都御所から移築したお堂に祀られた、秀吉が念持仏(ねんじぶつ)とした三面大黒天尊像。大黒天、毘沙門天(びしゃもんてん)、弁財天(べんざいてん)の3つの顔を持つ仏様は、一度拝めば3つのご利益があることから秀吉が好んだと言われる。