漢字の読みって難しいですよね。漢検1級に出てくるようなものは、読めない人のほうが多いのではないでしょうか(私も読めません……)。
ところで、読みによって意味が変わる、ユニークな言葉があります。
「艶やか」
この言葉の、3通りの読み方と意味は、一体何でしょう?
その1「つややか」
1つめは「つややか」。光沢があって美しい様子・潤いがあってつやつやしている様子・美しく輝いている様子をいいます。
きれいな髪や動物の毛並みの表現として使われることが多い「つややか」、平安時代中期の日記文学『蜻蛉日記(かげろうにっき)』には、「宇治川の水面がつややかに光っていて、とても風情がある」といった表現も見られます。とってもすてきですね!
その2「あでやか」
2つめは「あでやか」。女性の容姿や仕草が上品で美しく華やかな様子・華やかでなまめかしい様子をいいます。「なまめかしい」にもいろいろな意味があるのですが、この場合には色気がある、といったことを指します。
もともとは、優雅で美しい・気品がある、という意味の「あて(貴)やか」だったものが変化したのだそう。
その3「なまやか」
3つめは「なまやか」。現代ではあまり使わない言葉かもしれませんが、辞典には掲載されており、若々しく美しい様子・なまめいている様子、といった意味だそうです。
アイキャッチ画像:鳥居清長『当世遊里美人合 たち花』メトロポリタン美術館より
参考文献:
・『デジタル大辞泉』小学館
・『日本国語大辞典』小学館
・『小学館 全文全訳古語辞典』小学館