体に沁みる建長寺直伝の味を完全再現「禅茶寮 点心庵」
じんわりとおいしい、滋味深い味わいの「伝承 建長汁」
建長寺の老師から、調理方法を伝授された建長汁(けんちん汁)が食べられるのは、「禅茶寮 点心庵(ぜんさりょう てんしんあん)」だけ。7、8種類の鎌倉・湘南産の野菜は、皮ごと切ってムダなく使用。木綿豆腐は手くずしに、こんにゃくは茶碗の底で削ぎ切りにし、昆布と干ししいたけの出汁のうま味を、たっぷりとしみ込ませています。ごま油の風味も効いて、食べごたえは十分! 店は建長寺の前にあるから、お寺参りの後に、胃が休まるような昼食を。
住所:神奈川県鎌倉市山ノ内7
電話:0467-55-9350
営業時間:11時〜16時(15時L.O.) 月曜定休(祝日の場合は翌火曜日)
公式サイト:http://tenshin-an.com/
基本は野菜と昆布! しみじみおいしい野菜ごはん「なると屋+典座」
昼も夜も同じ定食、そこもうれしい!「月のごはん」
鎌倉の土と潮風で育った野菜を優しい味わいで。「野菜のうま味は出汁になる」と、昆布と最小限の調味料で仕立てた野菜尽くしの月替わりごはん(定食)では、シャキシャキ、とろとろ、サクサクなど、食感豊かな5品がいただけます。「なると屋+典座(なるとやぷらすてんぞ)」ではできるだけ土地の食材を使うけれど、それが目的ではありません。子供から高齢者まで3世代で食べられる、無理なく土地や季節に寄り添った食事。家庭料理のようでいて違うプロの仕事、お見事です。
住所:神奈川県鎌倉市小町1-16-12
電話:0467-23-7666
営業時間:11時30分〜15時(14時30分L.O.)/ 18時〜20時(19時30分L.O.) 火曜と第2・第4水曜定休
ネタとシャリが別なのは自由に食べてほしいから「かまくら小花すし」
玉手箱のように華やかな鎌倉らしさあふれる逸品「特上ちらし」
地元に愛される、気取りのない寿司店。人気のちらし寿司は、ネタとシャリが別々の桶に入る、独自のスタイルが特徴。まずは刺身だけをつまみとして食べたいという、お酒好きの人にも好評だそう。魚のほとんどやイカ、タコなどは、地元の漁師から直接買い付け。「鎌倉の海は、量はとれないけれど、種類は豊富」と大将の三倉健次(みくらけんじ)さん。特上でネタは20種類ほど。フタを開けると現れる華やかな様子に、感嘆の声を上げる女性も多い。シャリにも錦糸卵や海苔、でんぶなどがかかっており、それだけでおいしい。季節の汁物付き。
住所:神奈川県鎌倉市長谷1-11-13
電話:0467-23-0490
営業時間:12時〜15時/17時〜23時 水曜定休(祝日の場合は翌日休)
たっぷりだけど軽やか。心地よさ満載のイタリアン「ブリーズバードカフェ&ベーカリー」
季節を閉じ込めたソースも絶品!のランチコース
江ノ電の和田塚(わだづか)駅で交通系ICカードをピッとしたら数歩という距離の一軒家を改装し、2021年7月にオープンしたイタリアン。片岡聖斗(かたおかきよと)シェフは早朝からパンを仕込み、レンバイ(鎌倉市農協連即売所)で野菜を見繕います。横須賀からは長井漁港に揚がる地魚が届き、藤沢のみやじ豚も得意の食材。それらは前菜やメイン料理に美しく仕立てられ、地元の食通を足繁く通わせます。ランチを目的にわざわざ鎌倉まで出かける…のもありです!
住所:神奈川県鎌倉市由比ガ浜3-4-5
電話:0467-73-8055
営業時間:モーニング9時〜11時30 分(10時30分L.O.)/ランチ11時30分〜15時30分(14時30分L.O.)/ディナー18時〜22時(21 時L.O.) ※ディナーは完全予約制 火曜と第2・4水曜定休(不定休あり)
公式サイト:https://breeze-bird.com/
撮影/篠原宏明 構成/湯口かおり(禅茶寮 点心庵、かまくら小花すし)
撮影/佐藤敏和 構成/小竹智子(なると屋+典座、ブリーズバードカフェ&ベーカリー)
※本記事は雑誌『和樂(2023年6・7月号)』の転載です。お店の情報は雑誌掲載時のものです。