Culture
2019.08.09

博多人形のキャッチャーかっこよすぎっ! 人形師・中村弘峰の個展が銀座で開催

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新進気鋭の人形師、中村弘峰(ひろみね)さんは福岡の博多人形師の家に生まれた4代目。斬新な作風で、伝統工芸の世界に風穴をあけつつあります。東京藝術大学の大学院修士課程を修了した2011年から人形師の父・中村信喬(しんきょう)さん(61歳)に師事。同年より、それまで父が手がけてきた博多祇園山笠・土居流(どいながれ)の舁(か)き山人形も制作していました。

2019年8月8日から9月1日までの期間、東京・銀座のポーラ ミュージアム アネックスにて、弘峰さんの展覧会「サマー スピリッツ(SUMMER SPIRITS)」が、開催されます。

新進気鋭の人形師、中村弘峰さんの個展へ!

人気の高い「アスリートシリーズ」から「動物シリーズ」まで、新作を中心に約40点の作品が展示される今回の個展。日本の伝統技法による、緻密な文様や色彩で再現した「現代」をモチーフにした人形たちに出合えます。「是非この機会に、時間を忘れるような人形の世界を感じてほしいです」と弘峰さん。美しい人形の世界を間近に感じてみてはいかがでしょう。

「さあ来い」と、眼光鋭くミットを構えたキャッチャー。ラガーマンに見立てられた色鮮やかな御所人形。はたまた、「不老=FLOW」と命名された、ポップで煌(きら)びやかなスニーカー。これが、果敢な挑戦で、伝統の世界に新風を吹き込んでいる弘峰さんの作品です。

どうか健やかであれ。逞しくあれ。美しくあれ。栄えあれ。武将や美人。金剛力士や金太郎、雛人形、若武者姿の桃太郎。古くから人々は、大切な誰かを思う気持ちを人形に託してきました。

人形の本質とは「人の祈りを形にしたもの」と、弘峰さん。人形を介在させることで、祈りを届けてきました。たとえば古典的な五月人形に込められた「祈り」や「憧れ」を、今という時代に体現させるとしたら、その英雄像は何になるのだろう…。彼自身が息子を授かって考えたそうです。アスリートに見立てた御所人形は、わが子への深い祈りから生まれたものでした。

伝統への謙虚な姿勢と、今を生きる者としての自在な精神。祈りという、人が人である証を媒介していく美。弘峰さんの技とイマジネーションは、日々に進化しながら、そのふさわしい形を探求し続けているのです。

サマー スピリッツ(SUMMER SPIRITS)

会期 2019年8月8日~9月1日
会場 ポーラ ミュージアム アネックス
開館時間 11:00~20:00(最終入場19:30)
入場料 無料
住所 東京都中央区銀座1-7-7 ポーラ銀座ビル3階
TEL 03-5777-8600(ハローダイヤル)
問い合わせ先 ポーラ ミュージアム アネックス
※8月25日のみ12:00開館予定
※会期中無休

中村弘峰作品はこんなところにも!

つい集めたくなる、太宰府天満宮の干支鈴と干支置物

福岡県太宰府の地にて、学業の神様としても名高い菅原道真公の御霊をお祀りする太宰府天満宮。こちらの新年の干支鈴と干支の置物が超かわいいと評判なのです。

実は3年前から弘峰さんがが神縁品を制作しています。「可愛く古風で新しい」をテーマに、斬新ながらもどこか懐かしくもある干支人形。ご存じなかった方、来年の子年からかわいい干支鈴、干支置物を集めてはいかがでしょう。

中村人形の新たなプロダクト、「Master Road〜LET’S PAINTING !極めよ、彩色の道〜」

3月にリニュアルオープンした福岡市美術館のミュージアムショップで販売されている福岡市美術館限定版「Master Road〜LET’S PAINTING ! 極めよ、彩色の道〜」。

博多人形の彩色を体験できるよう、素焼きの人形と彩色見本帳がセットになっています。想い想いの色で自由に塗って、彩色マスターを目指しましょう!

お子様から大人まで気軽に彩色が楽しめる素焼きの博多人形。うさぎ、鳳凰:1,500-(税抜)若君、姫君:2,000円(税抜) 

人形原型:中村信喬、企画:中村弘峰、パッケージデザイン:中村理沙
中村人形公式HP

中村弘峰(なかむらひろみね)

博多人形師。中村人形 四代目。1986年福岡県福岡市生まれ。2009年東京藝術大学美術学部彫刻科を卒業。2011年東京藝術大学大学院美術研究科彫刻専攻修了後、父である人形師・中村信喬に師事。福岡県太宰府天満宮干支置物制作、博多祇園山笠土居流 かき山を制作。2017年、陶彫彩色「瀧」で伝統工芸創作人形展in金沢 中村記念美術館賞受賞。2016年、「The Otogi League Allstars: Momotaro」で第3回金沢・世界工芸トリエンナーレ コンペティション部門 優秀賞受賞など、多数受賞。