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数寄者が見立てた奈良名物・茶がゆ 元興寺に行ったら「塔の茶屋」へ
大きな寺ほどの知名度はないけれど、実はすごいのが「元興寺(がんごうじ)」。
平城京遷都の際、日本最初の本格的仏教寺院が飛鳥(あすか)から遷されて元興寺と改められた由緒があり、世界遺産。
元興寺界隈から「ならまち」が形成された経緯もあり、江戸時代の街路や町家が残るこのエリアを歩かずして、奈良を歩いたとは言えません。
風情ある景色を眺めたら、食事も趣ある店で・・・。そんな気分にぴったりなのがこの店。
道具商であり数寄者だった夫婦が昭和39(1964)年に創業、奈良の郷土料理である茶がゆを自慢のうつわとともに料理屋の味に仕立てたもてなしが評判です。
さて、奈良の茶がゆはほうじ茶で炊かれることがほとんどですが、この店では「かぶせ茶」を使います。
先代の姪・河瀬ゆりさんによれば「料理屋のおかゆなので、さっぱりとした味にしたかったと聞いています」。
かゆの炊き方にも秘密のこだわりがあり、その味わいはさらりと上品! 奈良の名物、うまいもんはここにありました。