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2024.11.22

〝かぶせ茶〟の茶がゆを、数寄者自慢のうつわでいただく幸せ。「塔の茶屋」【 最新〝奈良ごはん〟5】

寺社が点在する奈良の、寺社巡りの合間に寄れるおいしい店をリサーチ。滞在時間を上手に使って、進化する奈良の食を味わえる店を、市内限定で紹介します!

「奈良特集」シリーズ一覧はこちら

数寄者が見立てた奈良名物・茶がゆ 元興寺に行ったら「塔の茶屋」へ

大きな寺ほどの知名度はないけれど、実はすごいのが「元興寺(がんごうじ)」。
平城京遷都の際、日本最初の本格的仏教寺院が飛鳥(あすか)から遷されて元興寺と改められた由緒があり、世界遺産。

元興寺界隈から「ならまち」が形成された経緯もあり、江戸時代の街路や町家が残るこのエリアを歩かずして、奈良を歩いたとは言えません。

風情ある景色を眺めたら、食事も趣ある店で・・・。そんな気分にぴったりなのがこの店。
道具商であり数寄者だった夫婦が昭和39(1964)年に創業、奈良の郷土料理である茶がゆを自慢のうつわとともに料理屋の味に仕立てたもてなしが評判です。

さて、奈良の茶がゆはほうじ茶で炊かれることがほとんどですが、この店では「かぶせ茶」を使います。
先代の姪・河瀬ゆりさんによれば「料理屋のおかゆなので、さっぱりとした味にしたかったと聞いています」。

かゆの炊き方にも秘密のこだわりがあり、その味わいはさらりと上品! 奈良の名物、うまいもんはここにありました。

「大和の朝は茶がゆで明ける」奈良に伝わる食文化を味わう

座敷以外に椅子席もある。道具商が始めた店だけにしつらえも趣がある。

鯛の昆布締め、酢の物、煮物など盛りだくさん!

「茶がゆ弁当」2,750円。季節のおかずを詰めた桶は東大寺の修二会(しゅにえ)で供される粥食を収める容器を模したもの。ごま豆腐、吸い物、わらび餅が付く。

DATA「塔の茶屋」

「とうのちゃや」
住所:奈良県奈良市南城戸町18
電話:0742-22-4348
営業時間:11時30分~16時(夜は予約制の懐石のみ)。「茶がゆ弁当」も予約が確実 
休み:火曜
公式サイト:https://tounochaya.com/

撮影/石井宏明 構成/藤田 優、後藤淳美(本誌)
※本記事は雑誌『和樂(2022年12月・2023年1月号)』の転載です。
※掲載した価格は2024年10月現在のもので、税込です。

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和樂web編集部

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