橋脚を使わずどうなってる!? 日本三奇橋の下を川下り
⑤【甲斐の猿橋】山梨県大月市
橋脚を立てず、刎木(はねぎ)や肱木(ひじき)という特殊な構造で架けられた甲斐(かい)の猿橋(さるはし)。
北斎が描いた当時は木造でしたが、鋼製に架け替えた際に木材を張り付けて当時の姿を復元しています。
この奇妙な橋の構造は袂(たもと)の展望台からうかがうことができますが、ボートでの川下りなら北斎の目線と同じ絶景が!
夏季や夜間の川下りはできませんが、新緑、紅葉、そして雪景色も絶景です。
こんなワイルドな橋、本当にあったの?

現在もあるし、橋がひとつ増えてるし!?

甲斐の猿橋・絶景スポット
橋の袂の展望台 山梨県大月市猿橋町猿橋 中央自動車道「大月IC」より約23㎞
甲斐の猿橋・立ち寄り情報
「ここは東の高千穂峡!? 新緑も紅葉も雪景色も!」 「山梨アウトドアプロジェクト」が実施する猿橋川下りは、突き出た奇岩の間の湖のように穏やかな水面を行く手軽な遊覧。目線の30mほど上に架かる猿橋の下を往復すれば、北斎や広重が描いた世界が体感できる。
眺めてびっくり渡ってびっくり! 奇橋中の奇橋も健在
⑥【錦帯橋】山口県岩国市
日本を代表する木造橋である錦帯橋(きんたいきょう)。
中央3つの高いアーチが絶景を生んでいますが、4つの橋脚に架かった迫持式(せりもちしき)の3連橋に両岸には桁橋(けたばし)と、特異な構造も絶景。
1673年に岩国3代藩主によって架けられたのちすぐに流失、それゆえ流されない橋をという強い思いで構造が工夫されました。
現在の橋は昭和時代に架け替えられたものですが、岩国城(いわくにじょう)とともにその雄姿は健在!
北斎は、山と城郭を別の位置に描いて強調!?

北斎がド~ンと描いたお城は、山上にちっちゃく見えるだけ

錦帯橋・絶景スポット
錦帯橋下の河原 山口県岩国市岩国 岩国錦帯橋空港より約7㎞
錦帯橋・立ち寄り情報
「北斎が大胆に描いた岩国城からの眺めも絶景!」 初代岩国藩主によって江戸初期に創建され、錦帯橋がかかる錦川を天然の外堀にした「岩国城」。昭和37(1962)年に再建された天守閣からは錦帯橋だけでなく、岩国錦帯橋空港や瀬戸内海の島々、四国まで望める。
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天才絵師・北斎が描いた七里ヶ浜は今? 【浮世絵と見比べる絶景タイムトリップ・神奈川編】
北斎が描いた“滝の絶景”、今も岐阜・栃木で見られるって知ってた? 【浮世絵と見比べる絶景タイムトリップ・諸国瀧廻り編】
撮影/篠原宏明(猿橋) 構成/小竹智子、鈴木智恵(本誌)
※本記事は雑誌『和樂(2017年10・11月号)』の転載・再編集です。

