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2025.10.01

「豊臣兄弟!」ゆかりの元祖・鶯餅! 本家 菊屋「御城之口餅」【和菓子の聖地・奈良の絶品銘菓3】

江戸時代に大流行した「お伊勢参り」「西国三十三所観音巡礼」の旅の途中にある奈良には、たくさんの人が行き交い、おいしいものを口にしていました。古来、美味なる名物が多い奈良は、実は和菓子の聖地。大和郡山の本家 菊屋の「御城之口餅」は、令和8年の大河ドラマ「豊臣兄弟!」の主人公に由来する銘菓。ブームが来る前に先取りしましょう!

令和8年大河ドラマ「豊臣兄弟!」に関係する、鶯餅の元祖! 本家 菊屋の「御城之口餅(おしろのくちもち)」@大和郡山

きなこをまとったひと口大の愛らしい餅菓子。
当時、郡山城(こおりやまじょう)の城主だった豊臣秀長が兄・秀吉を招く茶会のために、この店にあつらえさせたとか。

「粒あん、求肥(ぎゅうひ)、きなこの三位一体の味わいが喜ばれたのではないですか。丹波大納言(たんばだいなごん)の大粒の小豆を使い、滋賀県近江産の羽二重糯米(はぶたえもちごめ)で求肥をつくり、きなこは挽きたての青大豆。小さななかに、贅沢が詰まっているんです」と26代目・菊岡洋之さん。

店は、今も郡山城の門を出た町人街の〝口(くち)〟(一番目)にあり、それで「御城之口餅」と呼ばれるようになったそう。
またこの名は徳川家康が統治する江戸期以降のもので、それ以前は秀吉から賜った「鶯餅(うぐいすもち)」という逸話が。忖度(そんたく)につき呼び名が変わって今に至るのも、興味深いこと。

さて、県外の人にとっては耳なじみのない「青大豆のきなこ」。
雑煮の餅をきなこで〝味変〟する地元民もいるそうですが、正月に用意するのが、青大豆なのだとか。
甘みが強く、爽やかに抜けていく豆の香り。またひとつ、食べたくなるのはこのせい?

青大豆を挽いた粉にこだわりがある「御城之口餅」

1箱15個入1,920円。賞味期限3日(夏季は2日)。※ホームページからの注文品は冷凍便でお届け(冷凍保存は賞味期限30日)。

老舗ののれんを受け継ぐ、26代目!

「昔ながらの砲金(ほうきん)の大釜であんを炊くとおいしいんです」と、26代目の菊岡洋之さん。

創業天正13(1585)年、現存する県内の菓子屋で最も古い。「本店の天井を埋める菓子木型も見ものですよ」(菊岡さん)

本家 菊屋 DATA

ほんけ きくや
住所:奈良県大和郡山市柳1-11 
電話:0743-52-0035
営業時間:9時~18時30分(1月2日・3日は17時まで)
休み:元日のみ 
公式サイト:https://kikuya.co.jp/
※近鉄奈良駅近くに「奈良店」もあり。
★お取り寄せ:公式サイトより購入可

※本記事は雑誌『和樂(2023年12・2024年1月号)』の転載です。掲載価格はすべて税込です。価格や営業時間などは2025年9月現在のもので、変更される場合もあります。お出かけの前にご確認ください。

「和菓子の聖地・奈良の絶品銘菓」シリーズ一覧はこちら

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和樂web編集部


撮影/石井宏明 構成/藤田 優
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