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2026.10.09

「MOSS KOGEI KYOTO 2026」初開催。光悦ゆかりの京都・鷹峯で「用の美」に出会う。

京都・鷹峯(たかがみね)の「しょうざんリゾート京都」で、10月17日(土)・18日(日)、新たな工芸の祭典「MOSS KOGEI KYOTO 2026(モス・コウゲイ・キョウト 2026)」が初開催されます。本阿弥光悦ゆかりの地に、約30組の工芸作家が集結。歴史ある建築や庭園を舞台に、展示・販売、茶会、特別ディナー、ワークショップなどを通して、工芸の豊かさとこれからの可能性に触れる2日間です。

「これからの用の美」を探る、現代の新たな「芸術村」

しょうざんリゾート京都が位置する鷹峯は、江戸初期に本阿弥光悦が芸術村を築いた地。書、陶芸、漆芸、蒔絵、茶の湯など、さまざまな分野の職人や芸術家が集い、ひとつの美意識を共有しながら創造を育みました。その精神は工芸の枠を超えて受け継がれ、琳派発祥の地として今も息づいています。

その鷹峯で開かれる「MOSS KOGEI KYOTO」が目指すのは、現代の新たな「芸術村」の創造です。工芸家や建築家、料理人、研究者などが集い、分野を超えた対話から新たな文化が生まれる場を目指します。

イベントのテーマは「これからの用の美」。工芸を単なる伝統技術や手仕事としてではなく、人と自然との関係や日々の暮らし、未来の社会を考えるための「思想・哲学」として捉え、その可能性を探ります。

歴史ある建築を巡り、工芸の今に出会う

会場となるしょうざんリゾート京都では、茶室や歴史ある建築、川床など、敷地全体が舞台に。茶室では茶会、歴史的建築では現代工芸の展示、川床では食を楽しむ趣向です。苔の日本庭園や紙屋川のせせらぎを感じながら建物を巡るなかで、工芸、建築、食、茶、自然が響き合う、この土地ならではの時間が広がります。

約35,000坪の敷地には、明治期に裏千家11世玄々斎が大徳寺に建てた茶室「聴松庵(ちょうしょうあん)」、日本画家・榊原紫峰の邸宅「紫峰亭(しほうてい)」、円山応挙らの襖絵を備えた迎賓館「峰玉亭(ほうぎょくてい)」など、由緒ある建築が点在する。

展示には、全国から約30組の現代工芸作家が参加。陶芸、木工、漆、金工、ガラス、竹、和紙、染織と、素材も技法もさまざまです。受け継がれた技術や美意識をもとに、現代の暮らしや価値観に応える作品を、実際に手に取り購入することもできます。

さらに、黒田辰秋や河井寬次郎ら近代工芸を代表する名作や、鷹峯ゆかりの作家の作品も展示予定。現代の作品と見比べながら、日本の工芸がたどってきた歩みと、新たな表現の広がりを感じられます。

黒田辰秋 拭漆飾棚

奥島圭二(ガラス)

屋外では、沖縄の草木染め作家・Kittaによるインスタレーション《Yellow》も展示される予定です。「自然と人間を媒介する」をコンセプトに、土地の植物を中心に、枝葉や樹皮、根などで染めた布が展示されます。

工芸を「使い、味わう」茶と食のひととき

本阿弥光悦へのオマージュとして開催される、淡交社との協働による特別茶会「光悦憧憬」。しょうざんに点在する茶室を舞台に、濃茶席と薄茶席、「たん熊北店」の懐石料理を楽しみます。茶の湯を通して、道具や空間に込められた美意識に触れるひとときです。

特別茶会「光悦憧憬」は、10月17日・18日、各席8名・1日6席。49,000円(税込、入場料を含む)。

特別ディナー「陶芸家の晩餐」は、唐津焼を代表する陶芸家・中里隆氏が監修。古谷宣幸氏と古谷朱里氏が、この催しのために鷹峯の土で制作した器に盛られるのは、京都の茶懐石料理店「ごだん宮ざわ」の料理です。器と料理、酒や茶、花、空間までが響き合う、各日8名限定の特別な茶懐石となります。

会場を巡る合間には、川床でおむすびやタパス、コーヒーなども楽しめます。さらに、しょうざんリゾート京都内の和食「千寿閣」、中華料理「楼蘭」、鶏料理「わかどり」では、イベント限定の「MOSSコース」を提供。各コースでは、作家によるオリジナル箸置きを持ち帰ることができます。

つくり手に学び、工芸の技と思想に触れる

ワークショップは、和菓子や和紙、金継ぎ、花、茶などをテーマに約10種類。作家や職人から直接学びながら、日本のものづくりを支える技術や思想に触れます。

「花と花器」では、備前焼の陶芸家・森本仁氏の花器を使い、作家自身から花の生け方を学びます。「和蝋燭と燭台」では、鷹峯を望む紫峰亭で和蝋燭を灯し、炎が消えるまでの約20分間を瞑想の時間に。「竹のモクテルと竹細工」では、竹細工作家・三代目秋峰の指導で竹籠を編みます。いずれも、体験で使用した花器や燭台、竹籠などを持ち帰ることができるのが特徴です。

左/「練り香と香炉」12,000円。京都のお香の老舗「山田松」の指導で練り香を制作できる。香炉は、陶芸家・田中信彦氏が本イベントのために手がけたもの。右/「和菓子と木箱」24,000円。京都の老舗和菓子舗「塩芳軒(しおよしけん)」に、すはま、こなし、きんとんの3種のつくり方を教わる。木箱は、木工作家・渡慶次弘幸氏によるもの。制作した練り香や生菓子に加え、香炉・木箱も持ち帰り可能。いずれも税込、入場料別。

ワークショップに加え、工芸作家や職人による公開制作も行われます。鳥取に伝わる藤細工の作家・川口淳平氏や、しょうざんの一珍染の職人が手仕事を披露。素材が作品へと変わる過程を間近で見ながら、つくり手との対話を通して工芸への理解を深められます。

レクチャー・トークセッションでは、「工芸×AI」「工芸×建築」「工芸×食」「工芸×環境」などをテーマに、国内外の工芸家や研究者が登壇。工芸を「未来を考えるための知」として捉え、現代社会で果たす役割や可能性を探ります。

歴史ある建築や庭園を巡り、茶や料理とともに器を楽しむ「MOSS KOGEI KYOTO」。作品の美しさを眺めるだけでなく、使うことでわかる魅力にも触れられます。これからの暮らしをともにする工芸との出会いも、楽しみのひとつです。

MOSS KOGEI KYOTO 2026

会期:2026年10月17日(土)・18日(日)
会場:しょうざんリゾート京都
住所:京都市北区衣笠鏡石町47
時間:10:00~17:00(最終入場受付16:00)
入場料:5,500円(税込、庭・建物・展示の鑑賞を含む)
※個別の催しへの参加費は別途。特別茶会・特別ディナーの料金には入場料を含みます。
公式サイト:https://mosskogei.com/
インスタグラム:https://www.instagram.com/mosskogei/

画像提供/MOSS KOGEI KYOTO

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和樂web編集部

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