見て! この光景!
突然、別の惑星に迷い込んでしまったかのような錯覚に陥るこの絶景は、和歌山県串本町にある「橋杭岩(はしぐいいわ)」。写真好きの方にもおすすめの知る人ぞ知る絶景「橋杭岩」へご案内します。
まずは、道の駅へ!
旅の交通手段は、もっぱら車。緊急なことが起こらない限り高速道路は使わないようにしているので、基本は一般道。途中で目についた道の駅も必ず訪れるようにしていたりすると、ステキな出会いに遭遇することも少なくありません。
この日は、熊野三山めぐりを終えて、国道42号線を和歌山県の串本へ向かって走っていると、道の駅「くしもと橋杭岩」に到着。駐車場に進行方向からそのまま車を停めると、でーーー ーーん !
飛び込んでくるように、目の前にはこんな絶景が時空を超えた世界のように広がっていました。無数の奇岩が織り成す風景は、まさに地球とは別空間のよう。そんな空間の中で見ると、このひとつひとつの岩も、それぞれが個々の意志をもって輝いているのをまざまざと感じます。
こんな迫力満点の風景が日本にあったなんて! 宇宙旅行をしているような気分にもなりました。
そもそも、橋杭岩とは?
「橋杭岩」というこの文字を初めて見た時、橋(はし)と岩(いわ)しか正しく読めなかった私。橋杭岩と書いて(はしぐいいわ)と読みます。橋杭岩とは、和歌山県東牟婁(ひがしむろ)郡串本町に位置している奇岩群のことで、この奇岩群は吉野熊野国立公園のエリアにあり、国の名勝天然記念物にもなっています。
串本から大島方面にかけて約900メートルほどもの距離に渡る海岸に、大小さまざまな40個ほどもの岩の柱のような奇岩がずらーっと1列に並ぶかのように列をなしています。その連続的で規則的な姿が、橋に打つ杭のように見えたことから「橋杭岩」と呼ばれるようになったそうです。
日が暮れて暗くなり、月明かりの下で奇岩群を見たら、今にも動き出しそうなほど!まさに異空間というべき不思議な雰囲気に包まれていました。
やっぱりありました!「橋杭岩伝説」
一目見ただけでも神秘的な魅力にあふれている橋杭岩には、こんな言い伝えが残っています。
その昔、弘法大師と天邪鬼がこの地を訪れたときのことです。住民たちは、海岸のすぐ向こうに見える目と鼻の先の大島へ毎回わざわざ舟で渡るのが面倒だと思っていることを知った天邪鬼は、弘法大師に、串本から大島まで橋をかけられるかどうかの賭けをしようともちかけました。
驚くことに、これに対して弘法大師は、ひと晩でつくり上げて住民たちをびっくりさせられるかどうかという条件も加えて受けて立ちました。
さっそく橋をつくり始めた弘法大師は、脇目もふらず作業に没頭し、ものすごいスピードで橋の柱を立てていきました。それを見た天邪鬼は、このままでは賭けに負けてしまうと思い、弘法大師の作業の邪魔をするため、賭けの締め切りである朝が来たことを告げるため、鶏の鳴き声を真似したのです。
それを聞いた弘法大師は、まんまとだまされ、橋の杭だけ残してその場を去り、それが橋杭岩となったのだそうです。この結末には諸説あるのですが、橋杭岩は、それだけ人々の想像力をかきたててやまないほどの神秘的な光景だということではないでしょうか。
さすが!朝日夕陽百選!!
時間帯、天気、空の色などによっても、さまざまに異なる魅力的な表情を見せてくれる橋杭岩は、和歌山県の朝日夕陽百選のひとつにもなっているスポット。日の出や夕陽の時間になると、超絶的な絶景となる最高の瞬間をとらえるため、高級カメラと三脚をもったカメラマンがシャッターを押し続けている姿も目にしました。
夕陽や朝日の時間帯に出会える超絶景の橋杭岩を私は両方とも心行くまで満喫することができましたが、これに加えて、私が訪れた日の出の時間には、ちかくにある航空自衛隊の飛行機が何機も飛来し、空にはいくつもの飛行機雲ができていましたので、これが橋杭岩とマッチし、この記事でも何枚か掲載しています更にフォトジェニックな絶景を撮影することができました。
潮が引いた後の橋杭岩も見逃せない!
潮が引くと奇岩群はクローズアップされたかのように更なる存在感が増すばかりではなく、砂地や岩場を超えて奇岩群のすぐ近くまで歩いていくこともできます。
写真のような岩肌がいたるところで顔を出し、どこかの惑星を散歩しているかのような気分になります。
それは宇宙が舞台の映画のロケ地にもなりそうなほどで、宇宙服を着て撮影してみたかったと後悔。それは次回のお楽しみとして取っておきます。
本州最南端にある道の駅「くしもと橋杭岩」
本州最南端に位置する道の駅「くしもと橋杭岩」は、橋杭岩の絶景を一望できるロケーションに建てられた施設。駐車場も入ってすぐそのまま目の前が橋杭岩の絶景を一望できるロケーションに位置していますので、橋杭岩の絶景に大歓迎のおもてなしをされているかのような気分も味わえます。
お食事処は、手軽に食べられるファーストフード系のメニューが中心ですが、時期によっては地元の特産品の海産物も味わえ、さんま寿司や新鮮なイカの姿焼き等も人気。おみやげ売り場にはお菓子や工芸品がそろい、24時間利用可能なトイレがあることも魅力的です。
また、この道の駅でしか味わえないオリジナルや季節限定のソフトクリームも自慢のひとつで、私がおすすめしたいのは特産の美味しいポンカンを味わえる「ぽんかんソフトクリーム」。
橋杭岩の絶景で心身共にワクワクが止まらない状態を爽やかにリフレッシュするのにもおすすめです。
愛猫 ”うちゅうねこ” も一緒でした!
最後になりましたが、この旅に同行し、案内までしてくれた愛猫をご紹介します。7年ほど前、ノラの子猫として我が家の庭にやって来てくれたこの子の通称は「うちゅうねこ」。この子を含めた我が家3人家族の共通の趣味は旅で、我が家のこの車旅はこの子が来てくれたから始まったと言っても過言ではありません。子猫のころから参加しているこの子は、今ではかなり旅慣れていますので、「その先を右」とか、猫テレパシーで指示も飛ばしてくれるんです(笑)。これからも、「うちゅうねこ」と一緒にめぐった旅先をご案内していきますので、お楽しみいただけたら幸いです!
道の駅 くしもと橋杭岩 基本情報
住所: 649-3511 和歌山県東牟婁郡串本町鬮野川1549-8
営業時間: 全日 9:00~18:00(ただし、10月~3月は17:00まで)
定休日: なし
公式webサイト:https://www.michi-no-eki.jp/stations/view/733