映画『翔んで埼玉』が大ヒット! 行田市の「埼玉古墳群」が国の特別史跡に指定! 2021年大河ドラマの題材に渋沢栄一(埼玉出身)が抜擢! 2019年はめずらしく(?)埼玉県が注目を集める1年となりました。そこで今回は、埼玉にゆかりのある和樂webライターのみなさんと一緒に、食や観光スポット、あるあるネタまで、埼玉の文化を語りつくします!
▼左から、ニシさん・とま子・chiakiさん・山見さん・富江さんの5名+私白方でお届けします。
実は全国2位のうどん県 〜埼玉の食文化〜
― さっそくですが、埼玉の自慢って何でしょう?
chiaki: 初めて草加せんべいを食べたときは、おいしくて感激しました!!
― 食でいうと草加せんべいと深谷ねぎは鉄板ですね。
ニシ: 最近テレビでは、埼玉県のスイーツがよく取りあげられていますよ!
山見: 洋菓子は、確かによく食べる! 私のおすすめはさいたま市にある「おかしさん」ですね! 商品の名前もビジュアルもユニークなんですけど、とにかくおいしいんですよ!
とま子: 私のイチオシは、東松山市に本店のある「夢菓子工房ププリエ」。作り置きしないスイーツが大人気で、地元・北本にもあります。
― 調べてみると…旧浦和市の1世帯当たりの年間ケーキ購入金額は全国の都道府県庁所在地で1位(※)だったそうです!
― あとは意外な食べ物でいうと…うなぎ! 浦和には食べログでも高評価のうなぎの名店がいくつもあります。
富江: さいたま観光大使のマスコットキャラクターは、やなせたかしさんの描いた「浦和うなこちゃん」ですもんね。
【浦和のうなぎ】
富江: 僕が推したいのは「武蔵野うどん」。東京の一部でも食べられるんですが…これがすごくおいしくて。めちゃくちゃコシの強いうどんを肉汁につけて食べるんですよ。ちなみに埼玉は麦の生産量が実は多くて、全国6位(※)なんです。
― 6位! ベスト5に食い込まないところがいかにも埼玉っぽいな〜(笑)。ちなみに平成26年の調査(※)によると、深谷ねぎ、ほうれんそう、小松菜の生産量は全国1位。ブロッコリー、かぶは2位。枝豆は3位、キュウリや白菜は4位…とあまり知られていませんが関東の野菜の生産を支えています。
とま子: 山見さん、埼玉県のうどん文化にまつわる記事を書いてくれましたよね!
山見: 書きました! 埼玉は全国2位のうどん県なんですよ、実は。あと埼玉の食文化といえば「朝まんじゅうに、昼うどん」って何かの本で読みました。意味はそのまんま。朝にまんじゅう食べて、昼にうどんを食べる。埼玉の人は、米より小麦を食べることが多かったのかも(笑)。
― まんじゅうといったら「十万石まんじゅう(※)」も、外せませんね。埼玉県民でこれを知らない人はいないはず。
富江: あれは本当にうまいですよね…!
山見: 私、昨日食べました(笑)!!
― 県外の人にも食べてもらいたいな〜。
氷川神社と三峯神社 〜埼玉の観光地〜
― 埼玉の人気観光地といえば、やっぱり川越でしょうか。蔵造りの街並みが有名で「小江戸川越」なんて言われたり、東京から日帰りで訪れる人も多いです。
富江: 今日はちょうど川越を拠点にしたビール「コエドビール」を持ってきました。コエドビールの製品に「COEDO紅赤-Beniaka-」という種類があるんですが、川越のさつまいもを使ったビールなんですよ。(※写真は「COEDO毬花-Marihana-」)
― さつまいもも川越の特産品ですね! コエドビールもそうですが、川越はどんどんおしゃれなお店やブランドが増えている気がします。
ニシ: いろんな私鉄が乗り入れて横浜まで繋がって、昔に比べてかなり活気がありますね。
― 川越のほかに、これから埼玉で賑わう場所といえば「武蔵一宮 氷川神社」。お正月三が日の初詣の参拝者数は全国10位(※警察調べ)、平成20年以降は200万人も毎年訪れているというデータもあります。
富江: これもあまり知られていませんが、武蔵一宮 氷川神社の参道は日本一長いんですよ。さいたま新都心駅のあたりから参道がスタートしてるんです。
― 参道の入り口から神社まで約2kmあるようです。訪れる人も多ければ、その規模も大きい…!
富江: この神社はおみくじも、ちょっと変わってて…種類がたくさんあるんですよ。「平(たいら)」とか「向吉(むかうきち)」とか聞いたことないものが出てくる。
― 調べてみたところ全部で13種類あるそうです! これは知らなかった〜。
とま子: 神社といえば秩父の三峰神社も、関東随一のパワースポットですよね!
― テレビ朝日「アメトーーク!」の神社仏閣大好き芸人にも登場しましたね。狛犬の代わりにオオカミがいるんですって。狛犬じゃないものがいる神社でいうと、浦和の調神社(つきじんじゃ)は、狛犬のかわりにうさぎがいる珍しい神社として有名ですね。ここには鳥居もないんですよ。
とま子: 調神社は毎年、浦和レッズが必勝祈願している神社ですね!!
― 神社のほかにも、埼玉には古墳や名城跡が数多く残されています。行田市の「埼玉古墳群」は、前方後円墳が8基、100mを超える大型の円墳が1基ある国内有数規模の古墳群だし。
ニシ: 先日の「戦国時代座談会」でもお話されていた、忍城(おしじょう)も小説『のぼうの城』で注目を集めましたよね!
― そうそう! 日本100名城に数えられる川越城、鉢形城も埼玉ですし。歴史好きの人からすると、埼玉は見どころ満載の観光スポットみたいです。
県民の日は東京ディ◯ニーランドへ 〜埼玉あるある〜
富江: さっき気づいたんですが…今週の木曜日(※)、11月14日って埼玉県民の日じゃないですか。
chiaki: みんな東京ディ◯ニーランドへ行く日ですね! 埼玉の「あるあるネタ」って何かありますか?
一同: ……。
山見: かるたはどうですか? 「さいたま郷土かるた」!
とま子: あ〜〜っ!! 小学生のとき、やりました! 「吉見百穴(※)」とか埼玉の名勝や特産品がいろいろ出てくるんですよ。たしか…「ん」の歌は草加せ「ん」べいだったような…?
― 調べてみたところ「さいたま郷土かるた」は平成14年に「彩の国21世紀郷土かるた」にアップデートされたみたい。「ん」の歌は「シンボルは / さいたまアリーナ / 新都心」になっていました(笑)。
とま子: え〜っ、ショック! じゃあ学校ネタでいうと…「川」はどうですか? クラスの列を「川」って表現するの、埼玉独特の言い方らしいですよ(※)。
― 「川」って言うの、埼玉だけなんだ……!
山見: 学校関連で思い出した。子どもが給食で飲んでる「わたぼく森牛乳」って知ってますか? 子どもがおいしいおいしいって言うからスーパーで探すんだけどなかなか見当たらなくて。
― あ〜。私の通っていた小学校の給食も「わたぼく森牛乳」でした。森乳業の公式サイトによると、メーカーのある埼玉県行田市を中心に、県東部地域など16市町村に約500校、日量250,000本供給している牛乳だそうです。
富江: 「北辰テスト」って県民のあるあるネタですかね?
とま子: あるあるですねぇ(笑)!
chiaki: あれ、他県の人たちも受けている高校入試の模擬試験だと思ってたんですけど、違うんですか?
― 違うみたいです。県内の中学3年生の約90%が北辰テストを受けているそうですが、他県では行われていないらしい…。知らなかった〜〜〜。
なぜ埼玉に住むの?
― みなさん、普段はどこで買い物されていますか(いましたか)?
chiaki: 私は川越が近かったので、クレアモールへよく行きました! 買い物したり、プリクラを撮ったり(笑)。
とま子: 小学生のときはおけがわマインで、高校生になったら大宮のルミネ、そのあとは浦和のPARCO(パルコ)で買い物していました。
富江: 僕はさいたま新都心のCOCOON CITY(コクーン)へ子どもと一緒によくでかけます!
二シ: 私は指扇に住んでいたので、数駅先の大宮のルミネに買い物に行ってました。大宮は都内の店で売り切れだったアイテムが残っていたりするので、それ目当てに都内から訪れる人もいるそうですよ!
― なるほど〜。みなさんちょっとずつ住んでいる場所が違うから、買い物する場所も違いますね。私は越谷レイクタウンで、小学生のときはまだレイクタウンがなかったので、南越谷にあったOPA(オーパ)とVARIE(ヴァリエ)で買い物してました。
chiaki: レイクタウンは「オシャレして行かなくちゃ!」ってかんじでハードル高かったです(笑)! スターバックスコーヒーもあるし。
― ところで、みなさんなぜ埼玉に住んでいるんですか? 埼玉生まれの人間としては「なんでわざわざ埼玉に…」と気になって。移住された人に聞きたいです!
山見: 東京で働くことになり、とりあえず家賃が安いと言われて埼玉へ(笑)。
― 「家賃が安い」は圧倒的に理由として多いですよね…! 東京へのアクセスもいいですし。富江さんはいかがですか?
富江: 僕はふじみ野に7年、現在はさいたま市浦和区に住んで3年になるのですが、浦和区に引っ越したのは、子どもが生まれたから。大きな病院が近くにあったり、子育てにはちょうどよい環境なんです。埼玉って「パパ・ママ応援ショップ優待カード(※)」という便利な制度もあって、例えばタリーズコーヒーなんかで提示すると子ども用のミルクをもらえるんですよ。
― たしかに埼玉は子育てしやすいってよく聞きます! とま子さんは、最近一人暮らしをはじめたと思いますが、北本から浦和に引っ越しましたよね? なぜずっと埼玉に…?
とま子: どこに住んだらよいのかわからなくて(笑)。埼玉にいれば買い物に不自由はないし、東京にも通いやすいですし。何よりも浦和レッズの試合を観に行きやすいです!!
― そういえば、とま子さんは浦和レッズファンでしたね。ユニフォーム着てるのにツッコミ忘れてた…。
とま子: 浦和レッズってアジアのNo.1クラブを決める大会に出ていたり、埼玉を世界へアピールするのにめちゃくちゃ貢献しているんですよ!
― さすが浦和レッズサポ、熱いなぁ〜〜〜。
なぜ埼玉の共通あるあるネタは少ないのか?
― さっき「埼玉にはあるあるネタがない」って話が出ましたが、なんで少ないんでしょう…?
二シ: 地域が細分化されているから「これが埼玉県民だ!」と言える共通認識が少ないんでしょうか。あとは、埼玉出身者よりも移住組が多いから…?
chiaki: もしかするとエリアによって文化が違うのは、昔の区分の名残があるんじゃないでしょうか? 廃藩置県直後に分けられたエリアと埼玉県内の文化の違いが、ほぼ一致するような気がします。
例えば、私の住んでいたふじみ野あたりは川越県(武蔵国一の大藩で、小江戸と称される「川越藩」を有するエリア)の影響が大きくて、越谷市のあった「葛飾県」や「小菅県」あたりとは文化が違うのかもしれません。だから同じ埼玉県民同士でも、全く知らないことがたくさんあるんじゃないでしょうか。
とま子: ちなみに、北本はもともと宿場町だった鴻巣と桶川に挟まれて、何もないところに生まれた町なので、文化とかアイデンティティが他の街よりもないみたいです。
― いわれてみれば越谷は宿場町だったから、今も旅籠の跡があったり、だるまとか人形とか土産物的な工芸品もいろいろつくられているし、江戸時代の文化が根強くあるかも。
chiaki: 宿場町とそうでない町でも、また文化が違うかもしれませんね。
もしかして埼玉ってアメリカみたいな場所?
― 最後に、埼玉県民の特徴についてお話したいのですが…二シさん、いかがでしょう?
二シ: 埼玉の人ってクセがないですよね! すごく良い意味で、色が濃すぎなくて柔軟というか。
富江: 埼玉という土地自体、ずば抜けて良いところもないし、悪いところもない。何もかもスッとなじめて、いかにも「この地域だから!」と押し付ける文化がない。これは埼玉の人たちの良いところですよね。
chiaki: 埼玉県民はみんな環境への順応性が高いですよね!
山見: わかる気がする。1日の中で、銀座で買い物する自分もいれば、家のそばの川でザリガニ釣ってる自分もいるし、ザリガニ釣っているときは銀座のことなんか忘れてる(笑)。
とま子: 都会と田舎がギュッと詰まった県だから、田舎にも浸れるし都会にも浸れるし、シチュエーションに応じた対応が得意かも!
― たしかに。「よそから来た人を受け入れる懐の深さ」が、埼玉県民の本質にあるのかな…埼玉って、すご〜く良く言えばアメリカみたいな文化があるかもしれませんね(笑)! というわけで、あっというまに1時間経っちゃいました。埼玉県民座談会、また開催しましょう! 今日はありがとうございました。