日本文化の入り口マガジン和樂web
10月26日(火)
人が通ったところに道ができる。(カフカ)
日本文化の入り口マガジン 和樂web
日本文化の入り口マガジン 和樂web
10月25日(月)

人が通ったところに道ができる。(カフカ)

読み物
Travel
2020.01.10

2020年の運気UPは大黒さまへ!「東京・大乗山経王寺」に行ってみた

この記事を書いた人

今年も残すところあとわずか。新しい年を良い年にするべく、2020年に行きたい開運スポットをご紹介します。開運スポットの選定は、雑司が谷で古本と占いのお店『ジャングルブックス』を営み、占い歴20年、これまでの鑑定人数は1万人を超える人気占い師のタナミユキさんです。

タナミさんいわく「来年はねずみ年なので、大黒さまを祀る寺社仏閣がおすすめです。ねずみはお大黒さまの眷族(けんぞく)であり、十二支の中でも始まりの動物なので」とのこと。

そこで今回は、大黒さまこと大黒天を祀る、東京・牛込柳町の「大乗山経王寺(だいじょうざんきょうおうじ)」を訪れ、住職の互井観章さん(以後、住職)にお話を伺いました。タナミさんの開運アドバイスも必見です。

『火防せの大黒天』大乗山経王寺

「大乗山経王寺」は、新宿区牛込柳町で400余年続く、お大黒さまを祀る日蓮宗のお寺。天和3年(1683)日蓮聖人の高弟である中老僧・日法(にっぽう)上人が彫造した大黒天立像を尊重院日静(そんじゅういんにちじょう)上人が、身延山久遠寺から江戸(市ヶ谷)に移し祀ったことが開基となりました。

その後、江戸城の外濠造成のために移転。度重なる火事によって、お堂とともにお寺の大事な書類などが焼けてしまうものの、尊像の大黒天だけは火難を免れ続けます。そこから、「火防せの大黒天」と庶民から信仰を集めるように。昭和60年(1985)7月5日、大黒天は「開運・大黒天」として新宿区有形文化財に指定され、現在は、新宿山ノ手七福神としても親しまれています。

子年と大黒さまのつながりとは?

——占い的には、子年の年には大黒さまにお参りすると良いとされています。お寺としては子年を意識しているのでしょうか?

住職: 子年は、物事のすべての始まりを示すと言われています。そういう意味では、来年は今年までの生き方を改めて、新しく素晴らしい人生を歩むための、いちばん初めの年となります。

また、ねずみは多産ですから、お大黒さまを信仰し、たくさんの宝物を生み出すという解釈もできますので、お参りいただくのは良い年かと思います。

——このお話を聞いただけでも、大黒さまへお参りに行きたくなってきました。

住職: 十二支がひと回りする12年かけて、人は自分の人生をつくり上げていくという考え方があります。だからこそ、お大黒さまをお参りする前に、これまでの12年を振り返り、次の12年をどう生きるか自身の心に問うことも大切。自分のだめな部分を懺悔することで生まれた心の空白に、新しい宝物をいただくというのがお大黒さまのご利益のひとつです。

日蓮宗 大乗山経王寺の第28代目の住職、互井観章さん。

大黒さまがいる大黒堂(堂内の撮影は禁止)。秘仏開運火防大黒天御開帳の詳細は、大乗山経王寺の公式サイトにてご確認ください。

大黒さまをお参りして、自分の煩悩を消す

——住職が考える大黒さまとはどんな神さまなのでしょうか?

住職: 由来となるヒンドゥー教では、お大黒さまは戦いの神であり、大変怖い神さまでした。日本に入ってきて福徳の神になりましたが、後ろには戦いの神さまの顔があります。

その理由は、お大黒さまが私たちの心の中にある煩悩を消し去るために戦っている神さまだから。夢や望みから生まれる煩悩と戦うことを、お大黒さまは私たちに教えてくれています。

人間は願わずにいられない生きものですが、その願いが自分を本当に幸せにする願いなのかを私たちに考えさせ、自分勝手な願いであれば捨てるための力を貸してくれる。それがお大黒さまなのです。

不要な願いを断ち切ってもらったことに感謝し、お参りを重ねる人に、お大黒さまは福徳を届けます。知らず知らずの夜のうちに。だからお大黒さまは真っ黒なんです。

「夜中にお経をあげていると、とても怖い顔のお大黒さまと対面することがあります」と住職。

——確かに大黒さまのお姿は真っ黒ですよね。

住職: 闇に紛れて福徳を届けるというのは、実は自分では気がつかないうちに、自分の生き方で幸せにするということ。自分が願ったことよりもっと大切な宝を下さる。これがお大黒さまのいちばんのご利益だと思っています。

たしかに競馬や宝くじが当たって、お参りに来る方もいらっしゃいます。『良かったですね』とお返事はしますが『でも、それで幸せになりましたか』と聞くと、実は『いいえ』という方が多いんです。

うちのお大黒さまは、そういう願いを叶えるためではなく、煩悩を断ち切ろうと努力する人を助け、幸せにしてくれる神さまだと僕は思っています。

住職からいただいた御朱印。「お大黒さまを文字で表現するなら、とにかく大きくて黒い天だから、大きく書こうということになり、あの文字になっていきました」

流れるような筆跡の御首題。

大黒さまと一緒に生きていくと、大黒天化する?!

——神道の大国主命(おおくにぬしのみこと)と、大黒さまが同一神であるという考え方もあるようなのですが。

住職: 大国主さんは縁結びで有名な神様ですが、実は人々が抱えきれない苦しみや悲しみを背負ってくれる神。その点でいえば大黒さまと一緒ですね。

自分で抱えきれないものを心の中のお大黒さまに背負ってもらいながら、お大黒さまと一緒に生きていく。そうするとだんだん自分がお大黒さま化していくんです。

——お大黒さま化?

住職: お大黒さまと一緒に生きていると自分に余裕ができたとき、人はお大黒さま化するんです。他者の荷物を持てるようになり、みんなの幸せにつながる。だからこそ、まずは周囲を幸せにする。それが結果的に自分を幸せにしていきます。

——煩悩と戦いながら、まずは周りの人を幸せにする…。幸せの本質を知ったような気持ちです。400年続くお寺の住職から聞けたと思うと、よりありがたい気持ちになります。

住職: 人を救おうとお寺をやっていたら、400年経っていただけです。救われた人たちがお寺を支えてくれました。お寺がやっていくことはこれからも変わりません。そんなお寺です、うちは。何にもない小さな寺が、キャッチコピーですから(笑)

境内には、さまざまな大黒さまの像や、お地蔵さまの像がいる。石像たちのデザインと制作は、岩手の石屋さんが手がけている。

本堂の中にある「文化堂図書館」では、宗教に関わる書籍はもちろん、詩集や小説などジャンルを超えた書籍がずらり。

ハピネス観章は住職のニックネーム。「あなたの心の診療所」をモットーに、映画会やコンサート、一日修行、法話会などのイベントや行事が積極的に開催されている。

タナミユキさんが教える、2020年の開運アドバイス

タナミさん: ご住職の仰るとおり、子年は12年のいちばん最初の年。私は自然の流れに沿って生きていくのが、開運法だと思っています。時の勢いをいただきに、2020年はねずみを眷属とするお大黒さまをお参りに行きましょう。見えない陰陽五行を整えることで、いちばん変えるのが難しい“自分の心”が自然と変わり、幸福へ近づきます。

子は五行でいうと水。12年目の亥年から水の五行なのですが、この2年間は自分を洗い流して、勢いをつけていく時期です。水は形を変えていく普遍的なもの。その強さ、しなやかさがいいですよね。

お参りとは、天と地の力を借りて時運をつけること。そのために大切にされてきた場所をお参りして自分でも気づかないエネルギーを手放しましょう。

大乗山経王寺は400年間護られてきた場所。そちらをまた、オープンに一般の人にも拓いてイベントや行事を積極的にしているお寺には場所の力だけでなく、大きな人間力を感じました。

新しい年のはじめに拓かれたお寺に行くのはいかがでしょうか?
見えない扉が開くかもしれません。

大乗山経王寺 基本情報

住所:東京都新宿区原町1-14
公式サイト:https://www.kyoouji.gr.jp/

書いた人

大学で美術史を学びつつ、好きになった相手がWEBデザイナーという理由だけで突然webに目覚める。書店、出版社など勤務後に独立。特技は占い。猫と本と散歩が好き。