真夜中にメロンパンが食べたくなってググったら、今まで知らなかったことが、出てくる! 出てくる! 多種多様なメロンパンの数々!!
もはやメロンパンの定義がわからなくなるほど…。
でも、私にとっては、大興奮のインスピレーションの嵐!
ドラミちゃんもメロンパンが大好物なことやその理由、皆さまは知ってました?
また、日本の一部のエリアでは、メロンパンの外観や中身が異なることも判明。
好きな食べ物の1つなのに、あまりにもメロンパンについて知らなすぎ~! だったのは、私だけ?
そこで、今回は、知ってるようで知らなかった!日本が世界に誇るべき日本発祥とされる食べ物の1つ「メロンパン」について、名前の由来や歴史から、果ては、メロンパンは世界平和の象徴なのではないかということまで、全部丸ごとメロンパンづくしでご案内していきます。
あ〜! メロンパンが食べたい!
メロンの味もしないのに、なんでメロンパンっていうの?
日本発祥の菓子パン「メロンパン」は、今や日本を訪れる外国人にも大人気!
外国人観光客が多い浅草には、メロンパン専門店やメロンパンが人気のお店も多く、久々に行ってビックリ。
メロンパンは、浅草の新名物にもなっているんですね!
そんな外国人にも人気のメロンパン、彼らにもよく質問される大きな疑問の1つが「ほとんどのメロンパンは、メロンの味もしないのに、なんでメロンパンっていうの?」という素朴な質問。
外観がマスクメロンみたいだから?
メロンパンは、固めの外側のクッキー生地がマスクメロンの皮みたいだし、さらに網目のような模様も入っていて形も丸いので、外観がマスクメロンみたいだから、メロンパンと呼ばれていると思っている人も少なくないのではないでしょうか。
諸説はありますが、これも確かに名前の由来の1つとして有力だと考えられているようです。
でも、これは、丸型のメロンパンに限ってのことらしいのです。
それって、どういうこと?と思った人も多いはず。
実は、西日本の一部の地域では、「メロンパン」と言えば、コレ!
ラグビーボールを半分にしたような形のこのメロンパンの中には、なんと、白あんやクリームなどのフィリングも入っています。
私を含めて、今まで知らなかった人には、逆に新しくて斬新に映りますね!
「メロン型」でパンを形成したからメロンパン?
ラグビーボール形のメロンパンは、昔、ライスをおしゃれに盛る時などによく使われていた定番のライス型(写真上)でパンが形成されて作られているとのこと。
業界では、この型は「メロン型」と言われているそうです。
そこから、「メロンパン」という名前がついたという説も有力とみられているようです。
高級だったメロンを庶民でもお腹一杯食べられるように!と込められた愛と願い
広島県呉市には、メロン型で作られたメロンパンの元祖ではないかとみられているお店の1つがあります。
それは、そのお店の名前自体も「メロンパン」という人気有名老舗店。
1936(昭和11)年に開業した戦前から営業を行うこのお店の名物のメロンパンは、呉市の人気ご当地グルメにもなっており、昔からの地元のお客さんはもちろんのこと、県外からも毎日、多くの人々が大人買いをしにやって来るほど大人気。
ここのメロンパンは、外側の生地はしっとり、持つとずっしり!とした重みを感じるほど、中にフィリングとして、素材にこだわった昔ながらの白あんベースの和風カスタードクリームがたっぷり。
だから、通常のメロンパンの2倍以上もの重さ!で、大きさもジャンボ。
このお店の取締役の中塩さんにお忙しい中、電話で貴重なお話を聞かせていただくことができ、次のようなことも分かりました。
このお店のメロンパンのネーミングの由来は、「当時、高級だったメロンを庶民でもお腹一杯食べられるように!」というこのお店を建てた最初の社長の愛と願いも込められているんですね。
この時代にもマスクメロンはありましたが、今よりもかなりの高級品で社会に広くまだ浸透しておらず、この当時のメロンと言えば、マクワウリ(写真下)という楕円形の東洋版のメロンのことを意味していたそうです。それでも、マクワウリも高級品だったので、庶民が気軽に毎日、食べられるようなものではなかったとのこと。
だからこそ、当時のメロン(マクワウリ)を模した外観のパンの中には、メロンの実に相当するこのお店ならではの採算度外視で追求した特製クリームが愛情と共にたっぷり入っているんですね。食糧難の時代でも、この社長の理念や信念に基づき、貴重な高級食材をふんだんに使用して作られてきました。
こうした理由からも、このパンのパッケージには、「高級パン」と書かれているとのことです。
そんなメロンのような高級なパンは、社長の努力で庶民でも手の届く価格で提供され、1個食べればお腹いっぱいになるほどボリューミー。
そのため、この当時、社長は常に経営が火の車で大変だったらしいのですが、このメロンパンに救われた人がどれほど多くいたことでしょう。
また、当時は、パンはショーケースの中に陳列されて、ケーキや和菓子などと一緒に販売されていたような時代。
考えてみれば、このメロンパンは、今でいうデザート・スイーツパンの先駆けのような商品ですよね。
そういう意味でも、庶民に手の届く価格で販売してくれていても、当時はなおさら、「高級パン」のおしゃれなイメージも強くあったのではないでしょうか。
その後、このパンのパッケージを作る頃になると、メロンは高級品には変わりありませんでしたが、マクワウリではなく、マスクメロンがメロンとして社会に浸透していました。こうした時代背景もあって、中身はマクワウリの形をしたラグビーボール型のメロンパンですが、このパンのパッケージには、マスクメロンのデザインが採用されているとのことです。
昔からのお客さんも多いので、すぐに商品が分かるように、この時初めてパッケージを作ってから現在まで1度もデザインが変わっていないそうです。
そして、初代社長の理念や信念は、今もしっかり受け継がれています。
上の写真のパッケージにあるマスクメロンのデザイン、よ~く見てみると、文字が浮かび上がってくるんですよ!
浮かび上がってきた文字が見えますか?
そう、メロンパン! ひらがなの「めろんぱん」、カタカナの「メロンパン」、ローマ字の「MELONPAN」の3種類でマスクメロンの網目のデザインに描かれているんです。
知ってました?
昔の時代にこれがデザインされていたわけですから、今もステキですが、当時は、かなりおしゃれで斬新だったと思います。
ちなみに、広島県の呉市や三原市などでは、丸いメロンパンのことを「コッペパン」と言うんですって!
そして、全国で大多数の人がイメージする長細いコッペパンは、このエリアでは、大人になっても「給食のパン」と呼ぶんだそうです。
「メロンパン」の基本情報
住所:広島県呉市本通7-14-1
電話番号:0823-21-1373
営業時間:7:00から完売次第、終了
定休日:日曜
丸い形のメロンパンの発祥
同じ頃、神戸でもラグビーボール形のメロンパンがあったようですが、こちらは、中のフィリングは、たっぷりの白あん。
1930年代のこの時期、神戸を本店に持つベーカリー「金生堂」の呉支店(広島)で、外側がビスケット生地の丸いパンが誕生したそうです。すでに人気となっていたラグビーボールの形をしていたメロンパンもありましたが、この丸いパンも発売するとすぐに大ブレーク!
これは、丸い形のメロンパンの発祥の1つではないかとみられているらしいです。
しかし、この当時の丸いメロンパンの外生地には、現在のようなマスクメロンの網目模様のようなものではなく、当時の呉市が軍港の町として栄えていたこともあり、軍艦旗にある太陽の光線を模した放射状の線が入っていたようです。これにちなんで「サンライズ」というパンの名前が付けられたとのことです。
金生堂の呉支店でブレークしたこのパンは、当然、神戸本店でも販売されるようになり、この本店を中心に丸型のメロンパンは関西にも浸透。こうした歴史により、関西では、丸いメロンパンのことを「サンライズ」といい、白あん入りのラグビーボール形のパンは「メロンパン」と呼ばれていくようになったとのことです。
ラグビーボール型のメロンパンは、丸いメロンパンの先祖?
一方、東京でも、同時期頃の1930年(昭和5年)に、「駒込木村屋」による外側がクッキー生地の菓子パンの作り方が実用新案で登録されている記録が残っているらしいです。これは、発売されたばかりのころには、メロンパンという商品名では無かったとのことですが、これも丸い形のメロンパンの発祥の1つではないかとされています。
しかし、特にこの時代は経済的に余裕がない中、日々必死にその日を生きていた人が多かったので、大半の職人は、それを生み出した最初の人でさえ、実用新案の登録をするお金や時間的な余裕もなかった人がほとんどだったのではないでしょうか? そういう観点からも、丸いメロンパンの発祥とされるようなものは、さまざまな場所で既にあったのではないかと私は思います。
また、日本で誕生したとされるメロンパンですが、外国人発祥説もあります。
帝国ホテルに引き抜かれたアルメニア人のパン職人が、フランスの焼き菓子「ガレット」をヒントに誕生させたという説など…。
その中でも有力視されているのが、下の写真にあるメキシコの国民的菓子パン「コンチャ」。
戦前の時代にアメリカへの移民をたくさん送り出した広島で、メキシコからアメリカに伝わったこのコンチャを帰国した人々が再現したものが、丸いメロンパンの発祥なのではないかという説もよく聞かれます。
でも、これが丸型のものの発祥だとしても、その前にラグビーボール型のメロンパンが日本には既にあったとも言われています。
謎が多いメロンパン。
同時期に日本のいくつかの地域で誕生し、互いに影響し合いながらも独自発展を遂げてきた一時期もあったとする説もあります。
それでも、金生堂の呉支店でブレークした丸いメロンパンの例や、マクワウリがマスクメロンよりも先に社会に浸透していた歴史をみてもわかりますように、ラグビーボール型のメロンパンの方が丸型のものより先に誕生しているという歴史的な流れの説がかなり有力のようです。
しかし、戦後の経済の急成長の過程で、楕円形のマクワウリをメロンとしていた時代も影を潜め、メロンと言えば丸いマスクメロンを想像する人々が増えたことなどもあり、ラグビーボール形のメロンパンも激減。これに代わって、丸型のメロンパンが全国に広まっていき、現在に至っているとのことです。
この流れで、「サンライズ」も「メロンパン」と名称変更して販売するお店も増加。現在では、ラグビーボール形「メロンパン」や丸型の「サンライズ」は、そのほとんどが、西日本の一部のエリアで主に老舗店を中心に販売されている希少な存在となっているようです。
歴史的にもどこから発生したのが特定しづらい謎の歴史を持つメロンパンですが、今とは異なり日本が経済的に豊かでない時代に登場したことは確かなことでしょう。そして、食糧難の時代、戦後、GHQから配給された小麦粉で、このパンは一気に色々な場所で作られて発展してきたパンなのではないでしょうか。メロンパンは、そんな辛い時代に人々を少しでも笑顔にさせたり、つかの間の幸せを感じさせてくれるような愛が詰まっていたことも確かだと思います。
なぜ、「メロンパン」と呼ばれるようになったかという疑問、このパンが登場したとされる時代背景からしても、呉の老舗店「メロンパン」の中塩さんが話してくださった「高級だったメロンを庶民でもお腹一杯食べられるように!」という所に、おおむねのその答えがあるように私個人は感じました。
ラグビーボール形「メロンパン」や丸型の「サンライズ」を味わえるエリアへ行ったら、ぜひ、その歴史と一緒に味わってみたいですね。
メロンパンで世界平和。あ~、メロンパンが食べたい!
それから、冒頭で触れたドラミちゃんがメロンパンを大好きな理由、気になりますか?
それは、ドラミちゃんがのび太の家へ初めて訪れた際、偶然、メロンパンがテーブルに置きっぱなしになっていたので、食べてみたら、あまりのおいしさに衝撃を受けて感動したので、それ以来、メロンパンが大好物になったんですって!
人間ではないドラミちゃんまでにも愛されているメロンパンは、現在、進化系のものも含めて、多種多様な種類が日本には存在します。
日本に興味がある外国人の多くは、Youtubeなどで見て興味を持ったメロンパンを日本に来たら真っ先に食べてみたい食べ物の1つとして挙げているようです。
【※2020年4月現在、東京オリンピックの延期が決定しています】
2020年の東京オリンピックの観戦や応援などに様々な国から日本へやって来る多種多様な人々が、満面の笑みを浮かべながら、片手に多種多様な自分好みのメロンパンを持って味わいながら街を歩いている光景が見られるのではないかしら?とその光景が頭に広がっている私。
その光景は、現代の日本のステキな文化の1つである多種多様な「メロンパン」が、多種多様な人々に愛されて、「平和の祭典」であるオリンピックで「世界平和」を表しているまさに美しい生きた現代アートにもなりえる光景だと私は考えています。
いっそのこと、2020の東京オリンピックの開会式で観客席の全員が自分の好きなメロンパンを片手に持って、満面の笑みでおいしそうに皆、食べながら、開会式をスタンドで観戦していてもいいと思う。
その中継をTVなどで見た世界中の人々は、「あれは、なんだ!」と言い出すはず。
私にしてみれば、日本のステキな文化の1つである「メロンパン」は、多様性の美学の象徴の1つ。
だから、世界平和の象徴の1つにもなりえる。
皆が自分の好みのおいしいメロンパンを見つけて満面の笑みを浮かべて味わえば、世の中から戦争もなくなるのではないか。
平和を願いながら、自分の好きなメロンパンを食べることを日本の新しい粋な文化の1つとして、私は提案します!
そう、メロンパンで世界平和!
「メロンパンで世界平和」って、ググってみたら、「平和パン」というメロンパンの一種を発見!
長崎のカステラと広島のコッペパン(丸いメロンパン)で平和を祈ることを表現した、中にストロベリー・ジャムがのったカステラが入ってるメロンパンの一種。
何たる偶然!このパンも先にご紹介した呉市の有名人気老舗店「メロンパン」で販売しているんですね。
すばらしい!感動が止まりません。
こんなステキなメロンパンの一種があったのを今まで知らなかったなんて…。
メロンパンで世界平和。
あ~!メロンパンが食べたい!と思っているのは、私だけではないようです。